PRESS RELEASE (技術)
2006-0192
2006年12月1日
株式会社富士通研究所
~部品からソフトウェア・サービスまで多面的な環境負荷評価が可能に~
近年、「サスティナブル社会(持続可能な社会)」、「LOHAS (Lifestyles Of Health And Sustainability)」、「グリーン製品」などの言葉が多方面で見られるように、お客様の購入製品に対する環境面での関心が高まってきています。
これまで、富士通ではハードウェアからソフトウェア・サービス製品までCO2排出量による環境負荷評価を行ってきました。特に、ソフトウェア・サービス製品においては、環境貢献ソリューション認定制度(注3)を導入し、環境貢献の効果を定量評価する先進的な活動を進めています。
しかし、これまでの製品の環境負荷評価は地球温暖化に影響を与えるCO2排出量のみの議論が多く、資源消費、動植物への影響なども考慮した多面的な環境負荷評価の要望が高まっていました。
製品の多面的な環境影響を評価する手法としてLIME (注4)があります。LIMEは、CO2だけでなくSOx(イオウ酸化物)やNOxなどの環境負荷が温暖化やオゾン層破壊などに与える影響を科学的に分析し、さらに人間の生活基盤や生態系といった保護対象(人間健康、社会資産、一次生産、生物多様性)ごとに被害量を算定し、最終的に金額などの単一指標に換算します。近年、本手法をハードウェア製品に適用するケースが見られるようになってきました。
しかし、富士通の主要なビジネスであるシステム構築やアウトソーシングなどのソフトウェア・サービス分野においては、この指標を算出するために必要となる多面的な環境負荷の原単位データがなく、これまではLIMEを適用することができませんでした。
当社は、ハードウェア製品を構成する部品や素材に加え、ソフトウェア・サービス評価で重要となる「物の消費量」、「人の移動量」、「オフィススペース」などの8要因(注5)を含む計2,000種類について、最新の産業連関表をもとに、CO2やNOx排出など17の環境負荷項目の原単位データベースを構築しました(図1)。これをLIMEに適用することにより、ハードウェアからソフトウェア・サービスに渡る全製品群に対し、多面的な環境負荷評価が可能になりました。特に、ソフトウェア・サービスのさまざまな環境負荷を統合化し、社会コストとして算出したのは業界で初めてです。
今回構築したデータベースは、富士通の環境活動における基盤として、今後次のような活用を図っていく予定です。
以上
株式会社富士通研究所 基盤技術研究所 環境材料ステーション
電話: 046-250-8361(直通)
E-mail: env_st@labs.fujitsu.com
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