PRESS RELEASE (導入事例)
2013年8月23日
富士通株式会社
川崎重工様、航空機の設計情報を管理するシステムが本稼働
PDMソリューション「PLEMIA」活用により、統合システムを実現
当社と川崎重工業株式会社(本社:神戸市中央区)航空宇宙カンパニー(プレジデント:石川 主典 常務執行役員、以下、川崎重工)様は、航空機における設計・部品データを管理する「次世代設計部品表統合システム」を構築し、このほど本稼働させました。
川崎重工様は、従来複数のシステムで管理していた設計・部品データを、当社のPDM(注1)ソリューション「PLEMIA (プレミア)」をベースに構築した新システムに統合・一本化しました。本システムにより、川崎重工様は、業務の効率化や、設計品質および設計スピードの向上が可能となりました。
背景
BK117C-2型ヘリ
川崎重工様は、民間から防衛まで航空機全般を開発する大手航空機メーカーです。航空機は、自動車の100倍以上にあたる数百万点の部品から構成され、各部品は約30年以上の長期保守が義務付けられています。それら大量のデータを長期にわたり、正確に維持管理するためには、システムのICT化は必須です。また、これまで川崎重工様では、設計情報を機種ごとに異なるシステムで管理していたため、データが分散しており、設計情報の共有化や既存データの利用効率という面で課題がありました。
そこで、川崎重工様はこのたび、設計・部品データを一本化できる「次世代設計部品表統合システム」を構築しました。
次世代設計部品表統合システムについて
システムイメージ図
本システムは、大手製造業を中心に約240社への導入実績をもつ「PLEMIA」をベースに、航空機業界特有の部品管理方式である「構造有効期限方式(注2)」および「REV有効期限方式(注3)」に対応させるため、約150機能を追加開発し、全ての航空機を1号機単位で部品構成を管理することができます。また、共同で設計を進める部品メーカーやパートナーとの部品情報の共有を安全かつスムーズに行える仕組みも構築したことにより、製造に関わる情報の配付コストの削減を実現しました。
本システムにより、川崎重工様は、設計・部品データ管理における操作性が飛躍的に改善したことで、設計者の作業効率が向上できます。また、システム運用・保守費用の削減が可能となります。
なお、本システムの、要件定義・設計・開発・導入全般は、株式会社富士通システムズ・ウエストが、「PLEMIA」の重工(航空機)モジュールの開発は、株式会社富士通システムズ・イ-ストが担当しました。
川崎重工様は、今後、本システムを活用することで、さらなる設計効率向上と技術情報セキュリティ体制の強化により、競争力を高めていく予定です。
当社は、今後も「PLEMIA」ソリューションをはじめ、エンジニアリングクラウドやものづくり革新隊の提供により、ものづくり現場を支援し、日本の製造業の競争力強化に貢献してまいります。
商標について
記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 PDM:
- Product Data Managementの略。製品の開発工程において、設計・開発などの情報を一元化して管理すること。
- 注2 構造有効期限方式:
- 部品構成(親部品と子部品の関係)の変更履歴情報を生産する号機番号とともに管理する方式。号機番号と紐付けて管理することで、各部品構成を適用する号機を容易に特定できる。
- 注3 REV有効期限方式:
- 各号機における最新の部品構成情報を部品の品番のRevision(版数)と紐付けて管理する方式。設計変更があった場合、部品の品番のRevisionをみれば、適用号機を容易に特定できる。
関連リンク
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