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PRESS RELEASE

2012年8月16日
富士通株式会社

東京大学物性研究所様の新スーパーコンピュータシステムを受注

高性能デバイス、高効率の燃料電池の開発、新しい薬剤の開発などに貢献

当社はこのほど、国立大学法人 東京大学物性研究所(所長:家 泰弘、以下、物性研)様の新スーパーコンピュータシステムを受注しました。

新システムは、当社のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10(プライムエイチピーシー エフエックステン)」を4ラック、384ノードから構成され(理論演算性能:90.8テラフロップス(注1))、主に物性研究者による全国共同利用のほか、スーパーコンピュータ「京」(注2)の戦略プログラム 分野2「新物質・エネルギー創成」の研究やアプリケーション開発などに活用される予定です。「新物質・エネルギー創成」は、新物質創成のいっそうの進展を図るとともに、新規エネルギー創成のための基盤的技術開発と持続可能社会の構築につながる研究開発を目的としており、今回の新システムが物性科学研究を飛躍的に発展させ、高性能デバイス、高効率の燃料電池、新しい薬剤の開発などに貢献することが期待されます。

本システムは来年春に稼働を開始する予定です。

新システム導入の背景

物性研様は、1957年の設立以来、物質を構成する原子や電子の振る舞いから物質のさまざまな性質を理解するための物性科学研究における国の中核的機関としての役割を担っています。また、「京」の戦略プログラムの分野2「新物質・エネルギー創成」の代表機関として、分子科学研究所や東北大学金属材料研究所ならびに11の協力機関を中核とした計算物質科学イニシアチブ(CMSI)を組織し、計算物質科学(注3)を推進しています。

今回、「京」の戦略プログラムなどで活用するアプリケーション開発にあたり、超並列コンピューティングの最新技術が導入されている「京」と親和性の高い当社のスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」の導入により、研究者はより実践的にプログラムの開発やチューニングができ、物性科学研究の飛躍的な成果および計算物質科学を担う人材育成に貢献します。

新システムの概要

「PRIMEHPC FX10」は、スーパーコンピュータ「京」に適用した当社スパコン技術をさらに向上させ、高性能、高拡張性、高信頼性、かつ省電力性に優れたスーパーコンピュータです。

新システムは、「PRIMEHPC FX10」4ラック、384ノード構成で、理論演算性能90.8テラフロップスを実現しています。また、HPCミドルウェアとして、ペタスケールシステムに対応した「Technical Computing Suite(注4)」、ログインノードなどとして、「PRIMERGY」12台をあわせて導入します。ストレージとしては、合計容量126.9テラバイトとなるストレージシステム「ETERNUS」を導入、そのファイルシステムは大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステム「FEFS(注5)」によって構築されます。

物性研様には、「PRIMEHPC FX10」の高性能、高信頼性に加え、昨今の厳しい電力事情に対応できる低消費電力性、また「FEFS」の超高速性、利便性を高く評価いただきました。

今後の展望

今回のシステムを活用して、「京」向けのアプリケーションを開発することのできる人材の育成に資するとともに、「京」の利活用を加速することで、物性科学研究を飛躍的に発展させ、高性能デバイス、高効率の燃料電池、新しい薬剤の開発などに貢献することが期待されます。

新システムの主な構成

新システムの主な構成
計算ノード 「PRIMEHPC FX10」
ラック数 4
計算ノード数(CPU数) 384 (384)
理論演算性能 90.8テラフロップス
総主記憶容量 12テラバイト
インターコネクト Tofuインターコネクト(6次元メッシュ/トーラス)
ログインノード/管理サーバ群 「PRIMERGY RX200 S7」 6台
「PRIMERGY RX300 S7」 6台
管理サーバ共有ディスク 「ETERNUS DX80 S2」 2台
グローバルファイルシステム 「ETERNUS DX80 S2」 4台
129.6テラバイト
ファイルシステム 「FEFS」

東京大学物性研究所 准教授 杉野 修様からのコメント

「京」と親和性の高い本システムを物性研に導入して、研究やアプリケーション開発に供することの意義は大きいものと考えています。戦略プログラムに関わる研究者だけでなく、広く物性コミュニティーの研究推進や長期的視点からのソフト開発、人材育成に役立てることができるものと大変期待しています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 テラフロップス:
Tera floating-point operations per second。Teraは一兆(10の12乗)のことで、毎秒1兆回の浮動小数点演算ができることを表す。
注2 「京」:
理化学研究所と当社が共同で開発し、2011年6月、11月にTOP500リストにおいて世界一の性能を達成したスーパーコンピュータ。
注3 計算物質科学:
理論と実験をつなげる新しい手法として確立された、シミュレーションや統計処理などの計算機によって進める物質科学。
注4 Technical Computing Suite:
当社が開発したHPCミドルウェア。システム管理やジョブ運用管理機能、コンパイラ、ライブラリなどにより、超並列アプリケーションでの高い実行性能を実現。
注5 FEFS:
「FEFS」の名称は「Fujitsu Exabyte File System」の頭文字に由来。10万ノード規模で共有できる高性能分散ファイルシステム。

本件に関するお問い合わせ

TC統括営業部 先端科学営業部
電話 03-6252-2554

[HPCビジネス全般について]
TCソリューション事業本部 TC戦略室
電話 03-6252-2483(直通)
メール contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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