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PRESS RELEASE (技術)

2012年6月12日
富士通株式会社

IPv6ネットワークへの円滑な移行を実現するデータセンター向け新ソリューション技術を開発

当社は、このほど、データセンターにおいて、IPv4ネットワークからIPv6ネットワークへの円滑な移行を実現する「SA46T/SA46T-ASデータセンターソリューション」技術を開発しました。

本技術は、IPv6ネットワーク上でIPv4の通信を可能にする「SA46T」(注1)、ならびに、1つのIPv4アドレスを複数のサーバで共有できる「SA46T-AS」ベースにしています。

本技術により、IPv6ネットワーク上で収容できるIPv4ネットワークの数を約43億個まで増やすことを可能にし、事実上、上限を意識することなく、お客様システムをデータセンターで収容できるようにします。また、1つのIPv4アドレスを約6万5,000個で共有可能とし、同数の物理サーバまたは仮想サーバでの共有を実現したことで、IPv4アドレスが枯渇しても、既存のIPv4ベースでのサービスの運用を維持した上で、将来にわたりサーバの増設を可能にし、サーバのIPv6対応を段階的に進めることを可能にしました。

昨今、IPアドレスの国際管理機関およびアジア太平洋担当機関においてIPv4アドレスが枯渇し、IPv6への移行を推進する「World IPv6 Launch」が開始されるなど、対応が迫られています。アウトソーシングサービスやクラウドサービスを展開するデータセンターでは、一般に、VLAN技術を用いて、IPv4アドレスを使用した顧客システムのアドレスが干渉しないように論理的に分離して収容していますが、せいぜい約1000社 (1顧客あたり4VLANを使用時)の顧客しか収容できないことが課題となっていました。また、IPv4アドレスが枯渇した場合、IPv4で運用するサービスの拡張が不可能になるため、その対策も求められていました。

今般、上記の課題を解決するため、当社は、データセンターにおいて、IPv6ネットワークへの円滑な移行を実現する「SA46T/SA46T-ASデータセンターソリューション」技術を開発しました。

なお、本技術は、「Interop Tokyo 2012」(開催:6月13日から6月15日、幕張メッセ)にて、インターロップショーネットと連携した実証デモを行います。

当社は、今後本格化するIPv6への移行とIPv4の継続利用を支える日本発の技術として、広くインターネットコミュニティーに貢献すべく、現在IETF(注2)にて標準化提案を行っています。

「SA46T/SA46T-ASデータセンターソリューション」の特長

  1. 「SA46T」により、IPv6ネットワーク上で約43億個のIPv4アドレスを収容可能

    データセンターで、IPv4アドレスを使用した顧客システムのアドレスが干渉しないように論理的に分離して収容する際、現在主流のVLAN技術では、最大で4,000IPv4ネットワークしか収容できないため、最大で約1000社(顧客システムあたり4VLAN使用時)の顧客システムしか対応できませんが、本ソリューションでは、43億個のIPv4ネットワークを収容できるため、上限を意識することなく、お客様システムをデータセンターで収容できます。

  2. 「SA46T-AS」により、IPv4アドレスを複数サーバで共有可能

    TCPやUDPポート番号を識別番号として割り当てることで、1つのIPv4アドレスを約6万5,000個で共有可能とし、同数の物理サーバまたは仮想サーバの共有を実現しました。これにより、IPv4アドレスを使いきってしまっても、既存のIPv4サービスの運用を継続し、将来にわたり、サーバの増設が可能になります。


「SA46T-ASデータセンターソリューション」による複数サーバでのアドレス共有イメージ

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 SA46T技術:
SA46Tは、Stateless Automatic IPv4 over IPv6 Tunneling の略称です。IPv4アドレスをIPv6アドレスにマッピングし、さらに、IPv4ネットワークの識別情報(IPv4 network plane ID)を追加したIPv6アドレスをSA46Tアドレスとして自動生成しカプセル化する。約43億のIPv4ネットワークを、少ない設定で、IPv6ネットワーク上で、識別・多重化できる。
注2 IETF:
The Internet Engineering Task Force。TCPやIPなどのインターネットで利用される技術を標準化する組織。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

事業企画本部 ネットワークイノベーションセンター SA46T推進チーム
電話 044-754-3466
メール contact-sa46t@cs.fujitsu.com


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。