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PRESS RELEASE (技術)

2011年8月10日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

電力削減20%を実現できるネットワークの自動設計技術を開発

お客様の要望に最も適したネットワーク環境を構築

富士通株式会社(注1)と株式会社富士通研究所(注2)は、イーサネットネットワークの設計時に必要とされる通信速度やネットワーク構成などの要件を満たした上で、ネットワーク全体の消費電力を従来と比べて約2割削減できる自動設計技術を開発しました。ネットワーク機器の構成や回線の接続の仕方を考慮し、膨大な設計パラメーターを線形計画(注3)問題として解くことで、ピーク時のトラフィックに対応しながらネットワークの消費電力量や機器設置コストを最小に設計することが可能です。

本技術により、新規のネットワーク構築から既存のネットワーク増設などのあらゆる場面において、お客様の要望に最も適した、省電力なネットワークや機器コストを低減させたネットワークを提案することができます。

本技術の詳細は、9月13日(火曜日)から北海道大学(北海道札幌市)で開催される「電子情報通信学会ソサエティ大会」にて発表いたします。なお、本技術の一部は総務省の委託研究「クラウドサービスを支える高信頼・省電力ネットワーク制御技術の研究開発(環境対応型ネットワーク構成シグナリング技術)」および「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発(環境対応型ネットワーク構成シグナリング技術)」によるものです。

開発の背景

総務省の試算(注4)によるとインターネットトラフィックは毎年約25%ずつ増加し続けており、それにともなってネットワークを構成する機器の消費電力も増加し続けています。このままインターネットトラフィックが増加し続けると、2025年には日本国内のトラフィック量が100テラビット毎秒以上にも達し、ネットワークだけでICT全体の20%の電力を消費する見込みです。そのため、ネットワークの消費電力を低減するための研究開発が活発に進められています。

課題

従来のネットワーク設計は、ピーク時のトラフィック量に十分に対応することを最優先に設計され、高速な回線の増強や高性能なネットワーク機器配置を人手で設計することにより実現してきました。その際、ネットワーク機器や回線の接続の仕方によっては消費電力が大きい場合があります。しかし、消費電力を最小にするという以外にも、拠点間の通信速度など数多くの設計条件を考慮しなければならず、人手でのネットワーク設計では全ての把握が難しく、余剰な消費電力が発生しがちなことが問題となっていました。

開発した技術

データセンターなどの大規模なイーサネット網を対象に、ネットワーク構成、拠点間の通信速度、使用する機器などの関係を表した膨大な設計パラメーターを線形計画問題として数式化し、それらを解くことで、ネットワークの消費電力量や機器設置コストを最小化するネットワーク設計技術を開発しました。人手では設計することが不可能な多くの設計条件を考慮しつつ、ネットワーク条件を打ち込むだけで最適なネットワーク機器の選択などの自動設計が可能になります。消費電力削減を目的とした設計の試行によれば、最大で約2割の削減が可能となりました。


図 ネットワーク自動設計技術の概要

効果

通信量の増加に比例して消費電力の増大が問題となっているネットワークの消費電力を削減することができます。また、お客様が要望するネットワーク構成、通信速度、使用機器に合わせて、低コストのネットワークを設計することもできます。

今後

本技術をイーサネット以外のネットワークへの適用を可能とするための開発を進め、実用化に向けての研究を推進していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 富士通株式会社:
代表取締役社長 山本正已、本社 東京都港区。
注2 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 富田達夫、本社 神奈川県川崎市。
注3 線形計画:
いくつかの1次式で表わされる制約(設計)条件を満たし、かつ1次式で表わされる目的関数を最適化(最大化・最小化)する解を求める数学的手法。
注4 総務省の試算:
総務省報道資料「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」、平成23年3月31日。

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
ネットワークソリューション事業本部 ハイブリッドビジネス事業部
電話 044-754-2765(直通)
メール esnet@ml.labs.fujitsu.com


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