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PRESS RELEASE

2015年3月26日
富士通株式会社
オリックス株式会社
株式会社増田採種場
静岡県磐田市

静岡県磐田市でスマートアグリカルチャー事業の立上げ検討で基本合意

日本初、共創による農業オープンイノベーションの実現

富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下、富士通)、オリックス株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長:井上亮、以下、オリックス)、株式会社増田採種場(本社:静岡県磐田市、代表取締役:増田寛之、以下、増田採種場)および静岡県磐田市(市長:渡部修、以下、磐田市)は、このたび、農業を基点とした地方創生の実現に向け、静岡県磐田市におけるスマートアグリカルチャー(注1)事業(以下、磐田スマートアグリカルチャー事業)の立上げに向けた検討を開始することにつき基本合意しました。

本事業は、事業主体となる3社に加え、高度な専門性をもつ種苗会社、高い栽培技術をもつ農業生産者、マーケット感度の高い流通・食品加工会社、自治体、学術機関、農業機械・資材メーカーなど、業種・業態を越えた企業・団体の知見を融合させ、食・農全体のバリューチェーン(種苗~生産~加工・出荷~販売など)を俯瞰した新たなビジネスモデルの共創を図るものです。

本事業を通じて、地域の「強い農業づくり」を実現し、さらには新たな地域基幹産業の創造、地域のブランド化による地方創生に寄与することを目指します。

2015年度下期からの事業開始に向け、富士通は4月1日に「磐田スマートアグリカルチャー事業準備株式会社」を設立します。

背景

日本の農業生産物は、味、形状、安全性などの面で高品質であり、品種のバリエーションも多く、魅力的な一方で、農業は耕作放棄地の増加、就農者の高齢化といったたくさんの課題が存在しています。これらの課題は、例えば高い技術を持った種苗会社と優秀な生産者との連携が進まない、あるいは、一事業者が新たな成長戦略を描いても実行しきれないといったビジネスモデルの硬直化に起因するケースが多く、この課題解決に向けて、農業を中核として複数のプレイヤーが一体となる共創型のスマートアグリカルチャー事業の創造が求められています。

磐田スマートアグリカルチャー事業の概要

1.目的

静岡県磐田市は、立地、気候に恵まれた日本有数の農産物の生産地です。一方で、遊休農地の発生、担い手の高齢化、中核農業者の不足など、日本の農業の典型的な課題を抱えています。

農業における課題解決は地域活性化につながるものであり、農業を基点とした新たなビジネスモデルの創造が強く求められています。

磐田スマートアグリカルチャー事業は、種苗会社、農業生産者、流通・食品加工会社、自治体、学術機関、金融、ICTを含む農業機械・資材メーカーなどの様々な知見を融合し、食・農全体のバリューチェーン(種苗~生産~加工・出荷~販売など)を俯瞰した新たなビジネスモデルを創造するもので、強い日本の農業の実現といきいきとした地域の創生を目指します。

磐田スマートアグリカルチャー事業のイメージ

2.概要

  1. 共創による事業の実現

    事業主体となる富士通、オリックス、増田採種場に加え、高度な専門性をもつ種苗会社、高い栽培技術をもつ農業生産者、マーケット感度の高い流通・食品加工など、業種・業態を越えた複数の企業・団体によるオープンな共創を基盤とします。

  2. 新たなビジネスモデルの創造
    1. 生産・加工事業

      マーケットイン型の農業生産事業を実現するため、開発プロセス、マーケティングプロセスにおいて、種苗・栽培技術・流通を適切にミックスした事業モデルを実現します。本事業においては開発の起点である、種苗会社、農業生産者に流通企業の考え方をタイムリーに取り込むビジネスモデルを創造します。

      具体的には、ICT/テクノロジーを活用した高度な環境制御が施された栽培施設を使用し、季節や天候、場所に影響されず、安定的な大規模・効率生産を行います。

      将来的には、加工プロセスを付加し、実需者のオーダーに幅広く対応可能な体制を整備し、生産~加工・出荷~販売のバリューチェーンの構築を目指します。

    2. インフラアウトソーシング事業

      「強い農業づくり」のためには、自然環境や市場環境の変化に対応しながら、調達・品質・コストなどを安定させる高度な事業インフラの構築が必須です。本事業において構築された、「高度な環境制御が施された種苗・栽培施設」、「効率的なオペレーション」、「堅牢なセキュリティが施されたデータマネジメント」を、自社の事業インフラとして活用するのみならず、種苗会社・農業生産者に提供してまいります。

    3. 種苗ライセンス事業

      日本では、様々な付加価値のある品種が開発されてきましたが、その多くが脚光を浴びずに埋もれてしまっています。その原因の1つには、種苗会社~生産者~流通・食品加工会社が連動しきれていないことがあると考えています。この3分野の事業者が有機的に一体化するビジネスモデルを構築し、これまで埋もれていた品種の高付加価値化を実現します。さらにそこで生まれた様々なナレッジや技術を権利化し、農業における新たなライセンスビジネスへ進化させてまいります。

  3. 地域での雇用創造と人材育成

    本事業が永続的に地域に貢献するために、雇用の創造・地域人材の育成にも取り組んでいきます。雇用においては、様々な働き方や人材を活かせる農業におけるダイバーシティの実現を創造し、人材育成においては、地域の学術機関や農業における先進的な知見者との連携により、将来に渡って地域農業の中核となる人材の育成に努めます。

3.スケジュール

2015年4月1日に、「磐田スマートアグリカルチャー事業準備株式会社」を設立します。

2015年度上期中に、富士通、オリックス、増田採種場と上記準備会社にて、事業環境の整備ならびに実行準備を行い、詳細実行計画を合意の上、準備会社の増資(合弁会社化)および事業会社への位置づけ変更を行う予定です。当該事業会社にて、2015年度下期より事業開始予定です。

4.事業用地(予定)

  • 住所:静岡県磐田市
  • 面積:当初、約10ha(ヘクタール)。以降、順次拡大

5.主なパートナー企業(50音順)

  • 農業生産者:アグリ・ベリー、グロー、宮本農園
  • 種苗メーカー:アサヒ農園、ベルグアース、横浜植木
  • 農業コンサルティング会社:コネクト・アグリフード・ラインズ

6.事業準備会社の概要

(1)社名  :  磐田スマートアグリカルチャー事業準備株式会社
(2)所在地  :  静岡県磐田市中泉
(3)代表者  :  須藤 毅
(4)設立年月日  :  2015年4月1日
(5)資本金  :  30,000,000円
(6)株主構成  :  富士通全額出資

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 スマートアグリカルチャー:
ICT/テクノロジーを利用した農業技術のこと。農作物の育成工程にセンサーやビッグデータなどのICTを活用して、生産性や品質を高める。基本となる栽培環境はハウス栽培で、環境制御を行うことで季節や天候、場所に左右されずに農作物にとって理想的な環境を作り出す。

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)

オリックス株式会社
グループ広報部
電話 03-3435-3167

株式会社増田採種場
広報窓口
電話 0538-35-8822

静岡県磐田市
産業部産業政策課
電話 0538-37-4904


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