PRESS RELEASE (技術)
2008-0027
2008年2月15日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~業界標準製品の10分の1に小型化~
今回開発した技術は、国立大学法人 九州大学、財団法人 福岡県産業・科学技術振興財団、財団法人 九州システム情報技術研究所と富士通株式会社が、2005年度より共同で進めている文部科学省科学技術試験研究委託事業「ペタスケール・システムインターコネクト技術の開発」 (代表 九州大学 村上和彰教授) の成果にもとづいており、2月18日に東京で開催される「PSIシンポジウム2008」で発表します。
次世代のペタフロップス級スーパーコンピュータシステムの実現には、数千~数十万規模の高速計算ノードを相互接続し、テラビット級のデータ伝送が必要になります。
従来の電気ケーブル接続技術でテラビット級のデータ伝送を実現しようとすると、計算ノードを構成する各「ボード」上に並ぶケーブルコネクターの総幅が、標準的なボードの幅(約40cm)を大きく超えてしまうというスペースの問題がありました。これを解決するために、光インターコネクト技術の導入が期待されています。
テラビット級のデータ伝送を標準サイズのボードで実現するためには、ケーブルコネクターの役割を果たす光リンクモジュールに対して、毎秒40ギガビット(以下、Gbps)(10Gbps×4チャネル集積)の伝送速度と幅10mm以下の小型化が求められます。さらに、ボードに占める光リンクモジュールの面積を小さくし、ボードとボードの積層間隔を狭くするためには、光リンクモジュールの幅だけではなく、長さや厚さを小さくすることも求められています。
しかし、従来の多チャンネル集積光リンクモジュールでは、光素子(注7)と送受信ICを同一平面上に配置していたため(図1[a])、あるいは、ミラーを介して光ファイバーと光素子を結合していたため(図1[b])、小型化が容易ではありませんでした。光リンクモジュールを小型化するためには、光ファイバーと光素子を「直接」光結合させること、および、光素子とICの電気配線を微小空間で90度に曲げる構成が有効と考えられます(図2)。
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今回、これらの課題を解決するために、光ファイバーと光素子の「直接」結合、および光素子とICを微小空間内部で接続する「屈曲電気配線」を実現する技術を開発しました(図3)。
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今回開発した技術を用いて、長さ9mm×幅8mm×高さ4mmの40Gbps(10Gbps×4チャネル集積)超小型光リンクモジュールを試作(図4)し、現在、業界標準品では最小となるSFP+モジュールに比べて10分の1以下のサイズに小型化できることを検証しました。
これにより、テラビット級のデータ伝送で必要とされる、ボード上への光リンクモジュールの高密度実装が可能になり、次世代スーパーコンピュータシステムの省スペース化への貢献が期待されます。
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次世代スーパーコンピュータシステムへの適用をめざし、低コスト化などの研究・開発を行います。
以上
株式会社富士通研究所
ネットワークシステム研究所 光モジュール研究部
電話: 046-250-8219(直通)
E-mail: xqa@ml.labs.fujitsu.com
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