Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2006-0119
2006年7月19日
富士通株式会社

計算科学研究センター様の超高速分子シミュレーターとして最新の「PRIMEQUEST」が稼動

~「PRIMEQUEST」で構成するHPCシステムとしては最大規模の理論ピーク性能4テラフロップスを実現~

当社は、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 岡崎共通研究施設 計算科学研究センター(所在地:愛知県岡崎市、センター長:岡崎 進、以下、計算科学研究センター)様へ、「デュアルコア インテル® Itanium® 2 プロセッサー」を搭載した最新の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST™(プライムクエスト)」を納入しました。

当社が納入した「PRIMEQUEST」は、計算科学研究センター様の新スーパーコンピュータシステム「超高速分子シミュレータ」の密結合演算サーバサブシステムとして使用されています。当サブシステムは、10ノードで構成され理論ピーク性能が4テラフロップス(テラは1兆、以下、TFLOPS)(注1)で、「PRIMEQUEST」で構成するシステムとしては、最大規模のものです。超高速分子シミュレータは、7月1日より運用を開始しています。

計算科学研究センター様の超高速分子シミュレーターの概要

当社が計算科学研究センター様へ納入した「超高速分子シミュレーター」は、密結合演算サーバサブシステム、高速I/O演算サーバサブシステムなどからなり、二つのサブシステムが一体となって運用されます。理論ピーク性能は、二つのサブシステムをあわせて8TFLOPS、メモリ容量は10.5テラバイト(以下、TB)、ディスク容量は160TBです。

    密結合演算サーバサブシステム
  最新の「デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー」を搭載した基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を10ノード、合計640CPUコアで構成しています。各ノードは、システムボード間を高速なメモリクロスバーで接続したSMP(注2)システムであり、アプリケーションプログラムを変更することなく容易な高速SMP並列実行が可能です。さらに、ノード間は、毎秒16ギガバイト(ギガは10億、以下、GB)のネットワークで結合しており、分散並列とSMP並列をあわせた大規模なハイブリッド高速並列演算が行なえます。理論ピーク性能は4TFLOPSであり、「PRIMEQUEST」を使用したHPCシステムとしては最大規模となります。
高速I/O演算サーバサブシステム
  最新の「デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサー」を搭載した、SGIの大規模並列Linuxスケーラブルサーバ「SGI® Altix® 4700」、合計640CPUコアで構成しています。理論ピーク性能は4TFLOPSです。
データ保管用磁気ディスク装置、会話処理ノードなど
  24TBのディスクアレイ「ETERNUS(エターナス)3000」と「PRIMEQUEST」3ノードから構成しています。

超高速分子シミュレーター導入の背景

計算科学研究センター様のシステムは、日本の分子科学およびバイオサイエンス分野のお客様に広く利用されており、そこで行なわれる計算は、量子化学、分子動力学、固体電子論、統計力学、化学反応動力学など多岐にわたっています。超高速分子シミュレーターには、さまざまな計算要求に応える汎用性が求められており、当社の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」が選択されました。

超高速分子シミュレーターは、2000年に運用を開始した旧システムに比べ、14倍以上の演算性能を実現しており、分子科学およびバイオサイエンスの計算科学の発展を支援することを目的に導入されました。

当社のHPCシステムへの取り組み

当社は、数々の大規模HPCシステムの開発と、構築、サポートサービスを提供してきました。今回納入したシステムは、ベクトル型スーパーコンピュータで培った最先端プロセッサ技術、並列命令計算処理技術、高速インターコネクト技術と、UNIXサーバで培った共有メモリ技術、メモリアクセス制御技術、基幹IAサーバで培った高信頼技術を結集して開発した高い信頼性をもつシステムです。

計算科学研究センター様について

計算科学研究センター様は、基礎生物学研究所、生理学研究所と分子科学研究所の研究者に対する計算処理サービスに加えて、大学共同利用施設として全国の分子科学およびバイオサイエンス分野の研究者に対して、大学など他の計算機環境では処理が困難な大規模かつ超高速の演算処理機能を提供しています。本センター様のシステムは、全国の大学・研究機関に所属する研究者約550人に利用されており、それらのユーザーに対して常に最高性能のコンピュータシステムの導入に努めています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 テラフロップス:
TFLOPS、1秒間に1兆回の浮動小数点演算ができる演算能力。
  注2 SMP:
対称型マルチプロセッサ、Symmetric Multi-Processorの略。複数のCPUが1つのメモリ空間を共有するマルチプロセッシング方法。

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