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PRESS RELEASE

2012年5月21日
南山大学
日本アイ・ビー・エム株式会社
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社日立製作所
株式会社野村総合研究所

「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」を設立

大規模システム開発プロジェクトの管理情報を関係者間で一元化

南山大学、日本アイ・ビー・エム株式会社、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、株式会社野村総合研究所は、日本の情報システム構築におけるプロジェクト管理の効率化を支援するために、プロジェクト管理者が多種多様な管理データを相互に交換、共有するためのソフトウェア基盤技術の実現に向けて、「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」を2012年5月21日に設立します。

本協議会の主査は南山大学 青山幹雄教授とし、日本アイ・ビー・エム株式会社、富士通株式会社、日本電気株式会社を事務局とします。

本協議会では、ユーザと複数ベンダが参画する大規模なシステムインテグレーション(以下SI)やソフトウェア開発プロジェクトにおいて、ユーザと複数ベンダ間でのタイムリーで効率的な情報管理を実現することを目的に、組織やプラットフォームによらず、進捗管理や品質管理などの管理データを交換できるインタフェースの標準規約を確立するための検討を進めます。

本技術により、複数ベンダが参画する複数のプロジェクトが並行して進行するマルチプロジェクト管理においても、ユーザが複数ベンダ、マルチプロジェクト全体の進捗管理や品質管理などの管理データの一元化をできるようになります。

本協議会の成果が広まることで、大規模なSIやソフトウェア開発に参画するユーザとベンダの関係が、柔軟かつ独立性の高いものとなり、わが国の情報産業の革新に資することを目指します。

本協議会は管理データを交換するためのインタフェースの標準規約確立を目標に、次の三つのテーマを中心に活動を行い、その成果を広く公開します。

  1. 組織によるプロジェクト管理の違いを前提とした管理データ交換のための通信規約の検討
  2. 特定のツールや管理形態に依存しない管理データ交換のためのデータ形式の定義
  3. 実証実験を通して1.および2.の妥当性を評価

協議会設立の背景と課題

現在、大規模なSIやソフトウェア開発では、数社から数十社のベンダが参画する多層的で複雑な組織構造で推進するケースが多くなっています。このため、プロジェクトに参画するユーザや複数ベンダがプロジェクトの状況をタイムリーで効率的に把握することが困難となっています。これら数十社にまたがるプロジェクト管理において、進捗や品質などの多種多様な管理データを集約して包括的に管理する必要があります。このためには、ユーザと複数ベンダ間、あるいは、ベンダ間でネットワークを介してプロジェクトの管理データを、直接かつ容易に交換する必要があります。

しかし、実際には、プロジェクトやユーザ毎に管理ツールや管理帳票が異なるため、表計算ソフトウェアを利用するケースが多いのが現状です。そのため、管理データの収集に時間を要しており、タイムリーな管理の妨げとなっています。また、情報システムを発注するユーザにとっても複数ベンダの管理データの一元的な収集が難しく、プロジェクトの実態の把握が困難になっています。

本協議会の設立メンバは、これまで、既存の管理ツールや管理形態に依存しない管理データの交換のための通信規約の検討を各社がそれぞれ進めてまいりました。

活動内容と成果物

本協議会は上記の課題解決のために、管理ツールや管理形態が異なる組織間で管理データを交換するためのインタフェースの標準規約確立を目標に、次の三つのテーマを中心に活動を行い、その成果を広く公開します。

  1. 組織によるプロジェクト管理方法の違いを前提とした管理データ交換のための通信規約の検討 [期間:2012年5月21日から12月末まで]

    プロジェクトの管理データを、階層構造に沿って各階層でタイムリーかつ効率的に収集、集約する管理データ交換のための通信規約を策定します。

    データ交換の基盤技術として、OSLC(注1)が採用しているWeb上の標準データ交換技術であるRESTful方式注2)を採用し、特定の管理ツールやプラットフォームに依存しないデータ交換を実現します。

  2. 特定のツールや管理形態に依存しない管理データ交換のためのデータ形式の定義 [期間:2012年5月21日から12月末まで]

    大規模プロジェクトにおける進捗管理や品質管理などの多種多様な管理データに共通する情報項目を規定するデータモデルを策定します。さらに、これまでの大規模SIの開発経験に基づき、管理データの交換に必要な各種のデータ形式を規定します。

  3. 実証実験を通して1.および2.の妥当性を評価 [期間:2013年1月から6月末まで]

    実際のプロジェクトで使用している管理ツールに上記の成果を適用して管理データ交換を行い、取り組みの成果の実用性や有用性を評価します。併せて、管理データ収集と管理に必要となる運用方法についても検討します。


図 プロジェクト管理データ交換のためのインタフェース標準規約の実現イメージ

期待される効果

本協議会の成果によって、プロジェクトに参画するユーザとベンダの双方が共通に管理できる基盤技術を確立することにより、SIやソフトウェア開発のプロジェクト管理における視覚化を促します。

複数ベンダが参画する複数のプロジェクトが並行して進行するマルチプロジェクト管理においても、ユーザはマルチベンダ、マルチプロジェクト全体の整合性、進捗確認などの管理データの一元化と、それによる管理能力の向上が期待できます。その結果として、プロジェクトのリスク低減に大きく寄与すると考えております。

以上

注釈

注1 OSLC(Open Services for Lifecycle Collaboration):
米国における開発/管理ツール間のデータ交換を実現する方式としてRESTfulインタフェース(注2)をベースとするオープンな標準インタフェースを策定する団体です。本協議会と相互に関係ある活動をしており、本協議会設立以前から情報交換を進めてまいりました。詳細は下記のURLをご覧下さい。
http://open-services.net/
注2 RESTful (REpresentational State Transfer)インタフェース:
Webの標準プロトコルであるHTTPを用いてソフトウェア間でデータ交換するための標準インタフェースです。Webサービス、クラウドコンピューティングのインタフェースとして広く利用されています。

本件に関するお問い合わせ

南山大学 情報理工学部 ソフトウェア工学科 青山
電話 0561-89-2081

日本アイ・ビー・エム株式会社 ダイヤルIBM
電話 0120-04-1992

富士通株式会社 共通技術本部 共通技術本部ナレッジ推進統括部
電話 03-6424-6068

日本電気株式会社 ITソフトウェア生産技術・品質保証本部
電話 044-431-7684

株式会社NTTデータ 技術開発本部 丹羽、津阪
電話 050-5546-2532

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 プロジェクトマネジメント統括推進本部 幕田、伊野谷
電話 03-5471-2184

株式会社野村総合研究所 情報技術本部 生産技術部 西内、坂田
電話 045-336-7341


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