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PRESS RELEASE (環境)

2010年3月29日
株式会社富士通研究所
富士通株式会社

研究開発段階からCO2削減可能性を評価する取組みを開始

株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注1)は、研究開発中のすべての先端技術において、その技術が搭載される製品・サービスの使用段階のCO2排出量の削減効果を定量的に評価する取組みを2010年4月より開始します。

本取組みで、より環境貢献度の高い先端技術の開発が可能となり、富士通株式会社(以下、富士通)はこれらの技術が適用された製品・サービスを通じ、お客様や社会全体の環境負荷低減に貢献します。

富士通では、環境配慮型製品であるスーパーグリーン製品(注2)や、お客さまの環境負荷低減に貢献する環境貢献ソリューション(注3)を開発し提供してきました。

今後2020年に向けて、富士通グループが中期環境ビジョン「Green Policy 2020」で掲げた目標(注4)を達成するには、より環境負荷低減効果が大きい革新的な先端技術を開発していくことが重要です。

富士通研究所では、これまでも環境技術の研究開発に取り組んできました。今後すべての先端技術を対象に、環境貢献度評価ツールを適用することにより研究者が自身の担当する先端技術ごとの環境貢献度(その技術が搭載される製品・サービスの使用段階のCO2排出量の削減の可能性)を評価することを可能にします。これにより環境視点での技術の注力ポイントが明確化でき、これまで性能の中の1項目としていた環境をよりクローズアップし、性能/機能・品質、コストといった技術の評価軸に新たに環境を加え、3軸の最適化を図った先端技術の研究開発が可能となります(図1)。これらの活動により、環境貢献度の高い先端技術の研究開発を加速させていきます。


図1. 研究開発段階から技術の環境貢献度を評価

環境貢献度評価ツールの概要

開発技術を搭載する製品やサービスの、搭載前後の消費電力や工数などの削減量、また、その製品・サービスの使用状態(規模や使用時間)などの見積データを入力し、入力項目に対応したCO2原単位を乗ずることで、その技術のCO2排出量の削減効果を定量的に算出することができます(図2)。

また、その算出に当たっては、技術が搭載される製品・サービスの事業化計画との関連を明確にしたロードマップを活用することで、その技術を搭載した製品・サービスがお客さまにどのように使用されるかの想定を可能とし、定量評価に必要なデータを明確化しています。


図2. 環境貢献度評価ツールの画面

具体的な評価事例

電源装置向けの窒化ガリウムHEMT(注5)の研究開発において、本評価ツールを用いた定量評価を実施しました。この技術を日本の全データセンターのサーバの電源に適用した場合を想定して評価した結果、ファシリティへの相乗効果も含めると、総消費電力を12%(CO2を33万トン)削減する可能性があると試算できました。このように、環境視点での評価を実施することで、単に、デバイスの効率化(電源損失を3分の1にできる)だけでなく、サーバの省エネ(8%)効果や、さらにはサーバ電源部の発熱抑制に伴う空調の省エネ(4%)の相乗効果も含めて、総合的に評価(トータルの省エネ12%)することができます。

今後

以上の取り組みにより、技術の環境貢献度をよりいっそう高めていきます。さらに、関連する個々の技術を搭載した製品・サービスや、また、それらの運用管理も含めたシステムなど、より広い領域で各技術の環境貢献度の最適設計を推進します。

たとえばデータセンターにおいては、このような最適設計により、2012年度末までにエネルギー効率を2倍以上にする先端技術の開発を目指します。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
  注2 スーパーグリーン製品:
富士通グループの「グリーン製品」であることを前提条件とし、「省エネルギー」「3R設計・技術」などの環境要素のいずれかにおいて、環境要素がトップグループレベルにあり、市場製品または自社製品との比較において優れていると自社が認定するもの。
  注3 環境貢献ソリューション:
富士通研究所が開発した環境影響評価手法を用いて評価し、導入により環境負荷低減効果が15%以上となるソリューション。
  注4 「Green Policy 2020」の目標:
お客様と社会全体への貢献(2020年に国内で年間約3,000万トンのCO2排出量の削減に貢献)。2008年7月23日発表。
  注5 電源装置向けの窒化ガリウムHEMT:
電源装置の電力損失を低減できる新構造の窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT) 。IT機器や家電など電子機器の低消費電力化を実現。
「世界初! 電源装置向け窒化ガリウムHEMTを開発」(2009年6月24日発表プレスリリース)

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

[技術に関するお問い合わせ]
株式会社富士通研究所
基盤技術研究所 環境技術研究部
電話: 046-250-8361(直通)
E-mail: pr-env@ml.labs.fujitsu.com

[環境全般に関するお問い合わせ]
富士通株式会社
環境本部
電話: 044-754-3413(直通)
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