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PRESS RELEASE (技術)

2007-0077
2007年4月13日
株式会社富士通研究所

世界初、データベース情報からの業務プロセス可視化技術を開発

株式会社富士通研究所(注1)は、業務システムのデータベース内に蓄積されているデータから、IT化された業務プロセスの可視化技術を開発しました。本技術は、業務知識や業務ヒアリングなどは不要で、特定のパッケージやシステムに依存せず適用することができます。システム設計時には想定していなかった業務の流れや、非効率な部分などを実際のデータに基づき「見える化」することで、業務改善につながる気づきを得ることができます。

開発の背景

SOA(Service Oriented Architecture)の広がりや内部統制の法制化などにより、ITの活用により業務プロセスを最適化し、業務を正しく効率的に遂行することが求められています。しかし、ITシステムはますます巨大化・複雑化し、業務プロセスの実態を正しく見える化し、課題や問題を認識することは困難になっています。

従来技術の課題

図1 業務プロセス可視化技術の概要

業務システムにおいて、データベースの設計や情報の格納形式はさまざまで、データの量も膨大です。また多くの場合、業務全体は複数のシステムやデータベースにまたがっています。これまで特定のパッケージやワークフローシステムなどに対して、ログなどの情報を使い業務プロセスを自動的に見える化することは行われてきましたが、業務システム全体に対して適用することはできませんでした。

また、仕様書の情報や担当者へのヒアリングなどに基づく、人手による業務プロセス分析は広く行われていますが、業務知識をもった専門家が多くの時間をかけて行う必要があり、また分析者の主観も入りやすいという課題がありました。


開発した技術

今回、特定のパッケージやシステムに依存しないデータベースのデータや更新ログ情報から、いつ、何が処理されたかを示すイベント情報を抽出し、それらをつなぎ合わせることにより、IT化された業務プロセスの可視化技術を開発しました(特許出願済、図1)。核となる要素技術は以下の3つです。

  1. イベント抽出技術 :

    データベースの設計パターンの分析とデータの統計処理により、イベント情報を発見・抽出します

  2. プロセス生成技術 :

    複数のデータベースにまたがる大量のイベント情報を時系列順に連結し、業務プロセスを生成します

  3. プロセス分析技術 :

    さまざまな観点で、フロー図を表示します

効果

本技術をお客様や社内業務部門の10以上のシステムに適用し、それらのデータベースの情報から業務フロー図を作成することができました。図2は当社の購買業務に適用した例で、対象期間6ヶ月分のデータベースの情報を用いて、イベント数約100万件、プロセス数約10万件の業務プロセスの見える化に成功しました。客観的なデータに基づき、システム設計時には想定していなかった流れ(図3)や、業務の非効率部分など、業務改善につながる気づきを得ることができました。


図2 業務プロセスを見える化した例

図3 発見された想定外のルート

今後

本技術は、システムを再構築する際の現状分析、運用中のシステムの問題分析、内部統制のモニタリングなどへの応用が期待されます。2007年度中を目標にサービス商品化する予定です。


以上

注釈

  注1 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

[技術に関するお問い合わせ]
株式会社富士通研究所 ITコア研究所
電話: 044-754-2675(直通)
E-mail: bpme@ml.labs.fujitsu.com


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