PRESS RELEASE
2011年2月28日
水素供給・利用技術研究組合
富士通株式会社
「水素ステーション集中管理システム」を構築
水素社会の実現に向け、将来のビジネスモデルの実証事業を開始
社会実証試験を通じて水素供給ビジネスの検証を行う水素供給・利用技術研究組合(所在地:東京都港区、理事長:吉田正寛、以下、HySUT(ハイサット))(注1)と富士通株式会社(本社:東京都港区、社長:山本正已、以下、富士通)は共同で、水素ステーションにおける水素の在庫状況や充填情報、水素ステーションの稼働情報、燃料電池車両走行情報などの実証データをトータルに管理する「水素ステーション集中管理システム」を構築しました。
HySUTは、東京都杉並区(東京・杉並水素ステーション)、東京都大田区(羽田水素ステーション)、千葉県成田市(成田水素ステーション)に水素ステーションを開設し、本システムでの運用を行っています。
高効率でCO2排出量の大幅な削減を実現する燃料電池自動車は、将来の低炭素社会構築に重要な役割を果たす次世代自動車として高い期待が寄せられていますが、その普及にあたっては、水素を供給する水素ステーションなどのインフラの整備が不可欠です。
HySUTは、水素社会構築の実現を目的とする経済産業省の「水素利用社会システム構築実証事業」の支援のもと、水素を使った燃料電池自動車のインフラ整備に向けて実証試験を行う「水素ハイウェイプロジェクト」を担っています。本プロジェクトでは、首都圏に3か所の水素ステーションを配置し、燃料電池バスや燃料電池自動車を高速道路で定期運行させるとともに、水素の安全かつ簡便な製造、輸送、貯蔵、利用について実証試験を行います。
「水素ステーション集中管理システム」は、水素供給インフラにおける情報システム基盤で、燃料電池自動車への充填、製造・調達・補充によりリアルタイムに増減する水素量を把握し、水素ステーションの稼働情報や燃料電池車両走行情報などの実証データをトータルに管理するものです。HySUTは、本システムの実証データをもとに、安定した水素供給のフローの確立と将来のビジネスモデルの検証を行います。
富士通は、エネルギー業界のサービスステーションをはじめとする豊富なICT導入の実績と業務ノウハウをもとに、水素ステーションに設置したPCとセンターシステムをリアルタイム連携させることで、複雑かつ変化し続ける水素量を集中的に管理するシステムを実現しました。
富士通は、サービスステーションのシステム構築ノウハウを活用することで、上記システムを短期間で構築、また、本システムに必要となるハードウェア・ソフトウェア・ネットワークサービス・運用保守までワンストップで提供しました。
HySUTは、「二酸化炭素の排出が少ない水素製造」、「効率的な水素の輸送・貯蔵」、「効率的な水素利用」を地域全体で実証し、将来のビジネスモデルとして水素供給ビジネスを成立させるための条件である、供給安定性、経済合理性、環境適合性などの検証を行い、2015年までに水素供給インフラの社会的受容性と事業成立性の課題を検証・解決し、水素供給事業の基盤確立に取り組んでいきます。富士通は、エネルギー業界のシステム構築運用で培ったノウハウと先進的なICT技術を活用し、HySUTの低炭素社会の実現に向けた事業に貢献していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 水素供給・利用技術研究組合(HySUT):
- 経済産業大臣の認可を得て2009年7月31日に設立。参加企業各社が保有する水素の供給・利用に関する技術やノウハウを結集し、自動車メーカーとも連携を図り、燃料電池自動車・水素供給インフラ普及を目的に、水素供給ビジネスの事業化に向けた供給安定性、経済合理性、環境適合性などの社会実証試験を実行する。
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。