Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2006-0094
2006年6月8日
富士通株式会社

FDK様の大規模HPCシステムを「PRIMEQUEST」で構築

~従来のベクトルシステムの15倍以上の処理能力~

当社は、FDK株式会社様(代表取締役社長:杉本俊春、本社:東京都港区、以下、FDK)に、論理ピーク性能、1テラフロップス(以下、TFLOPS、(注1))の大規模ハイパフォーマンスコンピューティング(以下、HPC)システムを、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST™(プライムクエスト)」で構築しました。

なお、本システムは4月より稼働を開始しています。

FDK様で構築したシステムは、Intel® Itanium®2プロセッサを32個搭載した当社の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 480」を5ノード、合計160CPU で構成されており、「PRIMEQUEST」としては初の大規模HPCシステムです。論理ピーク性能は1TFLOPSであり、これまでFDK様でお使いいただいていた当社のベクトル型スーパーコンピュータシステム「VPP5000」に比べ、論理ピーク性能で15倍以上の処理能力を有します。

本システムは、OSにRed Hat Enterprise Linux ASを採用しており、このOS上にアプリケーションの高速実行環境などを提供する当社のソフトウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」(注2) を利用することにより、飛躍的な性能向上を実現しています。これは、当社が提供してきたベクトル並列計算機(注3)とスカラ並列計算機(注4)により培ってきたノウハウによる成果です。

特に、FDK様の主たるアプリケーションプログラムである材料解析(注5)アプリケーションは、ベクトル型計算機向きに最適化されていますが、このプログラムを「PRIMEQUEST」と「Parallelnavi」の実行環境上で、自動並列化とOpenMP(注6)を組み合わせた、簡単な並列化プログラミングを施すだけで、これまでの処理時間に比べ3倍以上の高速化を実現しています。


本システムは、FDK様より、「プログラムの高速化のみならず、次世代製品の開発に向けた先端シミュレーションプログラム開発のための、最適なコンピューティング環境である」との評価をいただいております。今後、FDK様は、本システムを利用し次世代電源(キャパシタ)などの開発や各事業部への設計者向けシミュレーション環境を実現するためのプラットフォームとして利用する予定です。

当社は、ベクトル並列計算機とスカラ並列計算機により培ってきたノウハウに加え、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」によるHPCシステム構築のノウハウにより、今後もHPCビジネスを推進してまいります。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上

注釈

  注1 1テラフロップス:
1秒間に1兆回の浮動小数点演算を行なう演算能力。
  注2 Parallelnavi:
富士通の開発した、HPC向けのミドルウェア。ハードウェア性能を最大限に引き出すための逐次および並列プログラムの開発環境と、高速実行環境を提供する。
  注3 ベクトル並列計算機:
専用の高性能プロセッサを同時並列的に動作させる大型計算機。
  注4 スカラ並列計算機:
汎用プロセッサを多数、同時並列的に動作させて処理能力を高めた大型計算機。
  注5 材料解析:
第一原理計算。物質の原子配列から電子状態を解析し、物性を予測する。
  注6 OpenMP:
SMPサーバ向けの並列言語仕様。SMPはSymmetric Multiple Processorの略で、複数のCPUが同等な立場でメモリを共有するマルチプロセッサ手法を指す。

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本件に関するお問い合わせ

科学ソリューション事業本部 計算科学ソリューションセンター

電話: 03-6252-2483(直通)


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