PRESS RELEASE

TRVAと富士通、ペット医療の分野で実証実験を開始

富士通のクラウドサービスを活用し、ペットの診療情報を地域で共有・活用

近年のペットブームを背景にペットを飼う人々が増え、ペットの「家族化」が進むなか、病気や感染症、ケガなどを予防・治療するペット医療の質の向上を求める飼主の声は急激に高まっています。具体的には、夜間の救急診療、高度な医療設備を必要とする二次診療への対応、地域内の医療連携、診療の透明性などが求められています。これを受け、動物病院でも地域で連携した対応や、インフォームド・コンセントの一環としての飼主への速やかな情報公開など、飼主がより満足できる「どうぶつ医療」の実現に向けた取り組みを進めています。

このような状況のなか、TRVAと富士通は、ペットの診療情報を地域で共有・活用する実証実験を開始します。これにより、地域内の動物病院とTRVAの連携による昼間診療・夜間診療・二次診療を連携させた仮想的な総合病院の実現を図ります。

実証実験の概要

TRVAは、2011年2月に開設した「TRVA 夜間救急動物医療センター・動物2次診療センター」において得られるペットの検査結果や診療記録、処置記録などの診療情報を、富士通が提供するクラウドサービスを用いて入力・管理・活用することにより、以下の内容を実現する予定です。

1. 診療、医療事務の効率化・迅速化、および獣医師のコア業務への集中
2. 飼主とかかりつけ病院との診療情報の迅速な共有、および総合的な飼主支援
3. 診療情報の電子化による利便性向上
4. 飼主への診療情報の開示による診療の透明性の確保
5. 診療情報の分析による獣医師の医療技術の向上

富士通は、診療情報の地域での共有・活用を支える、以下の特長を持つクラウドサービスを提供し、TRVAの社会貢献・地域貢献を支援していきます。

1. どうぶつ診療支援サービス（診療情報を入力・管理・共有を可能とするSaaSの提供）
   • 診療の流れに沿って情報が入力しやすい操作性
   • 明細書・報告書の自動作成
   • 診療情報や飼主来院情報などを地域内でセキュアに共有
   • 診療情報を飼主へセキュアに開示
2. セキュア情報共有基盤サービス（診療情報を関係者間でセキュアに共有するためのPaaSの提供）
   • 情報の所有者の意向に応じて、情報を必要とする人のみに開示
   • 秘密情報や個人情報を必要に応じて秘匿化・匿名化
   • 診療情報の集計・分析により、動物病院が必要とする「疾病分析」、「予防分析」、「流行症状分析」、「医療ノウハウ」などの統計情報を提供
   • オープンな国際標準の連携インターフェースにより、富士通以外の製品や他ベンダーとの連携も可能
3. クラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」（ICTインフラをネットワーク経由で利用できるIaaSの提供）
   • 富士通のデータセンターにあるサーバやストレージなどのICTインフラをネットワーク経由で提供
   • 短期間での利用開始やシステムの自由な拡張・変更が可能であり、需要予測が困難な新事業に最適
   • 堅牢なファシリティと万全なセキュリティ対策を施した高い信頼性で情報を安全に保持

TRVAと富士通は今後、本実証実験の効果を見極めながら、協力して、飼主を含めた地域を幸せにする社会貢献を進めていきます。

一般社団法人 東京城南 地域獣医療推進協会（TRVA）の取り組みについて

2011年2月に城南地区で開業する東京都獣医師会会員の有志が中心となり、一般社団法人 東京城南 地域獣医療推進協会（TRVA）を設立、これを母体に「TRVA 夜間救急動物医療センター・動物2次診療センター」を世田谷区深沢に開設しました。「TRVA 夜間救急動物医療センター」は、当直医による夜間緊急症例への対応を行い、診療記録とともに主治医にお戻しする体制を取っています。かかりつけ動物病院と連携した診療活動により、飼主とそのペットがいつも安心して暮らせるよう、24時間365日サポートしています。

富士通のクラウドサービスについて

富士通はクラウドサービスの中核として、2010年10月より「オンデマンド仮想システムサービス」を提供しています。これはサーバやストレージなどのICTインフラを、当社のデータセンターからネットワーク経由で利用できるようにするもので、お客様はICTシステムを自前で構築することなく、利用用途に合わせ、オンデマンドで利用できます。富士通は本サービスの提供を通じて、社会が抱えるさまざまな問題をICT活用によって解決し、人々が豊かで安心して快適・便利に暮らせる社会「ヒューマン・セントリックなインテリジェント・ソサエティ」の実現を目指しています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

注1 どうぶつ医療：

近年、伴侶動物（ペット）は我々人間社会にとってより身近な存在となったことに伴い、飼主にとってペットは飼育対象としての「動物」とは異なる、家族としての「どうぶつ」へとその在り方が変化しつつあります。これらの背景にもとづき、TRVAと富士通は、ペットの医療を、従来の単なる医療対象としての動物ではない、人間と関わり合いの深い新しい存在への医療として捉え、「どうぶつ医療」と表現しています。

関連リンク

• 一般社団法人 東京城南 地域獣医療推進協会（TRVA）
• 富士通株式会社
• 富士通のクラウド・コンピューティング
• 富士通のクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」

本件に関するお問い合わせ

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