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PRESS RELEASE (デバイス)

2006-0118
2006年7月20日
富士通株式会社

3チャネルの静電容量型センサー向けIC新発売

~温度や製造によるばらつきを補正し、高精度な静電容量電圧(C-V)変換を実現~

当社は、加速度や圧力を静電容量(注1)の変化として検出するセンサーと組み合わせて利用する静電容量電圧変換(C-V変換(注2))IC「MB42M001」を、富士通ヴィエルエスアイ株式会社(注3)と共同で開発し、本日より、サンプル出荷を開始します。本製品はセンサーの温度変化や製造によるばらつきを補正し、より高精度なセンサー製品の開発を可能にします。

現在、車載機器、モバイル機器、ロボット、工業機器などさまざまな分野で、傾きや衝撃、圧力を計測するセンサーの市場が拡がっています。それらのセンサーからの微小な信号を、CPUで処理できる信号に増幅、変換するセンサー向けICの需要もますます拡がっています。

加速度や圧力センサーには、加えた力を抵抗変化として検出する抵抗型センサーと、静電容量変化として検出する静電容量型センサーがあります。静電容量型センサーは抵抗型センサーに比べ消費電流が少なく、特にモバイル機器向けのセンサーとして、今後、需要の伸びが期待されています。

このような背景をふまえ、当社は静電容量型センサー向けICを開発しました。本製品は、加速度や圧力に応じた静電容量の変化を検出し、電圧に変換します。また、センサーごとの温度変化や製造によるばらつきを補正し、より高精度なセンサー製品を可能にします。

当社は、2004年より、抵抗型センサー向けセンスアンプICを販売しています。今回新たに静電容量型センサー向けICを追加することで、幅広いセンサーに対応することができます。今後、さらに高精度で多入力に対応したセンサー向けICのラインナップを順次、拡大していく予定です。

本製品の特長

  1. 静電容量型センサー向けに3チャネルのC-V変換に対応

    静電容量型センサーが検出する微小な静電容量の変化を電圧に変換(C-V変換)します。3チャネルの入力に対して、独立にC-V変換と補正ができますので、加速度センサーなど3軸で検出するセンサーとの組み合わせに適しています。


  2. センサーの温度特性や製造ばらつきを補正

    内蔵した温度センサーの情報により、温度変化にともなうオフセット(注4)容量や感度変化の補正が可能です。センサー製品ごとの製造ばらつきに対しても、同様に高精度な補正が可能です。


  3. フラッシュメモリを内蔵

    センサーごとのばらつきに対する補正データ設定表を格納するため、1,280ビットのフラッシュメモリを内蔵しています。


サンプル価格、および出荷開始時期

製品名 サンプル価格(税込) 出荷開始時期
「MB42M001」 400円 2006年 7月

販売目標

月間10万個

主な仕様

電源電圧 2.7 V~5.5V
消費電流 標準310マイクロアンペア(電源電圧:3V時)
容量-電圧変換利得 3V/ピコファラッド(以下、pF)~100V/pF(IC出力換算値)
容量検出可能範囲 0.01pF~0.3pF(IC出力電圧が1Vの変化を得る場合)
容量オフセット許容値 プラスマイナス1.5pF
動作温度範囲 -30℃~85℃
出荷形態 プラスチックBCC-32ピン

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上

注釈

  注1 静電容量:
コンデンサー(対向した電極板)に蓄えられる電荷量。
  注2 C-V変換:
静電容量の変化を電圧変化に変換すること。たとえば、1V/pFとは、静電容量が1pF変化した場合に、1Vの電圧変化に変換することを意味する。
  注3 富士通ヴィエルエスアイ株式会社:
代表取締役社長:高橋仁、住所:愛知県春日井市。
  注4 オフセット:
静電容量型センサーにおけるオフセットは、センサーが持つ2つのコンデンサーに蓄えられる初期静電容量の差分。

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本件に関するお問い合わせ

電子デバイス事業本部 基盤商品マーケティング統括部 アナログ商品マーケティング部

電話:0568-51-8397 (直通)
E-mail: edevice@fujitsu.com


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