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PRESS RELEASE

2010年5月26日
富士通株式会社

世界初!超高精細映像を実現する

スーパーハイビジョン映像伝送システム用コーデック装置を開発

日本放送協会 放送技術研究所様にH.264符号化方式の研究開発用装置を納入

当社は、ハイビジョンの16倍の解像度を持つ、超高精細なスーパーハイビジョン(解像度7680かける4320、以下、SHV(注1))の映像伝送システム用コーデック装置を開発し、このたび日本放送協会 放送技術研究所(所在地:東京都世田谷区、所長:久保田 啓一、以下、NHK技研)様に納入しました。NHK技研様は、将来のSHV放送の実用化を目指し、システム全体の小型化、高画質化、安定伝送に向け、研究開発をさらに強化される予定です。

本装置は、放送網やIP回線を使用して効率的に伝送するために、世界で初めて、毎秒60フレームからなるSHVの大容量映像データを効率的に圧縮するH.264(注2)符号化方式のコーデック装置です。従来装置と比べ、圧縮効率は2倍となり、フレーム間予測処理の効率化などにより、システム全体の画質向上が実現されました。また、圧縮効率の向上により、低帯域での伝送が可能となるため、回線コストの削減にもつながり、SHV映像伝送の実用化に向けて大きく前進することができました。

なお、本装置が用いられたSHV映像伝送システムは、2010年5月27日(木曜日)~30日(日曜日)に開催の「技研公開2010(主催:NHK技研様)」の「スーパーハイビジョン高効率映像符号化装置」コーナーで展示される予定です。

2011年7月、現行の地上アナログ放送がデジタル放送に完全移行されます。これに伴い、放送画質も現行のスタンダード画質からハイビジョン画質へ高画質化が本格化します。

世界の放送業界を牽引されているNHK技研様は、将来の実用化を目標に、1995年よりSHVの映像処理技術およびシステムの研究開発に取り組まれています。2002年9月からは、株式会社富士通研究所(代表取締役社長:富田 達夫、以下、富士通研究所)と映像処理技術に関する共同研究を開始し、実用化に向けた性能改善、処理負荷低減などの共同研究を推進しています。

今回、NHK技研様に納入した最新装置は、世界で初めて、高画素デジタル映像信号形式の1080p(注3)に対応したH.264コーデック装置となります。従来の1080i(注4)対応装置「IP-9500」(注5)と比べ、SHV信号を時間方向に2分割する処理が不要であるため圧縮効率が2倍となりました。また、これまでSHV映像を扱うためには16台のコーデック装置が必要でしたが、最新装置では半分の8台で実現することができ、システムの小型化に貢献しています。


スーパーハイビジョンシステム

当社は、2006年11月より高効率映像符号化方式H.264を採用したハイビジョン映像伝送装置「IP-9500」をグローバルに提供しており、スポーツ中継などの放送分野で実績があります。2007年2月には、SHV用コーデック装置として「IP-9500」をNHK技研様に採用いただき、富士通研究所と連携し、画質向上への取り組みを行っています。

今回納入の装置は、放送業界の高画質化ニーズを見据えて開発した装置であり、放送業界、通信事業者、海外のお客様なども含めた拡販を展開していく予定です。

当社は今後、世界的なスポーツイベントのパブリックビューイングへの適用などを視野に、さらなる画質向上、効率的な同期伝送方式などの開発を富士通研究所と連携し、NHK技研様と推進していく予定です。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 SHV:
Super Hi-Vision。NHKで研究開発中の次世代テレビ向けフォーマットで、7680かける4320画素の解像度(現行のフルハイビジョンの16倍)を持つ超高精細映像。
  注2 H.264:
映像符号化方式の一つで、MPEG-2などの従来方式に比べて圧縮効率の高さが特長。ITU-T(国際電気通信連合・電気通信標準化部門)とISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)が共同で策定した、最新の映像圧縮の国際標準規格。従来方式であるMPEG-2などの2倍以上の圧縮効率を実現すると言われており、携帯電話用途などの低ビットレートから、ハイビジョンクラスの高ビットレートに至るまで幅広く利用されることを想定している。
  注3 1080p:
デジタル方式の映像信号形式の一つで、有効走査線1080本(総走査線1125本)、フレーム周波数59.94Hzの順次走査(プログレッシブスキャン)方式の映像のこと。画素数は1920かける1080のアスペクト比16対9となっている。
  注4 1080i:
デジタル方式の映像信号形式の一つで、有効走査線1080本(総走査線1125本)、フレーム周波数29.97Hzの飛び越し走査(インターレーススキャン)方式を採用した装置。画素数は1920かける1080のアスペクト比16対9となっている。HDTV(ハイビジョン)の映像形式の一種。
  注5 IP-9500:
2006年11月より販売開始している、高効率映像符号化技術H.264を使用したHD画質の映像をリアルタイムに伝送できる装置。IPでの出力の他に、オプションボード搭載によりDVB-ASI、DVB-S/S2での出力が可能。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
サービスビジネス本部 安心安全ビジネス推進室
電話: 03-6424-6204(直通)


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