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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2011年3月29日
富士通株式会社

計算科学振興財団様
産業界へのスーパーコンピュータ使用普及のため「FOCUSスパコン」を導入

ブレードサーバ「PRIMERGY」によるPCクラスタ型で構築、4月1日に稼働

当社は、このほど、計算科学振興財団〔所在地:兵庫県神戸市、理事長:秋山喜久、以下、FOCUS(フォーカス)〕様の新スーパーコンピュータシステム「FOCUSスパコン」の構築を完了しました。

本システムは、ブレードサーバ「PRIMERGY(プライマジー) BX922 S2」208ノードによる、理論ピーク性能22テラフロップス(注1)のPCクラスタ型スーパーコンピュータを中核としたもので、4月1日より稼働予定です。

FOCUS様では、今後本システムを活用し、産業界におけるシミュレーション技術の高度化支援や産学連携研究の推進、実践的な企業技術者の人材育成などの事業を行っていきます。

導入の背景

近年、コンピュータシミュレーションは、理論、実験と並ぶ第三の手法として、その重要性が増しており、日本において、企業の製品開発の効率化や産業の国際競争力向上には不可欠なものとなっています。しかし、スーパーコンピュータによる大規模なシミュレーションの可能性を十分に活用している企業は少なく、普及に向けた支援は課題のひとつとなっていました。

このような中、FOCUS様は、次世代スーパーコンピュータ「京」(注2)の活用を図り、計算科学分野の振興と産業経済の発展に貢献することを目的として、兵庫県、神戸市、神戸商工会議所の出資の元、2008年1月に発足しました。


【「FOCUSスパコン」】

「FOCUSスパコン」システムは、神戸市ポートアイランドの次世代スーパーコンピュータ施設(注3)に隣接のFOCUS様が運営する「高度計算科学研究支援センター(以下、支援センター)」に設置され、2011年4月より稼働を開始します。FOCUS様ではシミュレーション技術の普及による産業界の活性化を目指し、今後本システムを使用し、大規模なシミュレーションを行う場合に必要となる高並列・高並行計算のトライアルをはじめ、研究開発力の強化や製造プロセスの効率化・コストダウンにつながるさまざまなスーパーコンピュータの活用を支援するほか、大学と連携した実践的な企業技術者の人材育成などの事業を行います。

「FOCUSスパコン」について


【「FOCUSスパコン」が設置される高度計算科学研究支援センター(1階~2階部分)】

本システムは、ブレードサーバ「PRIMERGY BX922 S2」208ノードにより構成されるPCクラスタシステムを中核としています。ノードには消費電力あたりの性能に優れた「インテル® Xeon®プロセッサーL5640(2.26GHz)」を2CPU、システム全体で416CPU搭載し、理論ピーク性能は22テラフロップスです。ノード間は高速インターコネクトである「InfiniBand™(インフィニバンド)QDR」(注4)で接続され、高性能な並列計算環境を実現しています。

このほか、本システムには、データ処理サーバとして大容量メモリを搭載した「PRIMERGY RX600 S5」、当社が開発するSPARCアーキテクチャーのCPUを搭載した「SPARC Enterprise(スパークエンタープライズ)M3000」、シミュレーションデータの保存やシステムのバックアップ用として「ETERNUS(エターナス) DX80」により構成される1PB(ペタバイト)のストレージ、利用講習用などのPCとして「ESPRIMO(エスプリモ) K551/B」33台などをあわせて導入しています。

FOCUS様では、本システム上に、産業分野で頻繁に利用されている流体解析、構造解析、機構解析、計算化学などの解析アプリケーションソフトウェアや、可視化などのツール類を導入し、同分野でのコンピュータシミュレーション普及に活用されます。

今後の展望について

FOCUS様は、支援センターを中核に、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)(注5)技術の産業利用拠点を形成し、次世代スーパーコンピュータから生まれる最先端の研究成果を産業界へ普及させるとともに、本システムをはじめ、実習室や貸研究室も備えた支援センターの機能を活用し、HPC技術導入による産業界の競争力強化への貢献を今後目指していきます。また、HPC用アプリケーションソフトウェアの開発や利用サービス提供にかかるインキュベーション的役割についても試行していきます。

当社は、PCクラスタからハイエンドのスーパーコンピュータまで、幅広い製品ラインナップ、強力なサービス体制、および30年以上にわたるHPCサポートで蓄積したノウハウを通じて、お客様の研究開発・解析業務をトータルでサポートしてまいります。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 テラフロップス:
1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数点演算速度です。
注2 「京」:
2010年7月に理化学研究所様が発表した「次世代スーパーコンピュータ」の愛称です。
注3 次世代スーパーコンピュータ施設:
理化学研究所様が設立した施設。
注4 InfiniBand QDR:
ネットワーク技術のひとつです。
注5 HPC:
「High Performance Computing」の略で、膨大な科学技術計算を超高速に処理することを指します。たとえば、地球全体の気象解析や自動車が衝突した時の変形解析に適用されます。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

関西支社 文教統括営業部
電話 075-252-9711(直通)


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