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PRESS RELEASE (導入事例)

2014年5月14日
富士通株式会社

エアバス様のRFID Integrated Label商談を獲得

富士通のRFID技術により航空機部品の正確な管理とトレーサビリティを実現

当社は、このたび、エアバス様のRFID Integrated Label商談を獲得しました。本商談は、エアバス社の全ての航空機の製造段階から、主要な航空機部品一つ一つにRFIDラベルを貼り付けて、部品の個体管理と正確なトレーサビリティを実現するものです。当社は、従来品より柔軟性や薄さを強化した新RFIDラベルを提供します。

この仕組みにより、エアバス社は、製造から整備までの正確なトレーサビリティが可能となり、部品供給のリードタイムの短縮や、部品の調達の削減、および整備の効率化を実現します。

背景

航空機部品に貼付した新RFIDラベル
航空機部品に貼付した新RFIDラベル

航空機には、1機あたり数百万点の部品が搭載されており、航空業界では、設計・製造から修理、廃棄までの数十年のライフサイクルの全課程がたどれるトレーサビリティを行うなど、徹底した部品管理が不可欠です。しかし、航空業界は部品サプライヤー、機体製造業者、運航会社、整備会社とプレイヤーが多く、国や企業をまたがった部品管理行うため、その仕組みは複雑であり、在庫部品の重複などの無駄が発生しています。また、整備作業でも、膨大な数の部品を間違えずに交換するため、作業員の作業負荷が高いなどの課題がありました。そんな中、航空機業界では、他の交通手段との競争によるコスト削減が急務である一方で、安心安全に部品管理や整備を行うことが求められています。

エアバス社様は、航空機部品のサプライチェーンの透明性・可視性を強化するために、2009年に、最新鋭中型機であるA350 XWBの航空機部品にRFIDラベルの適用を開始し、2012年10月には全エアバス機へと適用対象を拡大しました。そして2013年1月に、「エアバス RFID Integrated Label」プロジェクトに着手し、従来、部品情報が表示されている銘板を、トレーサビリティ性の高いRFIDラベルに置き換える方針を決定しました。

「エアバス RFID Integrated Label」プロジェクトについて

エアバス社様は、本プロジェクトにおいて当社の新RFIDラベルを選定し、主要な航空機部品に貼り付けます。

これにより、エアバス社と航空機部品サプライヤーは、航空機部品それぞれの製造情報や整備情報を確認することができます。また、個々の部品の保管情報や在庫を常に確認できることで、ベストな部品補給が可能となり、部品供給のリードタイムの短縮や、重複の調達を削減など、部品在庫の最適化が可能となります。

当社のRFIDラベルおよびソリューションについて

株式会社富士通研究所(注1)の技術を用いて開発した当社の新しいRFIDラベルは、品質の要求が厳しい航空機部品に適用されるSAE AS5678規格(注2)と、航空業界の標準データフォーマットである「ATA Spec 2000 standard Ver. 2013.(注3)」に準拠しています。メモリサイズは、1キロバイトと8キロバイトの2種類、大・中・小の3サイズを展開し、かつ金属・非金属にも対応することで、数百社に渡る全世界の部品ベンダーの要求に柔軟に対応することが可能です。リーダの読み取り距離は約1.5メートルであり、アメリカやヨーロッパのRFID周波数帯域に準拠しています。

また、当社は、RFIDリーダ、データ書き込み・ラベル印字ソリューション、お客様の既存ERPシステムと連携するシステムインテグレーションアダプターなどを総合的に提供し、航空機部品サプライヤー、航空機製造メーカー、航空会社、メンテナンス会社など、航空業界全体での部品のサプライチェーン効率化をトータルで支援します。

新RFIDラベルおよび関連製品は2014年6月1日より販売を開始します。

富士通は、エアバス社様の戦略パートナーとして、ともに航空業界のサプライチェーンを変革します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐相 秀幸。
注2 SAE AS5678規格:
SAE(Society of Automotive Engineers)が2006年12月に規格制定した、航空機使用を目的とするパッシブ型RFIDラベルに対する環境仕様および試験方法について規定した規格。RFIDラベルを使用する環境条件を、標準環境(Standard)、堅牢環境(Robust)、過酷環境(Harsh)3つに分類し、各々の要求仕様を決めている。
注3 ATA Spec 2000 standard Ver. 2013:
ATA(Air Transport Association:航空輸送協会)が策定する、航空機部品の材質や信頼性に関する情報交換や処理手順などについて規定した標準化ドキュメント。第9章では、部品に貼付するバーコード、二次元コード、RFIDについての規定をしている。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

イノベーションビジネス本部 AITソリューションビジネス統括部
電話 03-6252-2612(直通)
メール gsb-fujitsu-ait@ml.css.fujitsu.com


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