PRESS RELEASE
2008年5月8日
株式会社音楽館
富士通株式会社
フルハイビジョン実写映像可変速再生技術を活用した
世界初の鉄道運転シミュレータシステム提供開始
～乗務員訓練システムをSaaSサービスとして提供～
富士通株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：黒川博昭、以下、富士通）は、株式会社音楽館（本社：東京都世田谷区、代表取締役社長：向谷実、以下、音楽館）の技術協力のもと、フルハイビジョン映像を活用した鉄道運転シミュレータシステムの提供を本日より開始します。
富士通は音楽館の技術協力を受け、実在する路線のフルハイビジョン走行映像を活用した可変速再生技術(注1)を、世界で初めて鉄道運転訓練素材に採用しました。訓練者の操作と正確に連動し、高画質を保ちながら可変速再生をおこない、従来製品にはないリアルな鉄道運転のシミュレーションを実現します。これにより、鉄道事業者のお客様はより実務に近い形で鉄道運転の訓練をおこなうことができ、運転士の技能の向上に貢献します。
なお、本システムは、富士通がデータセンターのインフラを利用したSaaS(注2)サービスとして提供してまいります。
従来、鉄道事業者においては、路線のCG映像を利用した運転シミュレータによる運転士の運転訓練をおこなっていました。しかし、実際の運転では運行路線の周辺の建物や看板などを目印に運転をおこなうことも多く、より現実に近い環境を実現した運転シミュレータが求められていました。
今回、上記の背景を踏まえ、富士通は音楽館の技術協力を受け、実在する路線のフルハイビジョン走行映像を活用した可変速再生技術を、世界で初めて鉄道運転訓練素材に採用し、鉄道運転シミュレータシステムとして提供開始します。本システムはSaaSサービスとして提供することにより、お客様は、自身のシステムで保存している運行路線データに変更があった際も、変更部分の新しい映像を受信して元データをアップデートできるほか、離れた拠点間でおこなわれた訓練の履歴や成績も一括して管理することが可能となります。富士通は、本システムの、鉄道事業者向けの訓練システムのほか、鉄道・交通関連の博物館や子ども向け施設など、エンターテインメント施設における体験用鉄道シミュレータとしての提供も検討しています。
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本製品の特長
- フルハイビジョン実写映像による可変速再生技術を採用
- 本システムでは、あらかじめ撮影した実路線実写走行映像を使用し、シミュレートする走行速度に関わらず、最大毎秒60フレーム、フルハイビジョン解像度の高品質の映像再生が可能です。低速・中速・高速までのさまざまな速度域に対応する高度な映像再生技術によって、ノッチ操作・ブレーキ操作など、訓練者の操作による加減速に正確に連動しつつ高画質を保ちながら可変速再生をおこないます。
- 実路線実写映像データには、勾配・位置情報などの各種パラメーターが埋め込まれ、車両性能のみならず、これらの勾配・曲線・走行抵抗（新幹線では空気抵抗）に至るまで、車両挙動に変化を与える諸要因を常に演算処理し、車両の挙動を正確にシミュレートします。
- 上記2点より、従来使われている擬似的なCGアニメーション映像と比較し、実務に近い鉄道運転訓練を実施することができ、訓練成果を向上させることが可能です。
- SaaSサービスにより、離れた拠点間においても統一品質のサービスを実現
- SaaSサービスとして提供するため、富士通のデータセンターと連携しながら変更のあった部分の路線映像のアップデート配信や、各訓練生の訓練履歴や成績情報を一元管理し、乗務員訓練センター、各車両基地、各運転区、CAI(注3)教室、運転士詰所などにおいて、場所と時間の制約なく訓練ができます。
< 前後左右に6つのスクリーンのある
実寸大モックアップ車両 > - ネットワーク経由で提供するため、従来のネットワークとつながっていない訓練システムでは困難であった、広範囲に存在する鉄道事業者各拠点における統一品質水準の乗務員訓練が可能となります。また、各訓練生の訓練履歴や訓練成績情報は、富士通の提供するeラーニングサービスとも連携予定で、乗務員訓練システムの一元管理が可能となります。
- 実寸大モックアップ車両を用いた、前後左右最大6つのスクリーンによる訓練システムにおいては、運転士と車掌が連携しながら、駅到着から出発までの安全確認・ドア開閉訓練を、実時間通りに模擬訓練することが可能です。
- SaaSサービスとして提供するため、富士通のデータセンターと連携しながら変更のあった部分の路線映像のアップデート配信や、各訓練生の訓練履歴や成績情報を一元管理し、乗務員訓練センター、各車両基地、各運転区、CAI(注3)教室、運転士詰所などにおいて、場所と時間の制約なく訓練ができます。
- 不測の事態における緊急時訓練にも対応
- 事故の発生や臨時列車の運行など、鉄道運行の業務上考えられるアクシデントやシナリオを設定し、不測の事態への対応を訓練することが可能です。
- 運転台の表示や信号機の色の変化、踏切での自動車の立ち往生、大地震による緊急停止命令や停電トラブルなどの事象を、実写映像とCGを使った高度な映像と、きめ細かい音声表現で実現します。
販売価格、および販売開始時期
| システム名称 | 販売価格（税別） | 販売開始時期 |
|---|---|---|
| 鉄道運転シミュレータシステム | 3,000万円から（個別見積り） | 即日 |
販売目標
今後3年間で100システム、50億円
推奨動作環境
下記スペックを満たすPCでの稼働を推奨しております。
| CPU | ： | インテル® Core™2 Duo プロセッサー（2.40GHz以上） |
| メモリ | ： | 2GB以上 |
| HDD | ： | データ領域100GB以上 |
| OS | ： | Windows Vista®またはWindows® XP |
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- 注1 可変速再生技術：
- 再生フレーム数を変化させずに、映像再生スピードを変化させる技術。
- 注2 SaaS：
- Software as a Serviceの略。ネットワークを利用して、アプリケーション機能をサービスとして提供する形態のこと。
- 注3 CAI：
- Computer Aided Instructionの略。コンピュータを活用した教育、またはそのシステムやソフトウェアのこと。
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
サービスビジネス本部 SMEアウトソーシング推進部
電話 ： 03-6424-6257 （直通）
お問い合わせフォーム
株式会社音楽館
TS制作部
電話 ： 03-5779-8311
E-mail ： eigyo@ongakukan.co.jp
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