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PRESS RELEASE (ネットワークインフラ)

2011年12月14日
富士通株式会社

100Gbpsの超高速大容量ネットワークを構築する「パケット統合光システム」を販売開始

トラフィックの爆発的増大、設備コスト・運用コスト削減、省エネルギーに対応

スマートフォンをはじめとするモバイルブロードバンドの拡大、クラウドコンピューティングやセンシングなどのICTの利活用により、インターネットトラフィックは増加の一途をたどっております。トラフィックの増大は、通信キャリア様の通信設備の拡張や電力消費量の増加をまねきます。そのため、通信キャリア様は、設備コスト・運用コストの削減、省エネルギーへの対応が必要となります。こうした課題を解決するため、当社は「パケット統合光システム」の販売を開始いたします。

本システムは、最新の光伝送技術であるDP-QPSK変調方式を用いたデジタルコヒーレント(注1)光伝送技術を採用し、100Gbpsかける80波の超高速・長距離光伝送を実現します。本年度上期には、北米において、通信キャリア様と100Gbps伝送実証実験を成功させております。当社は、これらの技術を用い、さらにグローバル市場で展開している複合型光伝送システム「FLASHWAVE 9500」の機能強化を図り、WDM技術とレイヤ2パケット伝送技術を統合した「パケット統合光システム」を、国内外に展開していきます。

「パケット統合光システム」は、従来、複数の装置で構成していた光トランスポートネットワークを、一つのシステムで構築することが可能です。当社は「パケット統合光システム」によって、トラフィックの増大、コスト削減、省エネルギーに、柔軟に対応する情報通信インフラの構築に貢献いたします。

パケット統合光システムの特長

  1. 超高速・大容量光伝送の実現

    本システムは、従来の10Gbps/40Gbps システムと同一の50GHz の波長間隔で伝送可能な「DP-QPSK(注2) 変調方式」と伝送路で発生した波形歪みをデジタル処理で補正する「デジタルコヒーレント光伝送技術」とを採用し、光ファイバー1本あたり、最大100Gbps x 80波の超高速・長距離伝送を実現します。また、従来、ネットワークの構築時や保守運用作業において必要だった、中継回線の光ファイバー特性の測定や分散設計が不要となるため、建設コスト、保守運用コストの削減が可能となります。

    本製品の、DP-QPSK変調方式を用いたデジタルコヒーレント伝送技術は、総務省委託研究「超高速光伝送システムの研究開発」および「超高速光エッジノードの研究開発」 の成果を活用しています。

  2. コスト削減・省エネルギーを可能にするモジュール式アーキテクチャーの採用

    本システムは、WDM機能とレイヤ2パケット伝送機能を適用領域に合わせ、柔軟に組み合わせることができるモジュール式アーキテクチャーを採用しています。従来、複数の装置で構成していたシステムと比べ、インターフェース盤などの設備の削減や、統合監視/制御が可能となり、設備コスト、運用コストの削減や消費電力の削減に貢献します。

  3. 高信頼ネットワークの実現

    本システムでは、高信頼ネットワークを実現するため、ネットワーク上で障害が発生した場合、50ms以下で現用回線から予備回線へ切り替える「OUPSR機能(注3)」を実装しています。また、メッシュネットワークにおいては、最大8ルートの中継伝送路から任意にルートを選択できる「CDC機能(注4)」により、障害箇所の迂回が可能です。

  4. 高信頼性と拡張性を備えたレイヤ2パケット伝送機能

    本システムでは、国際標準準拠のMPLS-TP パケット転送方式を採用しています。また、1Gbps、10Gbpsだけではなく、100Gbpsインターフェースにおいても低遅延・無瞬断の冗長切替機能を実装し、これらにより、大容量・高信頼なパケットトランスポートネットワークの構築を実現します。さらに、あらゆるネットワーク領域に対応できるよう、パケット処理部は、400Gbps~3.2Tbpsのスイッチ容量別にモジュール化され、システム条件に合わせた選択が可能です。

  5. 環境への貢献

    富士通は、グループ一体となりエコデザインを推進し、製品のライフサイクル全体を通じた環境パフォーマンスの向上に努めています。

    本システムは、性能あたりの動作時消費電力とCO2排出量を、当社従来製品(注5)に比べ60%以上削減し、「省エネルギー」、「3R(注6)設計・技術」、「含有化学物質」、「環境貢献材料・技術」など環境要素がトップレベルにある製品です。

本システムは、2012年度第4四半期より出荷を開始します。販売価格は個別見積。3年間で、6000台の販売を目標としています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 デジタルコヒーレント:
光変調方式として、DP-QPSKを適用し、光受信部ではデジタル信号処理により伝送路で発生する波形歪みを補正する方式。
注2 DP-QPSK(Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying):
デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏向、S偏向のそれぞれについて、変調された4つの光位相(0、90、180、270°)に2ビットのデータを割り当てることのできる方式。
注3 OUPSR(Optical Uni-directional Path Switched Ring):
対向する2台の装置間に異なる経路で2本の光パスを張り、常に正常系を選択するプロテクション機能。
注4 CDC(Colorless/Directionless/Contentionless)機能:
どのROADMノードでもクライアント信号を遠隔からの設定により任意の波長で、任意の方路に送ることができる機能。
注5 従来製品:
FLASHWAVE 7500シリーズとFLASHWAVE 5000シリーズで構成したネットワーク。
注6 3R:
廃棄物のReduce(発生抑制)・Reuse(再使用)・Recycle(再資源化)。

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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