PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)
2010年1月20日
富士通株式会社
従来比10倍の処理性能を実現した高信頼データベースの最新版
「Symfoware Server V10」販売開始
クラウドコンピューティングの時代に向け、製品連携・標準化を強化
当社は、高い可用性と拡張性を備えた、高性能・高信頼データベースの最新版、「Symfoware Server(シンフォウェア サーバ) V10」を本日より販売開始します。
「Symfoware Server」は、メインフレームから、UNIXサーバ、PCサーバまで、各種プラットフォームをサポートする、当社の主力リレーショナルデータベース管理ソフトウェア(RDBMS)製品です。企業向けデータベースとして、多くのミッションクリティカルシステムに採用され、これまでに国内累計10万システムに導入されています。2010年1月4日より稼働を始めた東京証券取引所様の新システム「arrowhead」(注1)にも採用されています。
最新バージョン「Symfoware Server V10」は、処理性能を従来の約10倍(注2)に高めたほか、XMLデータをより柔軟に活用する機能や、最新規格の業界標準アプリケーションインターフェース(API)の実装により、他システムとの連携機能を強化し、標準化を進めたオープンなデータベースです。システムの構築・運用時における開発工数やメンテナンス工数を低減し、クラウドコンピューティング基盤に適した、より運用性、柔軟性の高いデータベースシステムを構築します。
[関連リンク]「データベース Symfoware」紹介サイト
「Symfoware Server」は、40年にわたる知識とノウハウを結集して開発してきた企業向けデータベースです。メインフレームからPCサーバまでのプラットフォームをサポートし、高い信頼性のもと、大規模な社会システムを中心としたミッションクリティカルシステムで多くの導入実績があります。データベースとしての高信頼性とデータ量の増加へ柔軟に対応できる高いスケーラビリティを兼ね備え、東京証券取引所様の「arrowhead」に求められた信頼性、拡張性の実現を支えるデータベースです。
このたび提供する「Symfoware Server V10」は、システムの規模拡大や構成の複雑化に伴い求められるデータ処理を高速化するため、当社独自のテクノロジー“ダイレクト接続機能(通信の高速化)”“マルチバージョニング機能(アプリの同時走行による高速化)”により、処理性能を従来版の約10倍に向上させています。また、XMLデータを形式変換せずに格納できる機能を強化することで、柔軟にデータベースの変更が可能です。さらに、業界標準のAPI(JDBC、.NET Framework、XQuery(注3))を最新版へ強化し、連携パッケージ数を現在の約100製品から今後2年間で約300製品に拡大していきます。パートナー各社と協力して、相互接続性を検証、情報公開し、大量データの活用や効率的な利用など、運用性や利便性を向上させていきます。お客様は、柔軟に変化に対応し実運用に即したデータベースシステムを、短期間かつ低コストで構築することができます。
「Symfoware Server」は、今後もビジネスの継続性を追求し、お客様資産の継承を重点に機能強化を図ってまいります。
「Symfoware Server V10」の主な特長
- 業務継続を実現する高性能・高信頼
- 以下の当社独自テクノロジーにより、「Symfoware Server V9」に比べ、最大10倍のスループットを向上させ、処理性能を高めました。
- ダイレクト接続機能:複数のアプリケーションサーバとデータベースとの接続やアクセスをプロセスサーバ経由ではなく、アプリケーションサーバから直接、指定のデータベースへ接続することによりアクセス性能を向上します。また、接続状況を常時監視することで、データベースの変更(縮退運転)に対しても、接続を維持したまま、接続先データベースを変更します。
- マルチバージョニング機能:同一レコードへの参照要求と更新要求が競合した場合、従来は、トランザクションの待ち制御により、データベースの一貫性を保証していましたが、対象レコードをバージョン管理することで、参照要求には直近のコミット済データを参照させ、更新要求には更新させます。同時走行により、処理効率を向上させます。
- システム稼働中にサーバ追加を可能にする動的スケーラビリティが可能なロードシェア運用機能を強化しました。また、コールドスタンバイやホットスタンバイ方式によるシステムの冗長化や、遠隔地へデータをバックアップする災害対策など、システムの業務継続を実現する高信頼を追及しています。
- 以下の当社独自テクノロジーにより、「Symfoware Server V9」に比べ、最大10倍のスループットを向上させ、処理性能を高めました。
- XMLデータを利用し柔軟性の高いデータベースシステムを構築可能
自由度が高く、形式の異なるデータの統合が可能なXMLデータを扱えることで、変化に合わせて柔軟に変更できるデータベースシステムを構築できます。本機能は先行提供として、当社が昨年11月より提供しているXML大福帳「Interstage XML Business Activity Recorder」のコア・エンジンにも採用されています。
- 既存のリレーショナルデータベースに新たに追加するカスタマイズ項目を、XMLデータで形式変換せず格納することで、従来必要だったデータベースの変更作業が不要となります。
- 利用者は従来のリレーショナルデータベースと同様の操作で活用できます。インターフェースとしてはXML標準のXQueryを採用しています。
- 検索はパターンマッチング方式(注4)を採用し、インデックスを作成せずに、大量のデータを高速に検索します。
- アプリケーションやツール開発における容易で効率的なシステム構築
JDBCや.NET Frameworkなどの標準言語インターフェースの最新規格に対応しており、システム構築の際に、APIを柔軟に選択することができます。また、パートナー各社の優れたミドルウェアとの連携強化により、迅速に最適なシステムを構築することができます。
クラウドコンピューティングでは、企業内システムとパブリッククラウドとのデータ連携が求められていくと考えています。このために提供されてくるさまざまなツールとの連携がより容易になると同時に、ツールとの連携検証にも力をいれてまいります。
プロダクト・パートナー様各社のエンドースメント(掲載順序は社名五十音順)
株式会社インサイトテクノロジ― 代表取締役社長 石井 洋一様
株式会社インサイトテクノロジーは、「Symfoware Server V10」の発表を心より歓迎いたします。高信頼データベースの最も重要な要件のひとつはセキュリティです。この要件を満たすソリューション開発のために、「Symfoware Server」と弊社製品 「PISO」との連携部分を相互に開発しました。これにより、データベースアクセスログの取得が可能となり、アクセスを可視化することで、お客様の大切な資産であるデータのセキュリティ向上を、短期間で実現するソリューションとなっています。
この度のバージョンアップにより、情報セキュリティニーズがさらに高まることが予想される近年の状況においても、お客様が安心して使用できるデータベース環境を提供することができると期待しています。
インフォマティカ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 内田 雅彦様
インフォマティカは、このたびの「Symfoware Server V10」のリリースを歓迎いたします。富士通様の「Symfoware Server V10」とインフォマティカのデータ統合基盤「PowerCenter」との組み合わせは、あらゆるデータサイロと「Symfoware」とのシームレスなデータ連携・データ統合を実現し、より高い価値をお客様に提供できると確信しております 。インフォマティカは今後も、富士通様とより緊密に協力し、企業の多様なデータ統合ニーズに応えるソリューションを提供してまいります。
株式会社データ・アプリケーション 取締役 執行役員CTO 武田 好修様
データ・アプリケーションは、このたびの「Symfoware Server V10」のリリースを歓迎いたします。柔軟なデータ構造を持つXMLへの対応や中小規模システムへの対応は、高信頼DBである「Symfoware」の普及を促進し、お客様の選択肢が広まるという意味でEDI製品である「ACMS」の拡販にも寄与いただけるものと確信しております。
弊社のEDI製品「ACMSシリーズ」とトランスレータ「AnyTran」は、次期バージョンで「Symfoware Server V10」に対応します。弊社は今後も、幅広いデータベースに対応し、顧客ニーズにあった製品を提供してまいります。
株式会社ニューシステムテクノロジー 取締役技術部長 林田 定一様
ニューシステムテクノロジーは、このたびの「Symfoware Server V10」のリリースを歓迎いたします。弊社は、富士通様との緊密な連携・協力により、データベースアクセスをネットワーク上ですべて取得し、記録、検知する「Chakra」をお客様に提供しております。
「Chakra」と富士通様の「Symfoware Server V10」との組み合わせによって、高信頼で大規模なシステムにおいても、確実な監査記録と高いセキュリティのソリューションを提供することでお客様に安心と安全を提供できるものと確信しております。
株式会社平和情報センター 事業本部プロダクトサービス部 部長 保田 明夫様
株式会社平和情報センターは、この度の富士通株式会社の「Symfoware Server V10」のリリースを歓迎いたします。「Symfoware」と弊社の組込型の検索エンジン「Text Navigator(テキストナビゲータ)」を連携することにより、大容量のテキスト型データの高速検索をはじめ、索引語通覧による検索ナビゲーションやドリルダウンによる絞り込み検索、多種多様な複数DBの仮想統合による一括検索などを、省資源かつ低コストで実現することができます。より先進性、堅牢性、可用性や柔軟性を追求した「Symfoware Server V10」により、さらに多くのお客様の情報活用ニーズにお応えしていくことができると確信いたします。
レッドハット株式会社 代表取締役社長 廣川 裕司様
レッドハットは富士通の「Symfoware Server V10」の販売開始を歓迎いたします。
オープンシステムの高信頼データベースとして大規模な社会システムを中心としたミッションクリティカルシステムで多くの導入実績を誇る「Symfoware Server」に、Red Hat Enterprise LinuxとJBoss Enterprise Middleware製品というオープンソースソリューションスタックが対応することで、品質はそのままに柔軟で低コストなソリューション展開が可能になります。
レッドハットはこれからも富士通と密に協業し、さらにお客様のビジネスにプラスになるソリューションを提供し、オープンソースソリューションのさらなる発展に貢献する所存です。
主な製品の販売価格、および出荷時期
製品名 | 販売価格 (税別) |
動作OS | 出荷時期 |
---|---|---|---|
Symfoware Server Standard Edition プロセッサライセンス V10 |
160万円 | Solaris 9/10 Red Hat Enterprise Linux AS 4/5 Microsoft® Windows Server® 2003/2008 |
2010年1月29日 より順次提供 |
Symfoware Server Enterprise Edition プロセッサライセンス V10 |
450万円 | ||
Symfoware Server Enterprise Extended Edition プロセッサライセンス V10 |
760万円 |
販売目標
国内において今後2年間で「Symfoware」全体で4,000プロセッサライセンスの販売を計画しています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 「arrowhead」:
- 東京証券取引所様の次世代株式売買システム「arrowhead」は2010年1月4日から稼動を開始。(プレスリリース)
- 注2 処理性能を従来の約10倍:
- 「Symfoware Server V9」に比べ、最大10倍のスループットを向上。当社の実測モデルでの検証結果に基づく値。
- 注3 XQuery:
- XML文書を検索・抽出するための関数型言語。標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)により規格策定。
- 注4 パターンマッチング方式:
- 条件式を単純比較できるかたちに変換することで、検索対象のデータの解析やインデックス定義がなくても、安定した性能で検索できるアルゴリズム。
関連リンク
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