PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)
2012年4月23日
富士通株式会社
ビッグデータ活用を支援するソフトウェア群を体系化し販売開始
クラウドサービスで提供している技術をオンプレミス向けに製品化
当社は、このほどビッグデータの活用を支援するソフトウェア製品を開発し、新たに体系化しました。ビッグデータ活用の標準技術である並列分散処理や複合イベント処理を行う製品群を「Big Data Platform」、利用シーンに応じたビッグデータ活用の製品群を「Big Data Middleware」とし、順次グローバルに製品を提供していきます。
今回、複合イベント処理製品「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」、エクストリームトランザクション製品「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」を新たに開発し、またデータベース製品「Symfoware Server V11」を強化し、それぞれ販売開始します。
本製品群は、当社が世界に先がけて提供開始したビッグデータ活用のクラウドサービス「データ活用基盤サービス(注1)」での実践で磨いた技術、運用ノウハウを、オンプレミスでより使いやすいソフトウェアとして製品化し、提供するものです。基幹システムで実績ある当社独自技術を数多く取り込み、高信頼、高性能を実現しているほか、導入や運用を簡単にし、さらにOSSをはじめとする他製品との組み合わせも可能なエコシステム(注2)として、お客様のビッグデータ活用を支援します。
当社は、クラウドサービスとオンプレミス向け製品で、ビッグデータ活用の多様なニーズに対応し、お客様のビジネスに貢献してまいります。
[関連リンク] ビッグデータ活用を支えるミドルウェア紹介サイト
今回提供するソフトウェア製品は、5月17日(木曜日)、18日(金曜日)に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催する「富士通フォーラム2012」でご覧いただけます。
スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス、各種センサー、ICタグなどの普及により、社会生活で発生するデータが爆発的に増え続けています。企業活動においては、増大するさまざまなログやデータからトレンドや予兆を見出し、新しいビジネスへ活用したり、現状の業務改善をするなど、ビッグデータの活用が求められています。
当社は、ビッグデータ対応のソフトウェア製品群を、「Big Data Platform」、「Big Data Middleware」として体系化し、企業の情報系システム、および基幹システムでのビッグデータ活用を実現する製品を順次提供します。
ビッグデータ対応ミドルウェアの製品体系
ビッグデータ活用ソフトウェア製品の特長
- スマートソフトウェアテクノロジー(注3)で、より使いやすいソフトウェアを追求
本製品群では、ソフトウェアをより簡単、安心に使うために最適化する当社のスマートソフトウェアテクノロジーに基づく「スマートセットアップ」「スマートオペレーション」を採用しています。
「スマートセットアップ」で導入・設定を、「スマートオペレーション」で統合監視や一括操作などの運用を簡単にし、ビッグデータの利活用をより簡単で使いやすく提供します。
- 基幹システムで培った技術で、高信頼・高性能を実現
基幹システムで実績のある高信頼・高性能な当社独自技術を本製品に取り込んでいます。分散ファイルシステム(「PRIMECLUSTER(注4)」)、イベントを絞り込む高速フィルター技術(「Interstage Shunsaku Data Manager(注5)」)、高速なインメモリデータ管理技術(「Primesoft Server(注6)」)などの独自技術により、企業で安心して使える、高い信頼性、処理性能を実現しています。高い処理性能で単位データあたりのコストを低減し、大量データ処理を低コストで実現します。
- パートナー様製品、OSSを組み合わせたエコシステム
本製品群では、ビッグデータ活用の主要なツールに対応したオープンなインターフェースを採用しています。「Informatica PowerCenter(注7)」などパートナー様製品や、「Apache Mahout(注8)」などOSSとの連携を進めており、これらの製品と組み合わせたエコシステムとして、お客様の業務に合わせたシステムを構築していきます。今後、さらに対応製品を順次拡大していきます。
今回の提供製品
「Big Data Platform」
- 高信頼な並列分散処理 - 「Interstage Big Data Parallel Processing Server V1」 [2012年2月発売済]
ビッグデータの並列分散処理を行うOSS「Apache Hadoop」に当社独自の分散ファイルシステムを統合してデータの信頼性を向上したほか、業務システムとのファイル共有でデータ転送を不要にすることで、処理性能を向上した、並列分散処理ソフトウェアです。また、「スマートセットアップ」で短時間で簡単に導入できます。
- 使いやすい複合イベント処理 - 「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」[新規]
当社独自の高速フィルター技術により、大量のイベントを業務システムのマスターデータと自動的に照合して、必要なイベントを絞り込む、複合イベント処理ソフトウェアです。高速フィルターに定義する絞り込みのルールを、業務で使う名称、用語でわかりやすく、かつ少ない記述量で定義できます。
「Big Data Middleware」
- 高信頼な高速エクストリームトランザクション
- 「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」 [新規]
ミッションクリティカルシステムを支える、高速インメモリデータ管理ソフトウェア「Primesoft Server」で実績のある、インメモリ分散キャッシュ技術による高速処理と、最大3重化の冗長構成でデータを保障する高信頼性を両立した、エクストリームトランザクション処理ソフトウェアです。
- 「Symfoware Server V11」 [強化]
SSD(注9)に最適化した並列I/O技術により、大量データを従来比10倍で高速に格納します。さらに高圧縮技術でデータを1/5に圧縮し、OLTP性能を高めたエクストリームトランザクション処理を支える高信頼データベースです。
- 「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」 [新規]
- 高精度な分析予測 - 「Interstage Business Analytics Modeling Server」 [2012年度上期発売予定]
業界最高水準の機械翻訳技術で日本語を解釈し、さまざまな事象を時系列に関連づけることで、高精度な分析予測を支援するソフトウェアです。また、並列分散処理に対応した30種以上のデータ分析処理部品により、高度な分析予測を高速に行うことができます。
製品の標準価格、および出荷時期
製品名 | 標準価格(税別) | 出荷時期 | |
---|---|---|---|
並列分散処理 | Interstage Big Data Parallel Processing Server V1 (プロセッサライセンス) |
60万円より | 2012年5月末より (発売済) |
複合イベント処理 | Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1 (プロセッサライセンス) |
600万円より | 2012年8月末より |
エクストリーム トランザクション |
Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1 (プロセッサライセンス) |
120万円より | 2012年5月末より |
Symfoware Server V11 (プロセッサライセンス/クライアントライセンス) |
160万円/50万円より | 2012年6月末より |
動作環境
製品名 | 動作OS |
---|---|
Interstage Big Data Parallel Processing Server V1 Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1 Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1 |
Red Hat Enterprise Linux 6 Red Hat Enterprise Linux 5 |
Symfoware Server V11 | Red Hat Enterprise Linux 6 Red Hat Enterprise Linux 5 Solaris 11、Solaris 10 Microsoft Windows Server 2008 Microsoft Windows Server 2003 |
商標について
- Asakusa Frameworkは、Asakusa Framework Developer Teamの商標です。
- Apache Hadoop、Mahout™、Apache Software Foundationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
- PENTAHO®は、Pentaho, Incの登録商標です。
- Informatica、Informatica Logo、および PowerCenter は、米国および世界各国における Informatica Corporation の登録商標または商標です。
- SASは、米国およびその他の国におけるSAS Institute Inc.の登録商標または商標です。
- 「スマートソフトウェア」および「スマートソフトウェアテクノロジー」は商標登録申請中です。
- その他の記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 データ活用基盤サービス:
- 当社が2012年1月16日より提供を開始した大量のセンシングデータを収集、蓄積、統合してリアルタイム処理やバッチ処理による将来予測などを行うクラウドサービス。
- 注2 エコシステム:
- 本来は「生態系」を意味する科学用語。ICT分野では、デベロッパー、ベンダー、サードパーティ、ユーザが有機的に結びつき、互いの技術を生かしながら共存共栄していく仕組みのことを指す。
- 注3 スマートソフトウェアテクノロジー:
- ハードウェアやソフトウェアの状況を自ら判断し、より簡単・安心に使うために最適化を図る当社独自の技術。
- 注4 PRIMECLUSTER:
- サーバ、ストレージ、ネットワークなどのシステム構成要素を冗長化し、迅速な異常検出、業務の引継ぎ(フェイルオーバ)、異常箇所の縮退を自動的に行うことで、システム全体の高信頼化を実現するソフトウェア。
- 注5 Interstage Shunsaku Data Manager:
- 従来のリレーショナル・データベースにはない、インデックスレスでの高速で安定した検索技術で、ニーズやデータの変化に素早く対応できる情報活用を実現するXML型のデータベースエンジン。
- 注6 Primesoft Server:
- メモリ上のデータへマイクロ秒レベルで超高速アクセスすることにより、高いレスポンス性能とスループット性能を実現する高速インメモリデータ管理ソフトウェア。
- 注7 Informatica PowerCenter:
- 米国 Informatica社様のデータ統合製品。
- 注8 Apache mahout:
- Apache Software Foundation(ASF)が開発・公開している、Hadoop上で動作する、スケーラブルな機械学習ライブラリ。
- 注9 SSD:
- Solid State Drive。補助記憶装置の一種で、半導体メモリによるドライブ。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン
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