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PRESS RELEASE

2012年6月11日
富士通株式会社

光ファイバー超多点温度センシング技術を用いて
東北電力様のデータセンターの安定稼働とエネルギー最適利用を両立

空調消費電力を年間で20%、約35万キロワット時(kWh)、CO2換算120トン(t)を削減

当社は、東北電力株式会社(本店:宮城県仙台市、取締役社長:海輪 誠、以下東北電力)様、東北インフォメーション・システムズ株式会社(本社:宮城県仙台市、取締役社長:早坂 栄二、以下東北インフォメーション・システムズ)様の協力のもと、データセンター室内の温度分布のリアルタイムで精緻な可視化を実現し、その結果を用いて、空調消費電力を最適化するトライアルを実施しました。

温度分布の可視化には、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:富田 達夫、以下富士通研究所)が開発した光ファイバーを用いた超多点温度センシング技術を適用しており、データセンターへの大規模な導入では、世界初となります。可視化された温度分布をもとに、データセンター室内空調効率の大幅な改善を実現し、一年間の電力消費の約20%にあたる最大35万キロワット時(kWh)の電力、CO2換算で120トン(t)の削減を見込んでいます。

背景

東北電力様は、事業活動における省エネルギーに積極的に取り組んでおり、東北インフォメーション・システムズ様とともに、社内の情報システムの安定稼働と省エネルギーの両立に向けて取り組んできました。

情報システムにおいては、データセンターへのICT機器の集中配置による使用電力量の高まりと同時に、機器の発する熱量の増大により、安定稼働のために必要な空調(機器冷却)の使用電力量の増加が大きな課題です。

データセンターに配備されているICT機器を適正に冷却するためには、効率良く冷気を供給するとともに、機器から排出される暖気は、冷気と混ざることなく、適切に還流させることが求められます。

従来は、限られたセンシングポイントの温度データに基づく改善を行っていましたが、室内の隅々まで空調環境が最適化されているかの検証は困難でした。

そこで当社は、富士通研究所が開発した光ファイバー超多点温度センシング技術を、東北電力グループの東北インフォメーション・システムズ様が運営するデータセンターの温度分布の可視化に適用し、その結果を用い空調の最適化に向けたトライアルを実施しました。

トライアル概要

温度センサーとなる1本の光ファイバーを、サーバラックの前面・背面、天井面、床下に敷設し、データセンター内の温度分布を精緻(10cm間隔)かつリアルタイム(30秒ごと)に測定した結果、以下の事象が判明しました。

  • 天井付近の一部に熱溜まりが発生、その暖気の一部がサーバラックの吸気面に回りこみ、ラック上部が高温化。
  • 隣接するサーバラック間で暖気が冷気と混ざり合い、吸気面に供給される冷気の温度が上昇。

この結果に基づき、温度分布の変化をリアルタイムに観察しながら、空調の最適化対策のトライアンドエラーを繰り返しました。

実施期間

2012年2月より2012年3月まで

測定対象

サーバラック  :  約120台の前面および背面
床下  :  サーバラック設置箇所の2重床下
天井近傍  :  サーバルームのほぼ全面(光ファイバーを50cm間隔で平行に敷設)

実施した施策

稼働中のデータセンターにおいて、ファシリティ面や、機器の配置などの変更を伴わない対策の実施

  • ビニールシートにより、天井吸気口および床下グリルの一部を閉鎖し、冷気と暖気の循環経路を適正化
  • ラック風向制御板により、ラックの排気風向を上方に誘導し、床下冷気と分離
  • 吹出し風向制御板により、空調機の吹出し部の風向を適正化
  • 床下風向制御板により、ラック近傍の床下気流を変更適正化
  • 空調機を5台停止

成果

データセンターの空調に関わる年間の消費電力を、最大で約20%削減、約35万キロワット時(kWh)、CO2換算120トン(t)の削減を見込む。


<天井付近の温度分布の変化>

今後について

今後も継続して、運用状況に対応しながら、同技術による空調運転の最適化と安定稼働の両立を図って参ります。

関連情報

本トライアルで活用した光ファイバー超多点温度センシング技術は、富士通ネットワークソリューションズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長;田村 篤夫)より商品として販売しています。

なお、本製品は、6月13日(水曜日)から15日(金曜日)まで幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2012」にて、デモを交えて紹介いたします。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

環境本部 環境ビジネスマネジメント統括部 グリーンフロンティア室
電話 03-6252-2194(直通)


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。