PRESS RELEASE (サービス)
2012年4月20日
富士通株式会社
株式会社富士通九州システムズ
株式会社富士通研究所
予防型リスク分析ソフトウェア「Riskmining Navigator」を販売開始
大量のトラブルレポートを分析し、製品不具合・作業ミス・事故を未然に防止
富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通九州システムズ(本社:福岡県福岡市、代表取締役:川田敏郎、以下、FJQS)は、主に製造業のお客様向けに、過去に現場で発生した製造・設計トラブルのレポートを分析し、トラブル発生の傾向や要因を見える化することで、製品不具合・作業ミス・事故の未然防止を支援するソフトウェア「Riskmining Navigator(リスクマイニング ナビゲータ)」を販売開始します。
本製品は、莫大なデータの中からトラブルの原因を分析し、トラブル発生パターンを見える化することで担当者に気付きを与え、製品開発における効果的な対策の立案・実施を支援します。設計、製造、マーケティングなどの分野に適用することで、トラブルを未然に防ぎ、製品品質や作業の安全性、マーケティングの質を向上させます。
なお、本製品では、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:富田達夫、以下、富士通研究所)が開発した、大量のトラブルレポートの記述内容をネットワーク図として可視化する「ビジュアルテキストマイニング技術」、および、トラブルレポートのテキスト記述部からトラブル発生モデルを自動構築する「リスクシナリオ分析技術」を活用しています。
[関連リンク] 「Riskmining Navigator」紹介サイト
製造業において製品のトラブルは、社会的信用の失墜、売上減少、賠償責任など、企業活動や事業継続に深刻なダメージを与えます。製品不具合・作業ミス・事故などのトラブルを未然に防ぐためには、過去に発生した類似トラブルの情報を有効活用することが重要ですが、トラブルレポートが大量に存在し、かつ文章(テキスト)で記載されているため1つ1つを人手で読み込む必要があり、十分に活用できないケースが多々ありました。
富士通とFJQSは、過去に蓄積された大量のトラブルデータの非定型情報(注1)と定型情報(注2)を統合して活用し、リスクの要因・傾向分析や評価を行い、対策立案を支援するソフトウェア「Riskmining Navigator」を開発しました。
図1 予防型リスク管理PDCAサイクルのイメージ
主な利用分野 | 分析内容 |
---|---|
設計品質向上 | 設計工程や設計レビュー工程で検出された不具合の分析 |
製造品質向上 | 製造工程で検出された不具合、取り付け不具合、製造ライン不具合の分析 |
作業安全性向上 | 作業現場で発生した事故やヒヤリハット(注3)の分析 |
マーケティング | コールセンターの顧客要望やクレームの分析 |
本製品の特長
- トラブルレポートのテキスト記述内容を見える化(テキストマイニング技術)
従来、非定型情報であるテキストで書かれたトラブルの詳細な内容を、人手で詳細に分析する際には、1つ1つ人手でつぶさに内容を把握することが必要でした。今回、キーワードや文書の関係を抽出し、ネットワーク図として見える化することにより、大量のトラブルレポートのテキスト記述内容の概要・特徴・関係性を直感的に把握することが可能となります。
図2 テキスト内容を分析しグラフとマップで見える化した一例
拡大イメージ - 業界初!トラブル発生パターンを自動的にモデル化(リスクシナリオ技術)
非定型情報であるテキストで記載されているトラブルの詳細内容から、トラブル発生の条件や事象を自動抽出し、トラブル発生モデルを自動構築します。トラブル発生に至るまでの過程をモデル化することにより、定量的なリスク分析・予測・シミュレーションが可能となり、トラブルに対する効果的な対策を効率よく講じることができるようになります。
図3 リスクシナリオ分析
拡大イメージ
図4 交通事故レポートを分析したリスクシナリオのイメージ図
拡大イメージ - リスク管理の質および対応力の向上
過去に発生した製品不具合・作業ミス・事故などに関するトラブルレポートを本製品で分析することにより、過去事例に潜んでいるリスク防止へのヒントや見落としていた新たな気づきを得ることができます。また、リスクとして漠然と認識されている既知の傾向を、具体的な事例データによって裏づけることで、定量的かつ客観的な分析を実施することが可能となります。従来の人手によるデータ分析にくらべ、分析作業を短時間で実施することができるため、早期に対策の検討・実施を行うことが可能となります。
販売価格、および出荷時期
製品名 | 販売価格(税別) | 出荷時期 |
---|---|---|
Riskmining Navigator V1サーバライセンス | 500万円 | 本日より |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 非定型情報:
- テキスト・自由記述で記載されているもので、内容が多岐におよび型が定まっておらず、それ自体では定量的・客観的に扱いにくい情報。
- 注2 定型情報:
- たとえば日時、名称、数値、IDなど、なんらかの軸でカテゴライズされ型が定まっており、それ自体を定量的・客観的に扱いやすい情報。
- 注3 ヒヤリハット:
- 重大なトラブル・事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事象。
関連リンク
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