PRESS RELEASE (サービス)
2011年6月27日
オンコセラピー・サイエンス株式会社
富士通株式会社
オンコセラピー・サイエンスの新薬開発業務に富士通のクラウドを採用
「DDworks21/EDC plus」で治験の業務を効率化、新薬開発期間の短縮を支援
このたび、オンコセラピー・サイエンス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:角田 卓也、以下、オンコセラピー・サイエンス)は新薬開発業務の効率化のために、富士通株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 正已、以下、富士通)の治験(注1)データをIT化するEDC(注2)のクラウドサービス「DDworks21/EDC plus(注3)」を採用しました。
本サービスは、製薬会社が開発している薬の治験を医師など実施している医療機関から、治験データである症例報告書(CRF、注4)を回収するためのクラウドサービスであり、セキュリティの高いデータ管理かつ業務の効率化が可能となります。オンコセラピー・サイエンスは、これにより回収時間の短縮と同時に、クラウドサービスのためシステム運用などが不要になり、研究開発により多くの人材を集中し新薬開発の期間を短縮することができます。
オンコセラピー・サイエンスは、今後、世界が注目するがんワクチンや抗体、低分子医薬などゲノム情報から同定したがん治療に理想的な分子を標的とする新規治療薬の早期市場投入に向けて本サービスを活用し、業務の効率化を図っていきます。
オンコセラピー・サイエンスは、東京大学の研究成果をもとに、副作用が少なくより効果的で革新的ながん治療薬、がん治療法の研究開発を目的に2001年に設立されたアカデミア発創薬ベンチャーです。創薬ベンチャーにとって、通常15年かかる新薬の開発期間を短縮し早期市場投入をはかることが最重要課題であり、オンコセラピー・サイエンスにおいてもいかに新薬開発業務の効率化を図るかが課題となっていました。
一般的な新薬開発のプロセスは、まず製薬会社で5年ほどかけて創薬の研究を行い、その後複数の医療現場で医師が薬の効果を実証するための治験を5年~7年にわたり実施し、最後に製薬会社が治験データをまとめて厚生労働省に申請します。
サービス利用イメージ図
その中の治験プロセスで治験実施医療機関から症例報告書を回収する業務では、医師などの治験スタッフが手書きで記入した症例報告書を製薬会社の担当者(モニター)が直接病院を訪問し回収しています。しかし、製薬会社が回収先として訪問する病院が日本各地に散在している場合が多いことと、症例報告書に記載された内容は回収時に病院で初めて確認できる上、修正には手間と時間がかかることから、作業の手戻りや訪問回数の増加など多大な労力が必要でした。
そこで、オンコセラピー・サイエンスでは、治験プロセスにおいて治験実施医療機関とのやり取りの効率化を図るため、富士通のEDCのクラウドサービス「DDworks21/ EDC plus」をこのたび採用しました。本サービスは、治験データである症例報告書をWebから直接入力することができ、症例報告書の記入作業を効率化するとともにWeb入力時のチェックにより誤記や読み違いを削減することができます。また、同時に回収先の病院に行く前にデータの入力状況を確認することが可能となることから、回収業務の時間や労力削減が可能となります。さらに、サーバの導入が不要であり運用や保守業務を効率化できることから、製薬会社が研究開発により多くの人材を集中することができ新薬開発の期間短縮を図ることができます。
「DDworks21/EDC plus」を採用したポイント
- 治験管理系業務を支援するシステム「DDworks21」との連携で治験業務のいっそうの効率化が可能
オンコセラピー・サイエンスが2008年に導入した、医薬品開発プロセスにおける治験の実施計画立案から終了手続きまで治験管理系業務全般をサポートするパッケージソフトウェア「DDworks21」と連携することを予定しており、従来のEDCとは一線を隔したモニタリング業務の効率化を実現します。
- EDCの導入実績が豊富であり、導入準備~運用、サポートまでトータルにサービスを提供
10年間蓄積してきたEDCシステムの導入からサポートまでの経験とノウハウを元に、医療機関様へのサポートを含めトータルなサービスを提供することが可能であり、初めてEDCを導入される製薬メーカー様に対し全面的なサポートが可能です。
- ユーザー会などを通してお客様製薬業界の要望を柔軟かつスピーディーに実現
年に1回実施するユーザー会により、新しい機能の説明やサービスの改良すべき点をお客様からヒアリングするなど、サービス提供後も万全のサポートを実施しています。
オンコセラピー・サイエンスは、今後、世界が注目するがんワクチンなどの開発において、本サービスを活用し、より迅速な新薬開発を推進していきます。
富士通は、1997年には「DDworks21」シリーズを発表し、一部の製品では現在国内業界の80%超のシェアをもっています。2011年1月からは、「DDworks21」シリーズの新ラインナップとしてEDC業務支援システム「DDworks21/EDC plus」の販売を開始し、今後さらなる医薬品開発現場のお客様に期間短縮、業務の効率化ご支援する安全かつ高品質サービスを提供してまいります。
なお、本サービスは富士通四国システムズ(本社:香川県高松市、代表取締役社長:小原 不二夫)が開発をしており、富士通および富士通システムソリューションズ(本社:東京都文京区、代表取締役社長:杉本 隆治)がオンコセラピー・サイエンスへの導入作業を実施しております。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 治験:
- 医薬品の製造販売に関して、薬事法上の承認を得るために行われる、人を対象とした試験。
- 注2 EDC:
- Electronic Data Capture(電子的臨床検査情報収集)の略称。治験プロセスにおいて、紙をベースにしていた症例報告書の記入・確認作業をコンピュータシステムに置き換えたもの。
- 注3 DDworks21/EDC plus:
- ディー・ディー・ワークス21/イー・ディー・シー・プラス。
- 注4 CRF:
- Case Report Formの略称。症例報告書といい、各症例について製薬会社に報告するための記録様式のこと。
関連リンク
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