PRESS RELEASE (サービス)
2011年12月8日
富士通株式会社
クラウドサービスを活用し、要件定義ツール群を富士通グループへ適用開始
お客様要件を的確に反映したシステム構築に貢献
当社は、システム構築における要件定義(注1)の手法を「Tri-shaping(トライ・シェイピング)」として体系化し、2011年4月よりプロジェクトへの適用を開始しました。「Tri-shaping」は、経営層、業務部門、システム部門といったステークホルダーの「要求」(注2)を的確に要件定義に反映し、構築過程で手戻りが発生しないよう、要件定義の品質を向上させることを目的としています。
今般、「Tri-shaping」で用いられている、要求構造の作成や要求成熟度の評価、要求の影響調査などを行うためのツール群をクラウドサービスとして提供し、2012年1月より当社グループのプロジェクトで適用開始します。これにより、当社グループのSEが容易に「Tri-shaping」の手法を用いることができ、品質の高い要件定義を的確に反映したシステム構築を実現します。
システム構築における要件定義は、ビジネスとシステムを橋渡しする工程であり、その重要性はますます高まってきています。当社は、ステークホルダーの要求を的確に要件定義に反映することを目的に、2011年4月より要件定義手法「Tri-shaping」を提供し、プロジェクトにあたる現場のSEに対しても研修サービスを展開しています。一方、現場では、これを適用・実践していくための使いやすいツールが強く求められていました。
このような状況を踏まえ、当社は、要求構造の作成や要求成熟度の評価、要求の影響調査などを行うためのツール群をクラウドサービスとして提供し、当社グループへの適用を開始します。
なお、将来的には、お客様への外販も予定しております。
本サービスの概要
- 要求構造の作成
経営層、業務部門、システム部門といったステークホルダーの要求間の関連を視覚的に捉えながら、それぞれの整合性を保った要求構造を作成できます。たとえば、孤立した要求の色分け表示や、一つの要求を実現するための手段として複数の候補の表示が可能です。
要求構造の作成画面
拡大イメージ - 要求の成熟度評価
各要求の仕上がりを多角的な指標で評価し、結果を登録します。これにより、要求の品質をタイムリーに把握し、評価に問題がある場合はその場で課題を確認できます。
成熟度評価の登録画面
拡大イメージ - 要求と関連する情報間の影響調査
要求と複雑に関連するステークホルダーや前提制約条件、非機能要件などの情報間の相互の影響範囲を瞬時に特定できます。
本サービスの特長
- 高度な技法を、容易に導入可能
2011年4月の提供開始以来、お客様から高い評価をいただいている要件定義手法「Tri-shaping」を、容易に導入できるよう、作業プロセスに応じ必要なガイダンスや作業状態の自動チェックなどの機能を提供します。
- 要件の日々の「成熟度」をスマートに見える化
定義の進み具合を多角的に捉え、遅れや品質の低下にはさまざまな切り口のアラート情報で対処を促すとともに、原因分析機能により工程遅延を改善する施策検討が可能です。また、要件の確定度合いや、投資効果などを評価することで、要件の絞込みと意思決定を支援します。
目標
本サービスを活用した「Tri-Shaping」の適用プロジェクト数:今後3年間で200プロジェクト
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 要件定義:
- ビジネス構築、業務改善、システム構築の目的実現のために、今後のビジネスや業務プロセスやシステムが満たすべき・実現すべき条件を定義する行為。
- 注2 要求:
- ビジネス構築、業務改善を遂行するうえで、ステークホルダーが、今後のビジネスや業務プロセスやシステムに求めていること。「要求」はステークホルダーの希望であり、実現は約束されていない。これに対し「要件」は投資対効果の検討や合意形成などの結果、実現することが意思決定されたもの。
本件に関するお問い合わせ
共通技術本部 情報化企画推進部
03-6424-6316(直通)
sii-requirementtracer@ml.css.fujitsu.com
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