PRESS RELEASE
2012年4月4日
富士通株式会社
「全国共同運用センター」のシステムをプライベートクラウド環境で構築
コスト最適化と信頼性向上を実現
当社はこのたび、JA長野県グループにおける総合情報センターの株式会社長野県協同電算(所在地:長野県長野市、代表取締役社長:芳坂 榮一、以下、長野県協同電算)様からの受注により、「全国共同運用センター」のプライベートクラウド型ICT基盤を構築しました。
「全国共同運用センター」は、全国農業協同組合中央会(東京都千代田区、会長:萬歳 章、以下、JA全中)様がJAグループ全体のICTシステム維持コストを軽減することを目的として、JAの財務会計、経営管理、固定資産、人事給与の業務システムである「Compass-JA」などをクラウド型のサービスとして提供するために設立されました。長野県協同電算様は、JA全中様から委託を受けて、「全国共同運用センター」の構築と運用を行います。
全国のJAグループは、本センターを活用することにより、自前でICT資産を保有する必要がなくなり、運用コスト低減が可能になります。
現時点ではJA東京グループ様の関連システムを本センターへ移行することが決定しており、このたび本センターでのシステム運用を開始します。
背景
全国のJAグループでは、高齢化・後継者不足、そしてICTシステムの運用・維持の難しさなど、さまざまな課題があり、ICT環境トータル運用コスト低減などの対策が必要となっています。JAグループの総合指導機関であるJA全中様は、その対策のひとつとして、JAグループで利用されている「Compass-JA」をはじめとした業務用システムをクラウド型のサービスとして提供するための「全国共同運用センター」を、既存のいずれかのJAグループの情報センター内に整備することを構想していました。
今回、JA全中様は、全国JAグループの中でもICT管理運用のノウハウを蓄積しており、災害対策が完備された長野県協同電算様に、本センターの構築と運用を委託し、長野県協同電算内に、JAグループの業務用システムをサービスとして提供するためのプライベートクラウド環境を構築することを決定しました。
導入効果
JAグループのひとつであるJA東京グループ様は「全国共同運用センター」を活用することを決定しており、2012年4月より運用を開始します。これにより、JA東京グループ様は、ICT基盤の信頼性向上とトータル運用コストの削減を実現します。
一方、長野県協同電算様は、以前より、JA長野県グループの「Compass-JA」などのシステムを県内統一することで長野県全体のICT運用の効率化を図り、ICT管理運営ノウハウを蓄積してきました。本センターの設立により、このノウハウを全国のJAグループで共有し、ICT運営の効率化と信頼性の向上を図ることができます。
全国共同運用センターのイメージ
「全国共同運用センター」の設立課題
長野県協同電算様は、「全国共同運用センター」を構築・運用するうえで、24時間365日、ダウンタイムの無い安定稼働を実現するため、高信頼・可用性に優れたハードウェアを必要としていました。
また、各都道府県のJAグループからは任意に委託を依頼されることから、できるだけ初期投資を抑えたサーバ台数でセンター運営を開始し、委託県の増加にともなってリソースを拡張したいと考えていました。そして、その環境上で、SAP ERPをベースとしている 「Compass-JA」が安定稼働するかどうか、ハードウェアと仮想化ソフトウェア、アプリケーションの組み合わせの検証が必要でした。
対策
「全国共同運用センター」の主要サーバには、オープンサーバでありがならメインフレームクラスの信頼性を実現した当社の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を採用し、信頼性を確保しました。また、1都道府県に対して「PRIMEQUEST」 の1システムボード(CPU・メモリを搭載)で運用が可能なため、運用管理の容易さと省スペースを実現しました。
「PRIMEQUEST」を有効利用するための仮想化ソフトウェアには、Windows Server 2008 R2 Hyper-Vを採用し、サーバ集約、柔軟なシステム配置変更など、業務追加および業務量の増加に合わせたリソース追加や有効活用が可能なICT基盤を実現し、フェールオーバクラスタリング機能を活用することにより、信頼性の向上も実現しています。
また、当社は、マイクロソフト・SAPジャパンとの3社共同検証プロジェクト(PRIME3 PROJECTⅢ、注1)により仮想環境の各種検証を既に終了していたため、仮想環境での「Compass-JA」の稼働を保証することができました。
さらに、「PRIMEQUEST」のエントリーモデルを採用し、年間レンタル契約することにより、システムの初期導入コストを抑え、必要に応じ追加調達することによるコスト最適化も実現しています。
今後の展開
今後、長野県協同電算様とJA全中様は、「全国共同運用センター」の活用を拡大させることにより、全国JAグループのICTにおけるトータルコストを削減し、経営の健全化を推進していきます。
当社は、今後も、全国JAグループのパートナーとして、日本の農業を支えるICT技術を提案していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 3社共同検証プロジェクト(PRIME3 PROJECTⅢ):
- 2006年より、富士通・マイクロソフト・SAPジャパンの3社で、SAPシステムの最適化を目的として実施している共同検証プロジェクト
PRIME3 PROJECTⅢサイト
関連リンク
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