別紙1:「非機能要求グレード」について
非機能要求グレードについて
非機能要求グレードは「システム基盤の非機能要求に関するグレード表(以下、グレード表)」「システム基盤の非機能要求に関する項目一覧(以下、非機能要求項目一覧)」「システム基盤の非機能要求に関する樹系図(以下、樹系図)」の3つのツールと、「利用ガイド」から構成されます。
非機能要求グレードのツール群について
- 「グレード表」
「グレード表」は、非機能要求の中でも特に重要な項目に関する要求レベルについて早期に検討できるようにするためのツールです。「グレード表」は世の中のシステムを信頼性の重要度の観点から3つに分類したモデルシステム(図1)と、各々のモデルシステムで求められる要求レベルの参考値を用意しています。利用者はモデルシステムを選択することで、そのモデルシステムの要求レベルの設定例と選択時の条件を得ることができ、その値から個別の要求を調整することで重要な非機能要求を確認できます。
図1 モデルシステムのイメージ例えば、図2のように「グレード表」の各項目明細において「社会的影響が限定されるシステム」において大規模災害が発生した場合には一週間以内にシステムを復旧することを目指すことを例示していますが、業務停止の影響が大きい場合には3日以内の復旧を目指すなどのより高い復旧目標を設定するように、レベル3からレベル4へ増加([+])させるような調整が必要となります。この調整に際しての考慮すべきポイントを「グレード表」では記述しています。
図2 「グレード表」のイメージ以上のように構成したことで、モデルシステムからグレード表の項目へと段階的に詳細化が可能になり、システム開発の早い段階から、非機能要求について共通認識を得ることができます。
- 「非機能要求項目一覧」
「非機能要求項目一覧」は、グレード表で挙げた項目以外に要件定義時までに確認が必要なシステム基盤に関する非機能要求項目について要求レベルを確認するためのツールです。利用者は各項目の要求レベルを選択することで、詳細な非機能要求まで確認することができます。「非機能要求項目一覧」では、要件定義の終了時点までに確認すべき標準的な非機能要求の項目を網羅的に一覧化し、項目ごとに利用シーンや利用目的に応じた実現の難易度を2~6段階で「レベル」として定義することで、要求の高低を選択できるようにしました。6分類236項目の非機能要求項目の全てにレベルを設定しています。
図3 「非機能要求項目一覧」のイメージ例えば、システムの運用スケジュールに関しては図3のように0~5の6段階でレベルを設けています。それぞれの非機能要求項目について発注者の要求がどのレベルに最も近いか確認することで、要求の確認漏れや誤解を少なくすることができます。
- 「樹系図」
「樹系図」は「グレード表」や「非機能要求項目一覧」にある非機能要求項目を一覧化するためのツールです。システム開発の要件定義までの過程において受発注者が確認すべき要求項目の順序をツリー状に示すことで、他のツールと併用して非機能要求を確認する作業の効率化ができます。
図4 樹系図のイメージ
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