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PRESS RELEASE

2012年8月17日
富士通株式会社

画像解析技術を活用し、衛星画像や航空写真から水田区画図を作成

農業共済事業などの効率化に向けた実証実験を開始

当社は、北海道農業共済組合連合会(所在地:北海道札幌市、会長理事:佐々木 環、以下、北海道NOSAI)様、および上川中央農業共済組合(所在地:北海道旭川市、組合長理事:市田 敏行、以下、上川中央NOSAI)様の協力のもと、農地の衛星画像や航空写真から「水田と畦(あぜ)の境界」を認識する当社独自の画像解析技術を用いて水田区画図を作成し、農業共済加入時の作付面積確認などの業務における実用性を評価するための実証実験を、2012年8月9日から10月31日まで実施します。

背景

農業は自然条件に依存しているため、台風や集中豪雨などにより被害を受けた場合には、耕作面積・作付品目などに応じて農業共済制度(注1)により、共済金が支払われます。この農業共済業務を行うため、全国の農業共済組合連合会、および農業共済組合(以下、NOSAI)様では、毎年、加入農家の異動申告(水田から他作物に転換する農地の情報や他作物から水田に転換する農地の情報)に基づき、短期間で加入農地や転作田を特定するために、ぼう大な数の水田一つ一つを加入農家や関係機関とともに確認し、手作業で農地区画図を更新しています。しかし、農業従事者の高齢化や後継者不足により、加入農家にとって、この作業は大きな負荷となっており、またNOSAI様にとっても、労力および経費ともに相当な負担となっています。農業共済制度を維持するために、農地区画図更新の効率化は重要な課題であり、NOSAI様は、GIS(注2)を活用した農地区画図作成に積極的に取り組まれております。

実証実験の概要


農地画像から水田の区画を抽出

当社は、ICT活用による自然にやさしい農業の高度化と効率化に取り組んでおり、2012年1月より、北海道NOSAI様と当社の技術を活用した農地区画図作成、および図を利用した業務の効率化について検討してきました。

今回の実証実験では、画像の輪郭を強調するフィルター処理と、必要な輪郭を抽出するエッジ抽出の技法を高い精度で統合させた当社独自の画像解析技術を利用し、人工衛星・航空機により撮影した水田の画像から「水田と畦(あぜ)の境界」を認識して水田区画図を自動的に作成します。これを、人手で作成した水田区画図と比較することにより、農業共済業務における実用性を検証します。

1.期間  :  2012年8月9日~10月31日(3ヶ月間)
2.場所  :  北海道上川郡鷹栖(たかす)、および旭川市東鷹栖(ひがしたかす)
3.概要  :  (1) 衛星画像や航空写真を自動解析し、水田区画図を作成(右図)
(2) 画像解析により作成した水田区画図と、現地確認を元に手作業で作成した水田区画図の精度を比較
(3) 比較結果について検討し、現地確認業務効率化における実用性を検証

今後の展開

当社は、本実証実験の結果に基づき、2013年4月までに、当社画像解析技術による水田区画図作成サービスの実用化を目指します。また、水田以外の農地区画図作成への応用や、共済業務以外の農業、たとえば耕作放棄地の発見における活用なども検討します。さらに、都市部における土地活用変更の発見など、さまざまな分野・業務への展開に取り組んでいきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 農業共済制度:
農家が災害を受けた場合に、その損失を補てんすることにより農業経営の安定を図る制度。農業災害補償法に基づき、国の農業災害対策として実施されている。地域ごとに、各農業共済団体(NOSAI)が事業を実施している。本実証実験に協力を依頼している上川中央NOSAI様は北海道旭川市を中心とした1市8町をエリアとする農業共済組合であり、北海道NOSAI様は北海道の全てのNOSAIを保険している連合会である。
注2 GIS(geographic information system):
地理的位置を手掛かりに、位置に関する情報を持ったデータを総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にするシステム。

本件に関するお問い合わせ

インテリジェントソサエティビジネス本部 ビジネスインキュベーション統括部
電話 03-6252-2283(直通)


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。