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PRESS RELEASE

2011年11月24日
独立行政法人国立病院機構 呉医療センター
富士通株式会社

呉医療センターの医療情報システムを仮想化技術で全面的に刷新

シンクライアント方式を活用し、電子カルテと情報系システムの共同利用が可能に

独立行政法人国立病院機構 呉医療センター(所在地:広島県呉市、院長:上池 渉 以下、呉医療センター)と富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已 以下、富士通)は共同で、呉医療センターの医療情報システムを仮想化技術により、高セキュリティで利便性の高いシンクライアント方式のシステムに全面刷新しました。

診療データを管理する従来の医療情報システムでは、個人情報漏洩対策のため、電子カルテシステムと外部に接続するインターネットを同じ端末で利用することはできない仕組みでした。今回、シンクライアント方式とICカードによるシングルサインオン(注1)などの採用により、電子カルテシステムを使いながらインターネットで文献を検索するなど、診療中でも安全にインターネットを利用できる、利便性とセキュリティを両立したシステムを構築しました。また、本システムには、ローミング機能も搭載しており、病院職員は、自分のファイルを院内のどの端末からも呼び出すことができ、業務の効率化を実現します。さらに、仮想化技術によるサーバ統合でCO2の排出量を従来比約6割、シンクライアント方式による端末のCO2排出量も従来比約7割削減することが可能になります。

従来システムの課題

従来、呉医療センターの医療情報システムでは、電子カルテシステムとインターネットに接続できる情報系システム(Webブラウザ・電子メール・診療科データベースなど)は、セキュリティの問題から、独立したネットワークとして管理されていたため、この2つのシステムはそれぞれ個別の端末で利用しなければなりませんでした。このため、医師は電子カルテシステムを使いながら、インターネットで文献を検索したり書類を作成するためには、複数の端末を立ち上げたうえで駆使する必要がありました。さらに各診療科では、例えば手術の管理情報は、電子カルテシステムに入力したデータを手術管理台帳システムに再入力する二重管理が必要になるなど、業務が煩雑となっていました。

新システムの特長

上記の課題を解決するために、電子カルテシステムと情報系システムのアプリケーションをすべてクライアント仮想化で実装し、1台の端末で両方のシステムを同時に利用できる、高セキュリティな新しい医療情報システムに刷新しました。


シンクライアント方式を活用した新システムイメージ
拡大イメージ

  1. 電子カルテとインターネットなどの閲覧が同一端末で可能に - 利便性とセキュリティの両立 -

    シンクライアント端末(電子カルテとWebブラウザの例)
    拡大イメージ

    本システムは、国内電子カルテシェアNo.1(注2)の実績で培われたノウハウを結集した富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN(ホープ/イージーメイン)-GX」を中核に、約35部門のシステムを密に連携させ、構築しました。セキュリティ確保のため、電子カルテシステムとインターネットにつながる情報系システムを、完全に分離された2つのクライアント仮想化環境に分けて管理しています。それぞれのシステムへのアクセス時には端末からICカード認証によるシングルサインオンにより、2つの仮想サーバにアクセスできます。これにより、電子カルテとWebブラウザや電子メールなどのインターネットも同一の端末で安心して利用することが可能になりました。

    また、電子カルテなどの個人情報については、サーバで一元管理することで情報漏洩対策もさらに強化されます。

  2. 院内の頻繁な移動にも対応し、「どこでもMy Desktop」感覚で使える

    接触型のICカード認証によるユーザー・ローミング機能を有したシンクライアント方式を採用しているため、病院職員は、仮想サーバ上のアプリケーションを実行することで、外来診察室で電子カルテを参照しながら文書を途中まで作成した後、病棟のナースステーションで別の端末を使い、作業を続けるといったことが容易にできます。特に医師は施設内の移動が多いため、業務の効率化を実現します。さらに、情報系システムの仮想サーバから自分のファイルを呼び出すこともでき、「どこでもMy Desktop」感覚で使えます。

  3. 運用コストを削減し、病院経営に貢献

    従来、部門システムごとに構築・設置されていたサーバを仮想化技術を用いて統合し、バックアップなど運用管理を一元化することで、効率化およびコスト削減を図るとともに、設置スペースを従来に比べて約6割削減することができました。

    さらに端末においては、CPU の負荷が比較的低いシンクライアントの導入により、システム運用の効率化を図り、運用コストを削減することが期待できます。また、電子カルテと情報系システムを同一端末で利用が可能になるため、端末数が削減され、スペース効率も改善されます。

  4. 環境経営に貢献

    部門システムのサーバ統合により、サーバのCO2の排出量は約6割の削減、さらに、シンクライアントの導入により、端末のCO2排出量も従来に比べ約7割の削減が可能になります。

呉医療センターは、今回刷新した最新の医療情報システムを活用しながら、さらに質の高い医療を提供し、富士通は最新のテクノロジーで呉医療センターのシステムをサポートしていきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 シングルサインオン:
ユーザーが1度認証を受けるだけで、許可されているすべての機能(システム、アプリケーション、データなど)を利用できるようになるシステム。
注2 国内電子カルテシェアNo.1:
株式会社エムイー振興協会「月刊新医療別冊 電子カルテ&PACS白書 2011~2012」による。

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本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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