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平成19年3月20日


会社名富士通株式会社
代表者名代表取締役社長黒川 博昭
(コード番号 6702 東証第1部)
問合せ先広報IR室長山田 悦朗
電話番号03-6252-2175

関係会社株式等評価損の計上に関するお知らせ

当社は、平成19年3月20日開催の取締役会において、平成19年3月期の単独決算に、海外子会社を中心として株式評価損を計上することを決議いたしましたのでお知らせいたします。

  1. 関係会社株式等評価損について

    英国子会社の富士通サービスについては好調な業績を維持していますが、株式保有に係る方針変更に伴い評価損を計上する見込みとなりました。また、通信システム事業では損益計画の未達成に伴い北米と英国の製造・販売子会社について評価損を計上する見込みです。そのほか、米州ではサーバビジネスでの利益計画の伸び悩み、流通システム事業での業績低迷に伴い、販売子会社の債務超過額に対する損失引当を行う見込みです。

    下期の関係会社株式等評価損の計上額は合計で、約3,500億円となる見込みです。



  2. 主な会社の状況

    (1) 富士通サービス

    1990年に前身のICL社を買収し子会社化した後は、ハードウェアのダウンサイジング化、オープン化が進み、厳しい経営環境が続くなかで、欧州以外のビジネスからの撤退を図り、サービスを主体とした収益性の高いビジネスモデルへの変革を行ってまいりました。当初は早期の株式公開を目指したものの、ITバブルの崩壊を境に2002年には商号を「富士通サービス」に変更し、その後は時間をかけて徹底的な事業構造改革を行い、企業価値を十分に高めて上場可能な企業にした上での株式売却を目指すべく保有を継続してきました。

    事業構造改革の結果、英国での政府系アウトソーシング商談を中心に安定した収益を確保できるようになり、2002年度に黒字転換した後は、毎年確実に利益を増加させ、企業価値の市場評価についても過去の投資額を上回る水準を維持しておりました。しかし、同社のそれまでの業績の結果と、北欧ビジネス等の買収によるのれんを取得時に一括償却したことなどにより、投資簿価に対して純資産額が著しく低下しました。また、2005年度には他の欧州の上場企業並みに会計基準を国際財務報告基準(IFRS)に変更しましたが、年金積立不足などの移行影響により、純資産額はさらに減少しました。

    当社は現在、サービスビジネスとプロダクトビジネスをグローバルに展開することに注力しており、2006年6月には海外を米州、EMEA(欧州・中近東・アフリカ)、APAC(アジア・パシフィック)、中国の4地域に区分し、常務以上の経営執行役が責任者となる総代表制を導入しました。

    ITサービスのグローバル化が進む中での課題は、グループを通じたサービスのグローバルなオファリングの構築、顧客サポート体制の構築であり、海外ビジネスでの重要地域であるEMEA地域については、英国を中心として先進的なITサービスの実績をもつ富士通サービスを中核企業として位置づけることとしました。富士通サービスについては、上場等を行うよりもむしろ100%子会社としてグループ内に留め、富士通グループの企業価値への貢献を最大にすべく株式の保有方針を変更し、2007年1月には富士通サービスにドイツでTDS社を買収、欧州大陸への本格的参入を開始させ、同年3月には富士通サービスの会長であり同社の成長に力量を発揮したリチャード・クリストウをEMEAの総代表とする人事異動を行いました。


    これまでは、純資産額が著しく減少した同社について、上場等による株式売却を前提とした回収見込額が投資簿価を上回ることから評価損を計上する必要はありませんでしたが、上記の株式保有に係る基本方針の変更に伴い、おおむね5年以内での純資産額の回復による回収見込額が投資簿価を下回るため、評価損を計上いたします。

    富士通サービスへの投資簿価約3,500億円と純資産額との差額は約2,900億円となる見込みです。なお、同社の市場の評価による企業価値は継続して取得価額を上回る水準にあり、さらに成長を続けております。



    (2) 通信システム製造・販売子会社

    (富士通ネットワークコミュニケーションズ、富士通テレコミュニケーションズヨーロッパ)

    北米での光伝送システム事業では、ITバブル崩壊から立ち直り、2003年度から利益を計上し続けていますが、顧客である固定ネットワーク系の通信キャリアの統合後、ベンダー間の競争が一層激しくなるとともに、顧客の技術革新への取り組みも変化の速度を増し、開発費負担が増加しました。また、英国の通信システム事業では、次世代通信システムの開発費負担が増加したほか、顧客の投資が延伸しました。これらの結果、製造・販売子会社の損益計画が達成できない見込みとなりました。



    (3) 米州販売子会社

    (富士通コンピュータシステムズ、富士通トランザクションソリューションズ)

    北米におけるサーバビジネスでは販売数量は順調に増えていますが、価格低下の圧力が強まり、また新製品の立上げ遅れや拡販費用の増加などから、販売子会社の今後の利益成長が計画より遅れる見込みとなりました。また、流通システム事業では、買収したセルフチェックアウトシステム(無人レジ)の立ち上がりの遅れや保守ビジネスの不振により業績回復が遅れる見込みとなりました。



    平成19年3月期の業績への影響につきましては、本日発表いたします『平成19年3月期 通期業績予想(単独)の修正に関するお知らせ』に記載しておりますのでご参照下さい。

以上

本件に関するお問い合わせ

広報IR室

電話: 03-6252-2175(直通)