PRESS RELEASE (サービス)
2011年6月7日
富士通株式会社
メタウォーター様 上下水道事業の「持続性」を支える
「ウォータービジネスクラウド(WBC)」の基盤として富士通のクラウドサービスを採用
従量課金制のクラウドサービスをベースにした高信頼のシステム基盤
当社のクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」が、地方自治体の上下水道事業を支援する、メタウォーター株式会社(社長:松木 晴雄、本社:東京都港区、以下 メタウォーター)様の新事業「ウォータービジネスクラウド(WBC)」のシステム基盤に採用されました。メタウォーター様が今回構築された「ウォータービジネスクラウド」では、「広域監視サービス」「アセットマネジメントサービス」「遠隔支援サービス」を4月より提供開始するなど、上下水道事業を行う各地方自治体や事業受託企業がICTインフラを所有せず、共通のICTインフラを低コストで利用できます。特に上下水道の広域監視においては、システム導入およびランニング費用を含めたライフサイクルコストが従来に比べ3割削減などが期待されます。
このシステム基盤では当社の従量課金制のクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」を採用しているため、低コストで柔軟性の高いシステムとなっています。当社は、クラウド・コンピューティング技術を活用し、上下水道事業の将来にわたる「持続性」を支援するメタウォーター様の新事業を支えていきます。
WBC遠隔支援サービス
メタウォーター様は、上下水道、海水淡水化など水環境分野の各種装置類・設備の開発・設計・建設などに取り組み、水・環境問題の社会的要請に応えるグローバル企業を目指す、水処理分野における国内トップクラスの企業です。
国内では多くの上下水道の老朽化が進み、2015年以降には「一斉更新時代」を迎えると言われています。しかし、上下水道事業の運営を行う多くの地方自治体では、市町村合併、少子高齢化・人口減による税収減により予算確保が難しく、熟練技術者の不足も予測されます。また、広域にわたる施設設備の稼働状況をはじめとする各種モニタリングや情報管理のために、各地方自治体はICTインフラをそれぞれで所有し、煩雑なシステム運用・保守を行ってきました。
メタウォーター様は上記のような課題に取り組み、さらに、地方自治体との連携による新ビジネスの創出も行う新事業「ウォータービジネスクラウド」を立ち上げました。この新事業をサポートするため、当社は「オンデマンド仮想システムサービス」によって、拡張性が高く柔軟性があり、低コストで信頼性の高いシステム基盤を支えています。
システム基盤の特長
従量課金制の「オンデマンド仮想システムサービス」をベースにしているため、メタウォーター様は必要な時に必要な分だけICTリソースを使うことができ、ビジネス規模に応じ拡張性に富んだICTリソースの利用が可能です。また、メタウォーター様は、新ソリューション追加にともなうシステム拡張も容易に行うことができ、お客様へのタイムリーなサービス提供を実現します。
さらに、システムの認証基盤として、マルチテナント(注1)やシングルサインオン(注2)に対応した「WebSERVE smart (ウェブサーブ スマート) SaaS基盤」(注3)を採用しているため、複数のICTリソースを一度で認証できる統合ユーザーインターフェースとなっており、高信頼で使いやすいシステム基盤を実現しています。
「ウォータービジネスクラウド」を支えるシステム基盤
拡大イメージ
期待される効果
- メタウォーター様が期待される効果
- 必要な時に必要なだけICTインフラを使うことができ、ビジネス規模や環境の変化に合わせたさまざまなICTリソースの活用。
- 新ソリューションの追加などの際に、柔軟にインフラ環境の増強が可能。
- 煩雑なシステム運用・保守からの解放。
- 上下水道を運営する地方自治体や事業受託企業が期待される効果
- 市町村合併など、上下水道事業を取り巻く厳しい経営環境のなか、複数の地方自治体や企業が共通のICTインフラを低コストで利用が可能。特に上下水道の広域監視においては、システム導入およびランニング費用を含めたライフサイクルコストが従来に比べ3割削減。
- 災害発生時などのデータ損失のリスク軽減。
- 煩雑なシステム運用・保守からの解放。
メタウォーター様の「ウォータービジネスクラウド」について
上下水道事業を運営・経営する地方自治体や企業などを対象にした、クラウド・コンピューティング技術を活用した新しいサービスで、
- 広域にわたる上下水道施設の稼働状況や、水位・水質・圧力などのモニタリングなどを行う「広域監視サービス」
- 施設設備の仕様、運転・稼働、故障、保守などの各種情報をデータセンターで一元管理し、資産管理の最適化を図る「アセットマネジメントサービス」
- 事業体内外の各分野の経験豊富な技術者が、遠隔地から現場作業員の判断や業務を支援する「遠隔支援サービス」
の3つの支援ソリューションを4月より提供開始しました。今後このシステム基盤を利用して、国内総発電量の1.5%を使用する上下水道分野の電力使用量とコストの削減を図り、CO2排出抑制にも貢献する各種ソリューションを提供します。さらに、地方自治体や企業など多くのパートナーの参画を募り、ソリューションメニューの強化を図っていきます。2013年度に30億円、2015年度に80億円の売上を目指します。
富士通の「オンデマンド仮想システムサービス」について
本サービスは、ICTインフラを一括して、当社のデータセンターからネットワーク経由で仮想的に提供するもので、お客様が利用用途に合わせ、従量課金制で利用できるパブリック型のクラウドサービスです。お客様は月末に集中する会計などの業務や、法制度変更への対応をはじめとする開発期間が不定期なシステム開発など、信頼性・拡張性が求められる業務において、ICTシステムを自前で構築することなく、必要なときに必要なだけ、低コストで利用することができます。
当社はメタウォーター様のパートナーとして、最新の技術で「ウォータービジネスクラウド」をサポートし、ビジネス用途に合わせた柔軟なサービスを提供し、さらにお客様とともに新ビジネスを創出していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 マルチテナント:
- 1つの建物に複数の店や企業が同居している雑居ビルのように、1つのシステム環境を複数企業のシステムやアプリケーションを共同で利用する環境のこと。
- 注2 シングルサインオン:
- 1回の認証手続きで、複数のOSやアプリケーションなどにアクセスできること(またはそれを実現するための機能)。
- 注3 WebSERVE smart SaaS基盤:
- 株式会社富士通システムソリューションズが提供するクラウド向け技術基盤。
関連リンク
本件に関するお問い合わせ
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。