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PRESS RELEASE (デバイス)

2007-0227
2007年11月5日
富士通株式会社

IDB-1394規格に準拠したLSIにマルチメディア機能を内蔵

~世界初!ナビ映像の伝送で本格的なリアシートエンターテインメントが実現可能に~

当社は、マルチメディア情報向け車載ネットワークの国際規格IDB-1394(注1)に準拠したコントローラーLSI「MB88388A」および「MB88389」の2製品を開発し、2007年12月1日よりサンプル出荷を開始します。

「MB88388A」は、DVD、デジタルTV、カーナビゲーションの映像を伝送するために、国際規格でIDB-1394の映像コーデック(圧縮・復元)として採用されている「SmartCODEC(スマートコーデック)」を搭載しています。「SmartCODEC」は株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所、(注2))により開発され、高精細な映像を遅延を感じさせず伝送することを可能にします。これにより、世界で初めて、カーナビゲーションの映像をIDB-1394上で利用することが可能になります。IDB-1394に準拠するオーディオ専用LSI「MB88389」とあわせ、高品質なリアシート(後部座席用)エンターテインメントを低コストで実現します。


図:IDB-1394の利用イメージ
拡大イメージ

IDB-1394は、自動車内で映像や音声などのマルチメディアデータを高速に伝送するための情報系ネットワーク規格です。現在、各自動車メーカーが、自動車の後部座席用ディスプレイでDVDやテレビの視聴およびカーナビゲーションの操作を行うリアシートエンターテインメントの実現に必要なネットワーク規格として注目しており、今後、本格的な普及が見込まれています。

当社は、今後需要の伸びが見込まれるリアシートエンターテインメント分野に向け、IDB-1394コントローラーLSIとして、カーナビゲーション映像およびビデオ転送向けの「MB88388A」、オーディオ転送向けの「MB88389」を富士通VLSI株式会社(注3)と共同で開発しました。

「MB88388A」は、富士通研究所が開発し、国際規格BT.601 Transport Over IEEE-1394(注4)で採用されている車載向け映像コーデック「SmartCODEC」の搭載により、DVD、デジタルTVなどの映像のほか、カーナビゲーションの高精細映像を遅延を感じさせず伝送できます。これにより、世界で初めて、カーナビゲーションの映像をIDB-1394上で利用することが可能になります。また、IDB-1394で多重化ネットワークを構成することで、複数の映像と音声のストリームや、機器を制御する信号を、一本のネットワークで同時に高速伝送でき、自動車の情報化の進展で肥大化するワイヤーハーネス(ケーブル)の本数と重量を削減できます。また、「MB88389」によってオーディオ系ネットワークを、より安価にIDB-1394ネットワークへ融合することができます。


当社は今後も、自動車内で増大するコンテンツおよび車周辺監視用のカメラ映像などの多重伝送や、さらなるシステムのコストダウンに対応するため、IDB-1394関連製品のラインナップの充実を図ります。


サンプル価格、およびサンプル出荷時期

製品名 サンプル価格(税込) サンプル出荷時期
MB88388A 2000円 2007年12月1日
MB88389 1500円 2007年12月1日

販売目標

MB88388A : 月間20万個、MB88389 : 月間10万個


新製品の特長

  1. 高品質な映像圧縮・復元を低遅延で実現(MB88388A)

    「SmartCODEC」の搭載により、映像情報を2~3ミリ秒の低遅延で3分の1サイズに圧縮復元でき、DVD、デジタルTVの映像のほか、MPEGコーデックでは不可能なカーナビゲーション映像の伝送も実現します。また、「SmartCODEC」内部のラインメモリだけでコーデック処理をおこなうため、外付けフレームバッファメモリは不要になります。

  2. IDB-1394対応の物理層・リンク層のワンチップ化で部品点数削減を実現(共通)

    IDB-1394規格に準拠した物理層(注5)、リンク層(注6)の機能を内蔵しており、400Mbps、200Mbps、100Mbpsの転送データ速度をサポートします。ワンチップ化によりシステムの部品点数を削減することが可能です。

  3. 著作権保護機能DTCPを搭載(共通)

    デジタルコンテンツの不正コピーなどを防止するため、著作権保護機能DTCP(注7)を搭載しています。同時に2つのストリームの暗号化と復号化ができます。

Microsoft Corporation, Automotive Business Unit ディレクター Mark Spain氏のコメント

Microsoft Corporation(マイクロソフト)は、富士通株式会社からIDB-1394に準拠する初の高集積型LSI製品が提供されることを歓迎します。マイクロソフトは、先進的な車載インフォテインメントシステムを実現するために開発したMicrosoft Auto platformにIDB-1394を活用する予定です。自動車のデジタル化が進むにつれ、車内でのソフトウェアやサービスが集約されていきます。マイクロソフトや富士通が提供するこれら技術がそのトレンドを可能にすることでしょう。


商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

添付資料

PDF 主な仕様 (92KB)

以上

注釈

  注1 IDB-1394(ITS Data Bus-1394):
1394 Trade Association のautomotive working group によって策定された高速マルチメディア・アプリケーション用の車載ネットワーク・プロトコル規格。
  注2 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野 和雄、本社 神奈川県川崎市。
  注3 富士通VLSI株式会社:
代表取締役社長 高橋 仁、本社 愛知県春日井市。
  注4 BT.601 Transport over IEEE-1394:
1394 Trade Associationで策定されたBT.601のビデオストリームをIDB-1394で流す時の転送プロトコル。BT.601は、デジタル映像のデータ形式で、色形式としてYUV、RGBなどがある。
  注5 物理層:
通信機能を7階層にわけた「OSI参照モデル」の第1層。ネットワークの基本的なハードウェア部分で、ビット列の伝送を行う。
  注6 リンク層:
「OSI参照モデル」の第2層。パケットの生成、転送の管理を行う。
  注7 DTCP(Digital Transmission Content Protection):
オーディオやビデオなどのコンテンツの不正コピー、不正な取り出し、不正な改ざんなどを防ぐ暗号プロトコル。

関連リンク

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本件に関するお問い合わせ

電子デバイス事業本部 自動車事業部 GDC商品部
電話: 044-754-2236(直通)
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