PRESS RELEASE (サービス)
2012年12月18日
富士通株式会社
製造業のグローバルオペレーションを支えるソリューション「GLOVIA ENTERPRISE GS」提供開始
複数国をまたがる需給調整を、柔軟かつダイナミックに実現
当社は、海外の複数生産拠点を活用し世界市場動向に合わせて最適な生産・販売を行うグローバルオペレーションを支援する新ソリューション「GLOVIA ENTERPRISE GS(グロービア エンタープライズ ジーエス)」を開発し、本日より提供を開始します。
「GLOVIA ENTERPRISE GS」は、点在する拠点のローカル品番を変更することなくマスターを全社統一するための基盤となる「グローバルマスタ」、膨大なグローバル情報を経営視点で可視化する「グローバルモニタリング」、月次サイクルで最適地生産の計画を立案する「グローバルプランニング」の3つの製品群で構成されます。
これによりお客様は、市場の拡大や災害対策を考慮しながら複数国への生産展開、ならびに需要変動に応じた拠点横断的な需給調整といったグローバルオペレーションを柔軟かつダイナミックに実現し、複数国間で生産・販売・在庫を最適化でき、最終的には収益の拡大につながります。
近年、グローバルな競争力強化を図る上で、世界各国に点在する生産・販売・在庫情報の一元管理と最適化が注目されています。その実現策として、全拠点システムを統一化するという方法がありますが、それには莫大な投資と多くの時間を要するため、多くのお客様が有効かつ現実的な解決策を模索しています。
そこで当社は、お客様に多大な投資を強いることなく、現在運用している各拠点のシステムをそのままに、かつシステム変更を最小限に抑え、グローバルビジネス基盤の構築を可能にする「GLOVIA ENTERPRISE GS」を本年2月に発表しました。本日より、販売ならびにサービス提供を開始します。
「GLOVIA ENTERPRISE GS」は、既存システムとのデータ連携基盤に、情報統合基盤「Interstage Information Integrator」(注1)を活用することで、異なるシステムとのデータ連携が容易に行えます。
「GLOVIA ENTERPRISE GS」を構成する3製品
「GLOVIA ENTERPRISE GS」は、現時点で、以下の3製品で構成され、今後も継続的に強化・拡充してまいります。
- 「グローバルマスタ」:ローカル品番はそのままにマスター統一を実現
「グローバルマスタ」は、グローバルに管理すべき取引先や組織情報、分析軸だけでなく、グローバル統一品番とローカル品番の対応付けや経営者視点のシリーズ品番と現場視点のエンドアイテム品番の変換を行うことで、経営者から現場に至るまでさまざまな視点でグローバルな見える化を実現します。
また、国をまたがった多段階の製品構成を表すグローバルBOM(注2)の管理も行います。
「グローバルマスタ」では、本社主導で拠点コードを統一するパターン(下図パターン1)と、各拠点システムのマスターコードをそのまま収集し本社でグローバル統一マスターコードに変換するパターン(下図パターン2)をご用意しています。拠点システムがバラバラでマスター情報の統制がとれない、拠点システムとのインターフェースがバラバラで容易にデータを集められない、といったマスター統合に関する課題を解決いたします。
「グローバルマスタ」の実現イメージ - 「グローバルモニタリング」:見える化とアラーム情報で迅速な意思決定と行動を支援
「グローバルマスタ」によってグローバルで統一したマスターをもとに各拠点から収集したデータを見える化するのが「グローバルモニタリング」です。「グローバルモニタリング」は、経営層、部門、業務担当の階層ごとに各々2つの視点から情報を提供します。1つは、業績指標、在庫回転率などのKPI(注3)、もう1つは、KPIに対して設定しておいた基準値を逸脱した場合のアラーム情報です。生産・販売のシステムなどから得られる情報も一元管理し、統一した管理ポイントでリスクの早期発見や迅速な対応、改善点の気付きにつなげていきます。
「グローバルモニタリング」によりお客様は、グローバルに広がるグループ経営状況をもとに実需と計画の乖離などの変化の予兆をタイムリーに把握し、収益最大化に向けた対応をいち早く行うことが可能となります。
「グローバルモニタリング」の全体イメージ - 「グローバルプランニング」:月次サイクルで計画と実需の差異を把握
「グローバルプランニング」は、「グローバルモニタリング」の情報と経営管理システムなどで管理する事業計画を照合することで、販売の予実や生産状況を月次サイクルで見える化します。これにより、需要変動への対応はもとより需給精度の向上、販売機会損失の最小化、グローバルでの在庫削減を支援します。
需給調整では海外の生産拠点を横断した需給計画変更への対応も必要となります。従来、拠点ごとにBOMデータが分断されていたため、グローバルでのキーパーツ管理が難しく、需給計画の迅速な変更が困難でした。「グローバルプランニング」では、グローバルなサプライチェーンを表現したグローバルBOMを作成し、需給計画変更の柔軟な対応やキーパーツ計画の最適化を実現します。
「グローバルプランニング」によりお客様は需要変動をタイムリーに捉え、生産計画をグローバルレベルで瞬時に変更することが可能です。さらに、変更した生産計画情報を各拠点の生産システムに即座に通知・反映することができます。
「グローバルプランニング」の実現イメージ
世界の変化にダイナミックに対応する日本発の製造ソリューション
当社は、約1,400社への導入実績をもつ生産管理ソリューション「GLOVIA smart PRONES(プロネス)」をはじめ、製造業向けの経営および業務ソリューション約60製品を幅広く提供しています。今回、「GLOVIA ENTERPRISE GS」によりそれら海外拠点の業務システムを束ね、より効果的なグローバルシステムの構築が可能になりました。システムの構築にあたっては単なるソリューションの提供に留まらず、システムの企画やお客様の制度・組織設計に関するコンサルティング、海外のシステム導入支援体制の強化、クラウドに代表されるシステム提供形態の拡充を図り、海外ビジネスを拡大するお客様を強力にサポートしていきます。
当社は、日本の製造業のお客様が、世界市場で競争力を高め、ひいては、収益の拡大を実現すべく、海外関係会社と協調した上で、当社ならではの先進技術と総合力を駆使し強力に支援してまいります。
販売価格、および出荷時期
製品名 | 販売価格(税別) | 出荷時期 |
---|---|---|
GLOVIA ENTERPRISE GS グローバルマスタ(基本サーバ ) | 1,500万円より | 12月14日 |
GLOVIA ENTERPRISE GS グローバルモニタリング | 1,000万円より | |
GLOVIA ENTERPRISE GS グローバルプランニング | 900万円より |
販売目標
出荷開始から3年間で売上150億円
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 「Interstage Information Integrator」:
- 当社が提供するデータ収集・統合ソフトウェア。
- 注2 BOM:
- Bills of Materialsの略。部品表、部品構成表。
- 注3 KPI:
- Key Performance Indicator の略。主要業績管理指標のことで、経営目標を実現するために設定した具体的な現場施策を監視するために設定する主要な指標を指す。
関連リンク
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