PRESS RELEASE (サービス)
2014年6月25日
富士通株式会社
株式会社富士通システムズ・ウエスト
ソフトウェアの安全性に貢献、ソフトウェア開発工程のトレーサビリティツール
「PLEMIA SQ-Tracer V3」を販売開始
医療分野向けにも販売を強化し、2014年末の改正薬事法施行への対応を支援
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本正已、以下 富士通)は、組み込みシステムやソフトウェアの開発における設計工程のトレーサビリティを実現するソフトウェアパッケージ「FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA SQ-Tracer V3(フジツウ マニュファクチュアリング インダストリー ソリューション プレミア エスキュートレーサー V3)」を6月25日より販売開始します。本製品は、株式会社富士通システムズ・ウエスト(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鈴木英彦)が開発しました。
今回、システム開発において担当者が作成した設計ファイルを、Microsoft ExcelやMicrosoft Wordだけではなく、あらゆる形式ファイルで連携させて関連性を調べることが可能になったほか、その状況を一覧で見やすくすることで、より高品質な開発を支援することができます。
また、医療分野においては、2014年末に施行される薬事法改正(注1)により、生体情報の保管や画像情報を表示するようなソフトウェア単体でも医療機器とみなされ、販売・流通の規制の対象になることが予定されています。そのため、従来の自動車業界や精密機器・電機業界向けのお客様に加え、医療業界向けにも販売を強化し、多分野にわたるお客様の高品質かつ安全な製品の開発に貢献してまいります。
なお、本製品は、6月25日(水曜日)から27日(金曜日)にかけて、東京ビッグサイトで開催される「第5回 医療機器 開発・製造展(MEDIX)」に出展いたします。
背景
自動車や医療分野(注2)では、電子制御システムやソフトウェアに欠陥があった場合に人命に関わるほどの大きな被害が予想されるため、製品や機器に対して高い品質と安全性が求められています。そのため、自動車や医療といった分野ごとに、国際標準規格が定められており、開発プロセス(注3)の設計内容を文書として残し、トレーサビリティを確保することが義務付けられています。
特に、医療分野では、2014年末に施行される薬事法において、ハードウェアだけではなく、単体のソフトウェアについても医療機器に該当するとしています。これにより、単体ソフトウェアの開発においても、「IEC62304」などの国際標準に準拠した開発が要求されることが想定され、トレーサビリティの確保が必要になります。
「PLEMIA SQ-Tracer」 は、2011年の発売以来、自動車の電装部品メーカーを中心に数十社に活用いただいてきました。メーカーにおいて「PLEMIA SQ-Tracer」を活用することで、多くの開発者が関わって作り上げていく製品に対し、各担当者がそれぞれ残した設計内容をすぐに共有することができます。また、開発途中で設計要求に変更があった場合に、どの設計までさかのぼって修正すればいいかなどの判断が可能になります。
今回の新バージョンでは、操作性の向上やトレーサビリティの見やすさを追求するほか、医療分野への販売を強化し、お客様の規制対応と高品質な製品開発に貢献していきます。
新バージョンの特長
図. 設計文書の取り込みとトレーサビリティ帳票の出力イメージ
- 様々なファイル連携による関連付けの強化
Microsoft ExcelやMicrosoft Wordで作成された設計書だけでなく、ソフトウェア開発において急速に普及が進んでいるモデリング言語を活用して設計した「モデルベース開発」(注4)のモデルファイルとも連携する機能を搭載しました。これにより、モデルファイルと他設計文書との関連付けが容易にできるようになります。
- 設計トレーサビリティを見える化
設計文書間や設計要求単位のリレーション状態を、マトリクス帳票に出力する機能を搭載しています。関係性が俯瞰的に一目でわかるため、設計途中のレビューや監査の際に、出力した帳票を用いて、トレーサビリティの抜け漏れを容易に確認できます。
- 取引先とのデータ交換を容易に実施可能
「PLEMIA SQ-Tracer V3」上で設計書を一元的に管理しているため、開発に携わっている複数の企業間でのデータ交換において、開発プロセスと設計文書のデータを一括して送受信できる機能を新しく搭載しました。これにより、取引先から受領した詳細設計書やテスト結果などの成果物一式をまとめて自社の環境に取り込むことができます。
販売価格、および出荷時期
製品名 | 販売価格(税別) | 出荷時期 |
---|---|---|
FUJITSU Manufacturing Industry Solution PLEMIA SQ-Tracer V3 | 280万円/10固定ライセンスから | 本日より |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 薬事法改正:
- 2013年11月に成立した改正薬事法「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」。この中で、2014年末にも、単体ソフトウェアを製造・販売の承認・認証などの対象にすることが盛り込まれている。
- 注2 自動車や医療分野:
- 自動車分野では、電子制御システムの品質・安全性を確保するための国際標準規格「ISO26262」が2011年に制定。医療分野では、医療機器に搭載されたソフトウェアに対する安全規格「IEC62304」が2006年に制定。
- 注3 開発プロセス:
- 製品を開発する工程のこと。基本設計工程・詳細設計工程・開発工程・テスト工程など。
- 注4 モデルベース開発:
- 自然言語による設計記述ではなく、モデル(オブジェクト)を記述する設計手法のこと。開発初期段階からシミュレーション実施による設計不具合を抽出したり、モデルからソースコードを自動生成したりすることが可能。
関連リンク
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