このページの本文へ移動
  1. ホーム >
  2. プレスリリース >
  3. 九州大学と富士通、数理技術に基づく社会システムデザインに関する共同研究部門を開設

PRESS RELEASE

2014年9月12日
国立大学法人 九州大学
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

九州大学と富士通、数理技術に基づく社会システムデザインに関する共同研究部門を開設

国立大学法人九州大学(注1)(以下、九州大学)と富士通株式会社(注2)(以下、富士通)、株式会社富士通研究所(注3)(以下、富士通研究所)は、本日より九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(注4)内に共同研究部門(「富士通ソーシャル数理共同研究部門」)を設置し、公平で受入れやすい社会の制度や施策を実現するための数理技術に関する共同研究を開始します。

従来、公共施設や流通システムなどの様々な制度や施策の設計において、人間の行動や心理を適切な形で組み込むことができていなかったため、利用者が増えない、想定外の行動により使い勝手が悪いなどといった課題が発生しています。このような課題を解決するために、本共同研究部門では、人間の行動や心理を明らかにする社会科学的研究とビッグデータを活用した数理技術を融合した研究を行います。

九州大学と富士通、富士通研究所は、本共同研究部門を産学連携拠点、および学際的研究活動拠点と位置付け、社会的受容性の高い制度や施策を実現するための方法論・技術の開発を推進し、社会的課題の解決に貢献していきます。

背景

九州大学マス・フォア・インダストリ研究所は、アジアで初めて設立された産業技術に関わる数学研究の拠点です。様々な数学研究に基礎を置く世界に類のない産業数学の研究所として国際的にも認知が高まっており、2013年4月23日付けで文部科学大臣から共同利用・共同研究拠点「産業数学の先進的・基礎的共同研究拠点」に認定されています。

富士通と富士通研究所は、個別の技術では解決できない社会的課題に対して、ビッグデータなどのデータ利活用技術を中心とした様々な課題解決のための技法を融合し、社会実践を通して推進、検証して、人にやさしい豊かな社会であるヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの実現を目指しています。

今回、九州大学と富士通、富士通研究所は、三者の技術的強みを活かして、制度設計者、サービス提供者、利用者など全ての関係者にとって公平で納得性の高い社会の仕組み(社会システム)をデザインするための数理技術の開発が有効と判断し、共同研究部門を開設することとしました。

研究概要

近年、例えば、人が集まる場所の混雑緩和や安全性の向上といった社会的課題を解決するための制度や施策の設計において、様々なデータを用いた分析や最適化といった数理技術の活用への期待が高まっています。しかし、既存のデータ利活用技術だけでは限界があり、人間の行動や心理などの影響も考慮した、公平で受け入れられやすい制度や施策の設計は一般には難しいといえます。より広範な社会的課題を適切に解決するために、今後は、人の行動や心理、さらには例えばサービス提供者と利用者の間のインセンティブなども考慮して需給バランスやトレードオフを解決することが必要です。

本共同研究部門では、人間の行動や心理をモデル化し、社会システムの施策や制度の設計を最適化するための数理技術の開発を目指します。分析・最適化・制御といったデータ利活用技術と、経済学・心理学などの社会科学研究を融合して研究を進め、社会的な制度や施策の設計技法の確立、およびその社会実践を行っていきます。

主な研究内容は以下のとおりです。

  1. 社会システムモデリング技術:人間の行動や心理を数学的に記述し、社会システムのモデルを構築する技術
  2. 社会制度設計技術:社会システムモデルを用いて公平で納得感のある制度や施策を設計する技術
  3. 社会制度評価技術:設計した制度や施策が社会に与える影響を可視化する技術

共同研究部門の体制

本共同研究部門の開設に伴い、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所からは専任教員および協力教員が、富士通から技術者、富士通研究所から研究員が参加し共同で研究活動を行います。

本共同研究拠点を通じて、九州大学の関連する学府・研究院や国内外の研究機関等とも人材交流を行い、社会的課題に対する実践的なソリューションの研究開発や人材育成を図ります。

図1 研究のアプローチと課題例
図1 研究のアプローチと課題例

以上

注釈

注1 国立大学法人 九州大学:
総長 有川節夫、所在地 福岡市西区。
注2 富士通株式会社:
代表取締役社長 山本正已、本社 東京都港区。
注3 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 佐相秀幸、本社 神奈川県川崎市。
注4 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所:
所長 若山正人、所在地 福岡市西区。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

九州大学
マス・フォア・インダストリ研究所
電話 092-802-4402
メール jimu@math.kyushu-u.ac.jp

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)

株式会社富士通研究所
ソーシャルイノベーション研究所 ナレッジプラットフォーム研究部
電話 044-754-2652(直通)
メール fsmjru@ml.labs.fujitsu.com


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。