2011年10月24日
富士通株式会社
アルプス電気様、メカ・制御を融合した開発環境、編集設計システムを構築
3次元CADシステム「iCAD V7」を活用し、開発期間を50%短縮
アルプス電気株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:片岡 政隆、以下、アルプス電気)様は、組立装置などの生産設備開発を担当されているMMP事業本部において、メカ(機械)と制御の設計を同一環境で実施し、設計効率や品質を高めるため、このほど当社の3次元CADシステム「iCAD V7」をベースに新たな開発環境を構築されました。
これにより、仕様検討や構想検討で実施している生産設備の工程レイアウト作業や動作タイミングチャート作成などを自動化し、レイアウト検討から動作タイミング検証、出図手配までの一連の設計作業を大幅に削減でき、生産設備の設計品質および開発スピードの向上が可能です。
今後、本環境を海外含む各々の生産拠点に展開し、さらに実機で行っている制御プログラムの動作検証や据付調整作業を可能な限り3次元データで事前検証を行うなど、生産設備の立上げ期間の短縮も図っていきます。生産設備の設計から立ち上げまでを行う開発期間全体の50%短縮を実現し、企業競争力強化を推進される予定です。
なお、当社が11月に開催予定の「iCADコンファレンス2011」において、東京(品川)、大阪(梅田)、愛知(名古屋)の3会場で本環境の紹介を行う予定です。
業界背景
電子部品業界は、デジタル技術の進化はもとより自動車での電子化の進展や低炭素社会の実現に向けたグリーンデバイスの開発に拍車が掛かるなど著しく変化を続けています。これら新しい需要の高まりやさらなる裾野の広がりからさまざまなお客様のニーズに応えるため、市場を的確に把握し、製品をいち早く提供する独自のモノづくり環境の構築が必要不可欠となっております。
これに対応するために、当社は、従来大規模な機械装置では処理性能の制約により別々のシステムで行っていたメカ設計と制御設計を同一システムで実現する技術開発を行い、「iCAD」シリーズとして提供しています。現在、「iCAD V7」で提供している超高速CADエンジンを応用し、本システム上でメカ設計だけでなく動作タイミング検証から制御プログラムのデバッグまでを行う機能を新たに開発しており、アルプス電気様に先行評価いただいております。本機能を「iCAD V7」の次期バージョンの新機能として提供する予定です。
アルプス電気様における設計効率・品質向上への取り組み
アルプス電気様では、自動車の電子化や精密機器の需要拡大に伴い、センサやスイッチなど多種多様な製品をいち早く提供していく必要があります。そのため、生産設備の早期立ち上げが重要課題であり、生産設備開発の期間短縮(50%)に取り組まれています。
生産設備の開発期間
- 生産設備検討の自動化による設計効率化
センサやスイッチなど一つのカテゴリの中だけでも多種多様な製品を製造しており、それらの生産設備を工程や機能ごとに標準化されています。工程に必要な標準ユニットを選択することで、その標準ユニットを自動配置し、動作タイミング検証から出図手配まで一貫して行う編集設計システムを「iCAD V7」で構築されております。
これにより、製品形状によって変化する箇所のみの設計で済むため、設計検討・検証を効率化でき、設計作業の大幅削減が可能となります。また、標準化した設備は検証後自動で一括手配を行うことで、手配作業や部品納入までの時間も削減することが可能です。
- メカ設計と制御設計の並行検討の実現
制御開発に置いて、自動配置した標準ユニットの3次元モデルを実機同様に動作させ、3次元モデルを元にメカ設計者と制御設計者が仕様合わせを実施します。動作仕様に変更があった場合も、3次元モデルを確認することで制御設計者は早期に動作の仕様や条件を確認することが可能となり、紙や口頭でのやりとりで発生していた認識のズレやモレによる不具合の発生を未然に防ぎます。
さらに、実機作成前に3次元データ上で制御プログラムのデバッグ作業を実施する仕組みの構築にも取り組まれ、今回、「iCAD V7」の新た機能として当社が開発し、当社と共同で試行評価を実施しています。作成した制御プログラムをシーケンサーに取り込み実機同様に3次元モデルを動作させることで、設計段階から制御プログラムの検証を行い、実機での据付調整作業やプログラム不具合による手戻りを削減できます。
「iCADコンファレンス2011」について
当社は東京(2011年11月1日、品川)、大阪(11月8日、梅田)、愛知(11月15日、名古屋)の3会場で「iCADコンファレンス2011」を開催いたします。本コンファレンスでは、アルプス電気様、住友重機械エンバイロメント様に3次元設計への取り組みについての事例講演と「iCAD V7」を紹介予定です。
商標について
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以上
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