PRESS RELEASE
2012年7月3日
富士通株式会社
ヴイエムウェア株式会社
南海電気鉄道様が基幹システムのICT基盤クラウドを構築
仮想化によりサーバ台数を85%削減、信頼性向上、コスト削減を同時に実現
富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)と、ヴイエムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 三木 泰雄、以下、ヴイエムウェア)は、南海電気鉄道株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役: 亘 信二、以下、南海電鉄)様の基幹システム、インターネット関連システム、経理関係システムや旅行代理店向け特急券予約システムにおいて、仮想化によりサーバ台数を85%削減し、プライベートクラウド環境となるICT基盤を構築しました。
本プロジェクトでは、南海グループ様のICT環境管理と運用を行っている、南海マネジメントサービス株式会社(本社所在地:大阪市中央区、取締役社長:松尾 吉高、以下、南海マネジメントサービス)様とともに、南海グループ様のデータセンターにプライベートクラウド環境を構築し、サーバ70台を、2015年12月までに順次、本クラウド環境に移し、サーバを仮想化して10台に集約します。
これにより南海電鉄様と南海マネジメントサービス様は、システム管理業務の効率化と消費電力の低減・CO2削減を実現します。
背景
南海電鉄様は、継続乗降人員数が減少傾向にある中、鉄道会社の最大の使命である安全な運転を継続し、乗客のみなさまに安心を提供するため、あらゆる分野での信頼性向上とコスト削減が課題でした。また、南海マネジメントサービス様は、5年ごとのサーバの更新業務を効率化し、アプリケーションの改修費用および作業を削減する方法を探していました。
クラウド化と仮想化の効果
従来、南海電鉄様では、各事業所で、人事給与システム、OAシステム、収入管理システムなどの業務システムごとにサーバを持ち、システムの管理を行っていました。
今回構築したプライベートクラウドを利用し、システムごとに管理しているサーバを仮想化してICT基盤上に統合することにより、合計70台保有しているサーバを10台に集約することができます。
また、サーバの一括管理が可能となるため、南海マネジメントサービス様は、システム管理業務を効率化でき、さらに、今後のシステム拡張も容易になります。
システム概要
プライベートクラウドのICT基盤では、ヴイエムウェアの仮想化プラットフォームである「VMware vSphere 5(ヴイエムウェア ヴイスフィア ファイブ)」を活用してサーバを集約し、「VMware vSphere HA(ヴイエムウェア ヴイスフィア エイチエー)」 (注1)を用いて高可用性を実現しています。また、この仮想化プラットフォームの性能と効果を最大限に生かすため、ICT基盤は、サーバからストレージまで、「VMware vSphere 5」との親和性の高い富士通製ハードウェアで構成されています。ヴイエムウェアの「vSphere APIs for Array Integration(ヴイストレージ エーピーアイズ フォオ アレイ インテグレーション)」(注2)と、富士通のストレージ「ETERNUS DX90」を導入することで、サーバ側の負荷を軽減し、仮想化環境でのパフォーマンスを向上させています。
本クラウド環境の構築においては、段階的に規模を拡大していく方法をとらず、一度の設計と構築で、全てのサーバを集約可能なキャパシティを持つ仮想化ICT基盤を構築することで、設計および構築の効率化を図り、コストを削減しました。また、災害対策を考慮し、複数台のストレージ間で高速データコピーを行うリモート・アドバンスト・コピー機能装備の富士通のストレージ「ETERNUS DX90」を導入しています。
今後の取り組み
南海電鉄様と南海マネジメントサービス様は、本クラウド環境を活用し、南海グループ様全体のICT基盤へと発展させていく予定です。
富士通とヴイエムウェアは、これまで多くの企業をICTで支援してきたノウハウと、両社の密接な連携により、今後も南海グループ様のパートナーとして、付加価値を創造するためのコンサルティングやシステム構築、運用サポートを提供していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 VMware vSphere HA:
- VMwarevSphereの機能の一つであり、オペレーティング システムの障害が検出された場合、仮想マシンを自動的に再起動することによって、オペレーティング システムの障害からアプリケーションを保護します。
- 注2 vSphere APIs for Array Integration(VAAI):
- VAAI対応のストレージと組み合わせることで、サーバ負荷の軽減、統合率の向上、IO負荷の軽減、パフォーマンスの向上など、仮想化環境においてもっとも効率的なICT環境を提供します。
関連リンク
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