PRESS RELEASE (技術)
2008-0181
2008年9月16日
株式会社富士通研究所
なお、今回の技術の詳細は、9月16日より明治大学 生田キャンパス(神奈川県川崎市)にて開催される電子情報通信学会主催のソサイエティ大会にて発表いたします。
ネットワーク技術が多様化し、固定電話、携帯電話、インターネットサービスなどのさまざまなネットワークサービスが広く利用されています。従来、これらはサービスごとに個別のシステムとして構築されているため、異なるシステムを連携させるようなサービス、例えば、固定電話サービスが管理する自分宛の録音メッセージをインターネット経由で確認するようなサービスの実現は困難でした。これを解決する考え方として、ネットワーク機能を共通基盤化することでシステム構造をシンプルにするSDPが注目されています。SDPにより、プログラムの開発量を低減し、システム開発の迅速化・効率化を図ることが期待されています。
近年、従来のネットワークサービスに加え、食の安全・安心を支えるサービスや、従業員の配置を見える化することによる経営効率改善、さらに、売り場での顧客の動線解析によるビジネス改善などを支援する新しいサービスが求められています。この実現には、温度センサーや画像センサーなどを搭載したさまざまなユビキタス機器から得られる人やモノのリアルタイムな現場情報を利用できることが必要となり、SDP技術の適用が期待されています。
上記のような新サービスを実現するためのアプリケーションの開発において、以下のような課題がありました(図1-A)。
上記課題を解決するため、以下のような3つの技術を組み合わせることで、現場情報を人やモノといった単位でアプリケーションから利用できるID情報の格納技術を世界で初めて開発しました。
なお、人やモノなどのサービス対象をここでは、ID(Identifier)と呼んでおり、このIDに関係付けられた各種の現場情報を含む属性情報全般をID情報(Identity)と呼んでいます。
「リアルタイムに変化する現場情報」や「比較的変化の少ない属性情報」を人やモノごとのIDの単位に統合して体系的に蓄積するID情報の統合化技術を開発しました。本技術を各アプリケーションで共通に利用することで、各アプリケーションに対応する加工・集約・蓄積処理プログラムなどを新たに開発する必要がなくなります。
また、センサーを搭載したユビキタス機器に接続するプロトコルや、センサー情報のデータ処理を共通基盤化することで、アプリケーション開発者は、プログラミングしやすいWebインターフェースで収集した現場情報を利用することができます。これにより、センサー個々の特性やネットワークの専門的な知識や技術を持たなくても、容易にアプリケーションを開発することができます。
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モノとモノとの関係情報に基づいて別のモノの情報を再利用できる関係管理技術を開発しました。これにより、例えばトラック積載時の荷物の位置管理において、荷物についているRFIDタグだけでなく、トラックのGPSから得られる位置情報を荷物の位置情報として再利用することが可能になります。
現場情報の変化を検出し、アプリケーションにリアルタイムに通知するエンジンを内包しました。これにより、アプリケーションが一定間隔で情報を問い合わせることが不要となり、システムの処理負荷を低減させることができます。
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今回開発したID情報の格納技術を用いることで、例えば、生鮮食品の温度や位置情報を利用したアプリケーションの開発において、開発者は温度センサーやRFIDリーダなどのデバイスやプロトコルに関する知識を持たなくてもアプリケーション開発が可能になりました。
本技術をSDPに適用することで、収集した情報(温度情報や位置情報)を活用した、流通業者向けの温度管理アプリケーションや、消費者向けの商品情報提供アプリケーション、生産者向けの出荷物管理アプリケーションなど、さまざまなアプリケーションを容易に開発することができます。
これにより、多様化する市場ニーズに合わせて、現場情報を活用した新サービスを迅速に提供することが可能になります。
今後、社内・社外での実証実験を通じて、本技術の機能検証と、多種多様なセンサーを使った場合の性能検証を行っていく予定です。
以上
株式会社富士通研究所
サービスプラットフォーム研究センター
電話 : 044-754-2667 (直通)
E-mail : idcontainer@ml.labs.fujitsu.com
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