PRESS RELEASE (サービス)
2011年12月21日
富士通株式会社
国内で初めて、アライアンスクラウド準拠のハイブリッドクラウド基盤を富士通が構築
ICTリソース、トータル運用コストの最適化を目指し、大和総研様向けに運用を開始
当社はこのたび、国内で初めて、アライアンスクラウド推進ソサエティ(注1)の標準モデルであるアライアンスクラウドを採用したハイブリッドクラウド基盤を構築しました。この基盤は、株式会社大和総研(本社:東京都江東区、代表取締役社長:深井 崇史、以下 大和総研)様向けに構築され、本年11月より運用を開始しました。
今回構築した基盤は、アライアンスクラウド準拠のクラウド基盤を複数のデータセンターで同時に運用し、活用を可能にしたハイブリッド型のプライベートクラウド基盤です。当社は本基盤の構築実績をモデルに、拡大するプライベートクラウド市場や多様化するハイブリッドクラウドのニーズに対応して、新たなサービスやソリューションを提供していく予定です。
当社は、大和総研様が取り組まれているアライアンスクラウド推進ソサエティの標準化技術検証にハードウェアベンダーとして2011年5月より参画しています。今回はその検証経験をふまえ、富士通館林システムセンター内にPCサーバ「PRIMERGY(プライマジー)」やストレージシステム「ETERNUS(エターナス)」などをインテグレーションしたアライアンスクラウド準拠の基盤を構築しました。
今回、富士通館林システムセンターにアライアンスクラウドに準拠した基盤を当社が構築したことで、大和総研様は自社データセンター内に構築された同一仕様(注2)のクラウド基盤とネットワークでつなぎ、ハイブリッドクラウド型のクラウド運用を可能としました。今後、大和総研様は、この2つの基盤を仮想デスクトップ環境などさまざまな用途に活用し、より一層のICTリソースの効率化や最適化を進め、トータル運用コストの最適化、事業継続への対応などを図られる予定です。
ハイブリッドクラウド基盤の特長
- アライアンスクラウドをハイブリッド型で運用する初の事例
本基盤は、アライアンスクラウドをハイブリッド型で初めて構築・運用する事例となります。
アライアンスクラウド推進ソサエティでは、基幹系システムでも使えるクラウド環境の標準化を進めており、その活動の中で、特定ベンダーに依存しない多種多様な機器・ソフトウェアの組み合わせ(注3)の検証を行い、可用性や信頼性などの定められた要件を満たすシステム構成を標準モデルとして認定しています。認定された標準モデル同士はリソースを互いに共有・融通できるため、遠隔地や他社のセンターとの連携によるディザスタリカバリー対策も見据えた、柔軟かつ効率的なシステム運用が可能となります。
- 柔軟で拡張性が高いハイブリッド型のプライベートクラウド
当社は、富士通館林システムセンター内に、プライベートクラウド環境の実現に最適で高品質なサーバやストレージシステムなどをインテグレーションし、アライアンスクラウド準拠の高信頼な基盤を新たに構築し大和総研様データセンター内で稼働している基盤と接続し、拡張性が高く柔軟なハイブリッド型の基盤として構築しました。
さらには、富士通館林システムセンターの高度なネットワークテクノロジーと信頼性の高いセキュリティ、あらゆる災害に備えた堅牢なファシリティにより、大和総研様の事業継続対策をサポートしていきます。
- さまざまな用途に対応した汎用的で高品質なクラウド基盤
今回当社が構築した基盤の稼働に伴い、大和総研様は1,600台の仮想デスクトップ環境を構築する準備を整え、順次運用を開始されています。利用用途としては、高度なセキュリティに対応した中国でのオフショア開発用途から国内の社員利用まで幅広い範囲での適用が計画されています。今後も大和総研様はグループ内でのさまざまな用途への利用を進め、汎用的で高品質でありながら、さらなるICTリソースの柔軟性への追求、システム維持・管理における効率化を実現していく予定です。
- 従量課金制のサービスを採用しTCOを削減
今回、富士通館林システムセンター内に構築したクラウド基盤は、必要なリソース単位ごとに従量課金でサービスを提供する「クラウドオンデマンドサービス」を採用しました。これにより、大和総研様は、基本料金と従量料金の組み合わせで利用コストの効率化を図り、TCO(注4)の削減を実現されます。
システムイメージ
当社はこのような特長を持つシステム基盤の構築実績をモデルに利用者視点のノウハウを合わせ、多国間でのハイブリッド運営が可能なグローバルコラボレーション環境の構築やM&Aによるガバナンス強化、リモート環境利用によるワークスタイル変革など、今後ますます多様化するお客様ニーズに対応して新たなサービスやソリューションを提供していく予定です。
大和総研 専務取締役 鈴木 孝一様からのコメント
富士通様がPAN Manager® (注5)の対応に続き、アライアンスクラウド準拠のクラウドサービスを開始しました。今回の新サービスは、皆様がこれまでイメージされるクラウドサービスとは異なり、自社センターのITリソースを使いきったうえで、不足分を補完するような使い方ができる大変ユーザーフレンドリーな可視化されたサービスです。センターを保有されていないユーザー企業様向けには、IaaS、PaaSサービスとしての利用も可能です。
アライアンスクラウド推進ソサエティは、ユーザー企業同士がITの標準化を推進することで、その効果が最大限活かされるサービスを次々と提供してまいります。アライアンスクラウドは、基幹システムでの利用を想定しているため、自社センターの投資抑制はもちろん、新規事業の迅速な立ち上げや分散システムのバックアップセンターを低コスト・短期間で構築できるなど幅広い用途で利用できます。
アライアンスクラウド準拠のインフラは、自社センター内での運用にもご利用いただけます。アライアンスクラウド推進ソサエティでは、メーカーやベンダーとともに、最先端のクラウド技術を検証し、ユーザーがより身近で使いやすいサービスを提案してまいります。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注2 同一仕様:
- アライアンスクラウドに準拠した基盤。
- 注3 機器・ソフトウェアの組み合わせ:
- 対象はサーバ、ストレージ、ネットワーク、オペレーティングシステム、ミドルウェア。
- 注4 TCO:
- Total Cost of Ownership.システムの導入、運用・管理などの直接・間接費用を含む総コスト。
- 注5 PAN Manager® (PAN:Processing Area Network):
- アライアンスクラウド推進ソサエティで検証対象としている、イージェネラ株式会社のインフラリソース管理ソフトウェア。
関連リンク
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