PRESS RELEASE
2014年5月1日
日本電信電話株式会社
日本アルカテル・ルーセント株式会社
富士通株式会社
サービスアプリケーションが求める信頼性・拡張性に応えるプラットフォーム技術が
欧州の標準化団体ETSIのコンセプト実証として認定
NTT、日本アルカテル・ルーセント、富士通の三社で5月に沖縄でデモを実施
日本電信電話株式会社(代表取締役社長:鵜浦 博夫、以下「NTT」)、日本アルカテル・ルーセント株式会社(代表取締役社長:ニコラ・ブーベロ、以下「日本アルカテル・ルーセント」)、富士通株式会社(代表取締役社長:山本 正已、以下「富士通」)は、三社で取り組む共同研究(注1)における研究成果として、欧州の標準化団体であるETSI(注2)のNFV ISG(注3)へ、仮想ネットワーク基盤サービス(VNPaaS)の具体的な実現構成を提案し、ETSI公認のコンセプト実証(以下、「PoC」(Proof of Concept))として認定されました。
2014年5月14日に沖縄万国津梁館貴賓室にて本ユースケースのデモンストレーションを行う予定です。
背景
近年、仮想化技術を通信ネットワークへ適用することで、通信事業者が専用のハードウェアによって実現してきた従来のネットワーク機器をソフトウェア化し、汎用ハードウェアの仮想化基盤上で動作させる「NFV(Network Functions Virtualisation)」に注目が集まっており、国際的にもETSIを中心に技術検討が進められています。今後、仮想ネットワーク構築技術の進展により、ネットワークの構築・変更を柔軟かつ迅速に実現することが可能となります。
一方で、通信ネットワーク機能のソフトウェア化により、実現すべき機能が増えるため、サービスアプリケーションの複雑さがより増していくことが予想されます。そこで、NTT、日本アルカテル・ルーセント、富士通の三社は、通信事業者とパートナーが培ってきた、情報通信システムを支える信頼性、拡張性、運用性を実現するプラットフォーム(注4)を担うサーバアーキテクチャ(注5)の共同研究に2014年2月より取り組んでいます。( 図1参照)
提案したPoC
ETSI NFV ISGで定義されたユースケースの一つである仮想ネットワーク基盤サービス(VNPaaS)とは、サービス提供会社に仮想ネットワーク上でアプリケーションの開発、搭載、運用を可能とするフレームワークを提供するサービスのことを示します。
本提案では、複数の地域にまたがって分散配置されたハードウェアを用いて情報通信システムに求められる信頼性・拡張性を担保するプラットフォーム上で、一つの仮想ネットワーク機能を実現するコンセプトを実証しました。( 図2参照)
従来アプリケーション側で実現していた信頼性・拡張性機能をプラットフォームで実現することで、サービス提供会社はアプリケーションごとに信頼性・拡張性を考慮する必要がなくなることから、アプリケーションの開発量が減少し早期開発が期待できます。また、複数の地域にまたがってハードウェアを分散配置させるプラットフォームの特長から将来的には自然災害等の被害からの早期システム復旧が可能になります。
PoCに参加する企業と各社の役割
- NTT: 通信事業者の要件の提供と実証内容の提案。
- 日本アルカテル・ルーセント:通信事業者向けの保守要件を考慮したサーバ仮想化・オーケストレーション技術を持つ製品「CloudBand」の提供。
- 富士通: ステートフルな(システム内部に状態を保持する)VNF(注6)において高信頼性と拡張性を実現するミドルウェア(*)と、保守・運用の役割を果たす技術の提供。
* NTTR&Dの分散処理技術を組み込んで開発。
今後の予定と展望
2014年5月14日に沖縄万国津梁館貴賓室で本ユースケースのデモンストレーションを実施します。今回のPoCでの実績をベースに、引き続き共同研究を通じて信頼性・拡張性・運用性を必要とする様々な情報通信分野を支えるプラットフォーム技術について、その実用化に向けた取り組みを進めるほか、国内外のテレコムキャリア、ベンダと協力しながら、グローバルな普及や世界標準化を目指し、研究開発を進めてまいります。
商標について
記載されている社名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
添付資料
- 図1. 仮想ネットワーク基盤サービス(VNPaaS) (417KB / 1ページ)
- 図2. NFV ISG PoC提案の概要 (426KB / 1ページ)
以上
注釈
- 注1 共同研究:
- 2014年2月7日にNTTが報道発表した「将来ネットワークを見据えた新たなサーバアーキテクチャの共同研究」
- 注2 ETSI(European Telecommunications Standards Institute):
- ヨーロッパ圏の電気通信における標準仕様を策定するために設立された標準化団体
- 注3 NFV ISG(Network Functions Virtualisation Industry Specification Group):
- 2012年12月世界のキャリアが中心となり、ETSI内に設立したキャリア主導のネットワーク仮想化技術に関する検討を推進するグループ
- 注4 プラットフォーム:
- あるソフトウェアやハードウェアを動作させるために必要な、基盤となるハードウェアやOS、ミドルウェア
- 注5 サーバアーキテクチャ:
- サーバシステムの構成要素、構成要素間/外部との関係、動作原理の記述
- 注6 VNF(Virtual Network Function):
- 既存網のネットワーク機能を仮想化したもの
本件に関するお問い合わせ
日本電信電話株式会社
情報ネットワーク総合研究所 企画部 広報担当
0422-59-3663
inlg-pr@lab.ntt.co.jp
日本アルカテル・ルーセント株式会社
コミュニケーション部 キャロリーヌ・クルザーチェ
03-6431-7000
03-6431-7024
jpmarcom@alcatel-lucent.com
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