PRESS RELEASE (技術)
2007-0129
2007年6月22日
株式会社富士通研究所
~200度の高温で100年を超える世界一の長寿命を達成~
無線通信の高速化に伴い、携帯電話を始めとする無線基地局の消費電力は増大しています。窒化ガリウムHEMTは、低消費電力化を実現する技術として次世代高速通信用高出力増幅器への適用が期待されています。窒化ガリウムHEMTは、特に高出力・高耐圧素子として使用されるために、高温かつ高いドレイン電圧条件という、より過酷な使用条件を想定して高い信頼性(長寿命化)を確保する必要があります。
今回、長時間の信頼性試験を実施し、解析を行った結果、窒化ガリウムHEMTにおいてゲートの漏れ電流と信頼性の間に相関があることを見出しました(図1)。さらにこのゲートの漏れ電流増加の原因が結晶品質と窒化ガリウムHEMT構造に起因していることを突き止め、結晶品質の向上とともに、当社独自のn型窒化ガリウムを表面層に使用した表面トラップの少ない窒化ガリウムHEMT構造(図2)において電界緩和のために層構造の最適化を行いました。
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今回開発した素子を用いて300℃を超える高温ピンチオフ試験を実施した結果、チャネル温度200℃において100万時間を超える高い信頼性を有していることを確認しました(図3)。これは、100年を超える寿命に相当するもので、世界一の信頼性となります。
ピンチオフ試験は、チャネルが高抵抗となり、トランジスタのゲート電極のドレイン端に大きな電界がかかるため、信頼性試験上最も厳しい試験方法です。この試験方法で、かつドレイン電圧50Vという厳しい条件下でこれほどの寿命を示したのは世界で初めてです。これまでは28Vが最大でした。
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今後、今回の高信頼性技術を用いて次世代高速通信に向けた窒化ガリウムHEMTの開発を進めていきます。
以上
株式会社富士通研究所
基盤技術研究所 先端デバイス研究部
電話:046-250-8229(直通)
E-mail:gan-hemt@ml.labs.fujitsu.com
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