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PRESS RELEASE (技術)

2014年3月19日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

OpenADR2.0bに準拠した企業向けデマンド・レスポンス技術の実証実験に成功

富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)は、OpenADRアライアンス(注2)の最新規格OpenADR2.0bに準拠したDemand Response Automation Server(DRAS)を開発し、経済産業省と早稲田大学が主導する新宿実証プロジェクト(注3)における相互接続の実証実験に成功しました。

本プロジェクトでは、早稲田大学EMS新宿実証センターに配置され、電気事業者を模擬したデマンド・レスポンス発動サーバと、当社事業所内に設置したDRAS間の相互接続検証、および、当社事業所内での電力の需要調整対応による電力需給逼迫時を想定した負荷抑制シナリオについて実証しました。

今後、電力小売事業者から提供される電力の需要予測や時間別価格の情報をもとに、エネルギーコスト削減や効率的な電力利用計画を策定できるデマンド・レスポンスソリューションの提供を目指していきます。

開発の背景

電力不足の課題を解決し、持続可能な社会を実現するためには、再生可能エネルギーによるクリーンで経済的なエネルギーを有効活用でき、電力の効率的な流通を実現できる次世代電力システムが求められています。次世代電力システムにおいて、電力の需給バランスを維持するためのメカニズムとして、電力供給状況に応じて電力消費者の電力利用を調整する自動デマンド・レスポンス(DR)技術が注目されています。

実証環境

今回、電力需給逼迫時などの実運用環境を想定し、新宿実証プロジェクトで共同開発した運用シナリオに基づいて、節電依頼や応答などの制御信号(DRイベント)を送受信するためのDRASのサーバソフトウェアをOpenADR2.0bに準拠する形で開発しました。新宿実証プロジェクトでは、早稲田大学EMS新宿実証センターに、電気事業者を模擬した、本プロジェクトに参加している他社のDR発動サーバが配置され、このDR発動サーバと当社事業所内に配置した富士通のDRASとの間で公共ネットワークを介した相互接続検証を行いました。また、富士通事業所内における需要調整対応や負荷制御シナリオについて実証しました(図1)。

図1 実証実験の構成
図1 実証実験の構成

開発した技術

今回、工場やビルなどの事業所を保有する法人企業を対象とし、電力小売事業者などが実施する企業向けDRサービスの実現に向けて、以下の技術を開発、検証しました。

  1. 電力削減量の算出に必要な消費電力推定技術(ベースライン推定技術)

    通常の電力利用量を示すベースラインは、DRイベントに応じることによって削減した電力量を計算するときに必要となります。今回、当社の複数事業所における実際の消費電力情報を活用して各事業所の特徴を考慮したベースラインの推定技術を開発しました。

  2. DRイベントに自動応答する空調用冷水器の制御技術

    空調用冷水器によって室温を調整しているオフィスビルを想定して、DRイベントに対応して空調用冷水器を自動制御する技術を開発しました。DRイベントに対応して翌日使用する空調用冷水器の水温設定計画を作成し、需要抑制期間に自動調整し、要請された電力抑制を実施します。

今後

富士通、および富士通研究所は、電力小売事業者から提供される電力の需要予測や時間別価格の情報をもとに、エネルギーコスト削減や効率的な電力利用計画を策定できる需要家向けソリューションや、電力小売事業者などが電力削減要請に対して需要家との需要を調整するためのソリューションの提供を目指して、次世代電力システムに関する研究開発を加速していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 富田達夫、本社 神奈川県川崎市。
注2 OpenADRアライアンス:
スマートグリッドの標準規格OpenADRの開発促進・普及を図る非営利団体。
注3 新宿実証プロジェクト:
「エネルギーマネジメントシステムの標準化における接続・制御技術研究事業」の通称。

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
スマートシティ・エネルギー推進本部
電話 03-6424-6144(直通)


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