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PRESS RELEASE

2012年4月16日
富士通株式会社
Fujitsu UK and Ireland
Fujitsu Laboratories of Europe Limited
HPC Wales

英国HPC Walesと富士通、スーパーコンピュータを活用した共同研究を開始

ウェールズの大学に計算科学に関する7つの博士課程奨学講座を設立

HPC Walesと富士通は、スーパーコンピュータを活用した共同研究の最初の施策として、英国ウェールズの複数の大学に、計算科学の7つの博士課程奨学講座を新たに設立することを発表しました。HPC Walesは、2010年7月にウェールズ政府より発表された2015年までの国家プロジェクトで、ウェールズ大学とSt. David's Day Groupに属する大学で構成する非営利団体によって管理運営されています。

当講座はHPC Walesと富士通との協業の一端であり、ウェールズ政府が地場産業において重要視している分野でのスーパーコンピュータの活用推進を目的として開設されます。当講座では、富士通のPRIMERGYをクラスタ構成にしたHPC Walesのスーパーコンピュータを利用します。また、Fujitsu Laboratories of Europe Limitedや富士通のテクニカルコンピューティング部門の研究者やスーパーコンピュータの専門家との共同研究も可能です。富士通は2011年にHPC Walesにスーパーコンピュータを提供するパートナーとして、4年間で1500万ポンド（約15億円）のプロジェクトを受注し、この10年間遠ざかっていた英国のスーパーコンピュータ市場へ復帰しましたが、今回の発表はそれに続くもので、富士通のスーパーコンピュータ・シミュレーションの分野における積極的な活動を示しています。

当講座の研究分野

ウェールズ政府の重点項目である、エネルギー、環境、ライフサイエンスの3分野におよびます。

＜エネルギー＞

ウェールズでは、将来のエネルギー需要の一部を、低炭素である波や潮流から賄える可能性があるため、奨学講座のうちの3つの講座では、特に海洋エネルギー開発と、その開発による経済への影響について研究されます。

＜環境＞

環境に関しては、2つの講座が設けられており、ひとつでは、気候変動による極域氷床や海水位の安定性への影響が研究され、もうひとつでは、石油・ガス産業に役立つと考えられる、マントルが地形や地殻熱におよぼす影響を予測するためのシミュレーションに焦点を当てた研究が行われます。

＜ライフサイエンス＞

ゲノミクスでは、ゲノム全配列を非常に速く低コストで読み取ることができる第二世代のDNAシーケンス装置が開発されたことにより、期待が急増し、重要な研究対象となっています。

今後、さらに13の奨学講座設立について、2012年7月と2013年7月の2回に分けて公表する予定です。

関係者のコメント

HPC Walesの Chief Executive Officer、David Craddockは次のように述べています。
「科学研究の最先端であり、ウェールズの経済に貢献するこのプロジェクトを支援することができて光栄です。このプロジェクトは、すでに大学・企業間において、かなりのコラボレーションを進めており、ウェールズの経済のキーとなる複数の分野を強化し、発展させると考えています」

富士通のTCソリューション事業本部長、山田 昌彦は以下のように述べています。
「ウェールズの科学者と富士通の研究者とのコラボレーションを可能にする奨学講座を当社が設立することによって、ウェールズのこのプロジェクトに参加できることを誇りに思います。今回の奨学講座での低炭素エネルギーの開発、二酸化炭素隔離、気候変動の影響の理解、農業の改善を目的としたゲノミクスの活用に関する研究などを通して、ウェールズに経済的効果が生まれ、我々は社会貢献できると考えています」

HPC Walesについて

HPC Walesは、ウェールズ全域の、ハイレベルの能力開発やトレーニングのための最先端コンピューティング技術とその環境整備に投資し、個々のビジネスニーズに合った支援を行っている。この技術の有効性は、ウェールズの経済、企業競争力、革新、高等教育機関の高価値研究開発、能力開発などに、確実に大きな効果をもたらすと考えられており、基幹産業セクターの枠をまたぎ、400を超える仕事を生み出すと期待されている。
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関連リンク

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