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PRESS RELEASE

2013年8月22日
国立大学法人九州大学
富士通株式会社
エヌビディア・ジャパン

九州大学、高性能演算サーバシステムにGPUを増設し、性能を大幅アップ

GPGPU技術を様々な科学技術分野における先端的な研究、教育に利用

九州大学情報基盤研究開発センター(センター長:青柳 睦、以下、本センター)、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)は、このたび、本センターが所有するFUJITSU Server PRIMERGY CX400で構成された高性能演算サーバシステムに256個のNVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・ファン(Jen-Hsun Huang))製GPUコンピューティングカード(以下、GPU)を増設しました。これにより、理論ピーク性能を510テラフロップスから812テラフロップス(注1)に増強し、様々な科学技術分野における研究を高速化することが可能となりました。なお、2013年6月に公開されたスーパーコンピュータの性能ランキングTOP500(注2)では、実効性能621テラフロップス(実行効率76.48%)で、43位にランクされました。

PRIMERGY CX400
PRIMERGY CX400
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GPU(NVIDIA Tesla K20X)
GPU(NVIDIA Tesla K20X)
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背景

九州大学情報基盤研究開発センターは、旧大型計算機センターの時代から 40年以上にわたって、我が国の大学などの研究者のために計算サービスを提供してきた全国共同利用型の研究施設です。本センターでは、2012年7月にスーパーコンピュータと高性能演算サーバを更新して演算能力を増強しましたが(PDF 2012年7月20日付けプレスリリース参照)、計算機利用の需要も伸びており、いずれ需給が逼迫すると予想されました。しかしながら、施設の電力容量および設置面積の制限から、計算機の規模をこれ以上大きくすることは困難でした。そこで、計算機内に電力効率の良い演算加速器を増設することが、最も有効であると判断しました。

本センターによる機種選定の結果、電力効率および実効性能の高さから、2012年12月にNVIDIA社から発表されたばかりの最新GPU Tesla K20X および Tesla K20を選定し、2013年4月より、本演算加速器を用いた利用者への計算サービスを開始しました。これらの演算加速器による計算サービスは、共同利用・共同研究拠点では本センターが日本で初めてです。

増設効果

このたび、1,476ノードを持つ高性能演算サーバシステムに最新のNVIDIA製GPUを256個増設することにより、理論演算性能を510テラフロップスから812テラフロップスに増強しました。増設したGPUはNVIDIA Tesla K20XおよびTesla K20です。この増設により、世界に導入されたコンピュータの性能を順位付けするTop500リストで用いられるベンチマークプログラムLinpackにおいて、621テラフロップスの実効性能を76.48%の実行効率で達成し43位となり、2012年11月の460テラフロップスより、実行性能においても大幅に性能向上しました。

高性能演算サーバシステムの果たす役割

最先端の科学技術の研究を支える「実験」と「理論」に並ぶ第三の方法論として、「数値シミュレーション」の重要性がますます高まってきています。また、学術研究を推進するだけでなく、国民に安心・安全な社会を提供するための防災シミュレーション、あるいは、我が国の経済を支える優秀な工業製品の開発など、生活や産業の場においても、計算機の重要性が今後もより一層増していくと考えられています。

そこで我が国では、京コンピュータ(注3)を頂点として複数のセンターにおけるスーパーコンピュータなどの計算機群を超高速ネットワークによって有機的に連携させ、全国の利用者に大規模科学技術計算サービスを提供していく「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラストラクチャ」(HPCI)を構築しています。九州大学情報基盤研究開発センターも、その一員として、その役割を果たしております。

今回の増設により、様々な計算科学シミュレーションの高速化が図られます。特に計算流体力学や分子動力学アプリケーションにおいて、飛躍的な性能向上が見られる事例が多く、これらを利用した研究や製品開発などを加速するものと期待しています。

また、今回導入した GPUのようにGPGPU技術(注4)を利用した演算加速器は、その電力効率の高さから、今後多くの計算機センターにも導入されると予想されます。この装置を、いち早く計算サービスとして提供することにより、利用者の利用技術の習得を早め、我が国の計算科学技術向上に貢献できると考えています。

増設後の高性能演算サーバシステム構成

増設後の高性能演算サーバシステム構成
計算ノード 機種名: FUJITSU Server PRIMERGY CX400
理論演算性能: 345.6ギガフロップス(CPU部分)
主記憶容量: 128ギガバイト
計算ノード数 1,476ノード
総理論演算性能 812.0テラフロップス
総主記憶容量 184.5テラバイト
GPU NVIDIA Tesla K20: 240個
NVIDIA Tesla K20X: 16個
ハードディスク容量 4.0ペタバイト

増設したGPUコンピューティングカードの仕様

増設したGPUコンピューティングカードの仕様
  Tesla K20X Tesla K20
理論倍精度実数演算性能 1.31 テラフロップス 1.17 テラフロップス
搭載メモリ容量 6GB 5GB
CUDAコア数 2,688 2,496
消費電力 235W 225W
搭載ノード数 16 240

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 テラフロップス:
Tera FLoating-point Operations Per Secondの略。Teraは1兆(10の12乗)のことで、毎秒1兆回の実数演算ができることを表します。
注2 TOP500:
世界で最も高速なコンピュータシステムの上位500位までを定期的にランク付けし、評価するプロジェクト。
注3 京コンピュータ:
理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピュータです。2011年6月および11月発表のTOP500リストで世界最速となり、理化学研究所で運用されています。
注4 GPGPU技術:
General Purpose computing on Graphic Processing Unit技術の略。本来、画像処理に用いられる専用プロセッサを、画像処理以外の一般計算用途に応用する技術です。

関連リンク

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九州大学情報基盤研究開発センター
准教授 南里 豪志
電話 092-642-2298
Fax 092-642-2294
メール nanri@cc.kyushu-u.ac.jp

富士通株式会社
九州支社 文教営業部
電話 092-411-6319
TCソリューション事業本部 TC戦略室[HPCビジネス全般について]
電話 03-6252-2483(直通)
メール contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com

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