PRESS RELEASE
2007-0014
2007年1月19日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~広い温度範囲(-40℃~85℃)に対応した製品としては世界初~
富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)は、北米を中心に導入が進みつつあるギガビットレベルの光伝送システムであるG-PON(注2)向けに、-40℃~85℃までの広い温度範囲に対応し、広範な光強度差でのバースト受信が可能な、光トランシーバ技術の開発に世界で初めて成功しました。
このほど、本技術を採用した局側装置用光トランシーバ製品として、SFP(注3)、SFF(注4)の2タイプを2007年4月末日より、富士通から販売します。
本トランシーバ製品を採用することで、広範な光強度差に耐えるシステムマージン(余力)を確保でき、光伝送システム性能が飛躍的に向上するとともに、G-PON装置の小型化により、ネットワーク構築における柔軟性を飛躍的に向上させることが可能となります。
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本格的なブロードバンド、ユビキタス社会の到来をむかえ、基幹ネットワーク、加入者系ネットワークの情報トラフィック量は飛躍的に増加し、さまざまなアプリケーションに耐えうる大容量・高信頼の光ネットワークを支える光トランシーバが求められています。
この中で、加入者系の容量拡大のため、加入者系への光ファイバー導入が進められ、当初の毎秒150メガビットから、現在では、ギガビットクラスまで帯域が拡大しています。このギガビットシステムについては、北米では既存ネットワーク(SONET(注5))との親和性の観点からITU-T(注6)規格であるG-PONの導入が検討されており、今後、大きく需要が拡大する見込みです。G-PONシステムの局側装置では、加入者からの信号を時間分割で受信しますが、光分岐装置(スターカプラ)と加入者までのファイバー距離がまちまちなため、最大で100倍以上の光強度差を持った信号(バースト信号)を受信する必要があります。
また、局側装置は屋外に設置するために幅広い温度環境で稼動できるとともに、一つのユニット上に多数の光トランシーバを搭載できるような、小型の光トランシーバの要求が高まっています。
今般、富士通および富士通研究所は、以下の技術開発に成功したことにより、G-PONの標準規格に準拠し、-40~85℃の広い温度範囲で安定動作するSFPタイプ、およびSFFタイプG-PON向け光トランシーバの製品化をいたしました。
当製品の北米市場への投入により、富士通の北米における光加入者システム向け光トランシーバのシェアの向上を目指します。
本トランシーバは、G-PONの標準規格であるITU-T G.984.2 Class B+規格にフル準拠し、上り、下りの異なる波長信号の双方向伝送が可能です。
独自に開発したCMOS LSIとバースト受信技術により、1,000倍以上の光強度差のある信号も受信可能です。本性能は、十分なシステムマージンが確保できるだけではなく、分岐数の増大(32分岐以上)や加入者までの距離の増加(20キロメートル以上)にも対応可能となります。
広い温度範囲で光デバイスを安定に動作させる制御回路技術や効率の良い放熱機構の採用により、-40~85℃での安定した動作を実現しており、温度環境の厳しい屋外設置の装置への搭載を可能とします。
独自の小型光デバイス技術と高密度実装技術を用い、従来より約20%小型化したことにより、SFPタイプのプラガブル光トランシーバを実現しました。本光トランシーバを用いることにより、システム運用状態での増設や保守を容易に行えます。
なお、本製品サンプルを、1月24日から26日まで東京ビッグサイトで開催される「第7回ファイバーオプティクスEXPO(FOE2007)」へ出展する予定です。
製品名 | 販売価格(税別) | 出荷時期 |
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G-PON向け光トランシーバ | 個別見積り | 2007年4月末日 |
2007年度:10億円(富士通の決算期は3月末日です。)
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
電話: 044-754-3757(直通)
E-mail: sales@ml.css.fujitsu.com
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