「非接触型手のひら静脈認証装置」の小型・高性能化を実現

～世界統一ブランド「PalmSecure」を新たに採用し、強力にビジネスを推進～

富士通株式会社(以下、富士通)はこのほど、株式会社富士通研究所^(注1)と、「非接触型手のひら静脈認証装置」の小型・高性能版を共同で開発し、米州、EMEA、豪州、アジアで本日より販売開始します。また新製品リリースにあわせ、世界統一ブランド「PalmSecure」(パームセキュア)を新たに採用し、今後いっそうの市場拡大に努めてまいります。

今回発売する新製品は、これまでの「高い認証精度」「体内情報であるため偽造が困難」「外部条件の影響を受けにくいため、高い適用率を実現」「非接触であるため、利用者の抵抗感が少ない」という優れた特長を継承した上で、4分の1のサイズ(35mm x 35mm)まで小型化するとともに、認証速度の高速化をはじめとする各種性能向上、低コスト化を実現しました。

これにより、実装部分の省スペース化、スマートで自然な外観を実現することで、より広範囲な製品への組み込みが可能となるとともに、低価格化によりコンシューマー商品などへも適用が拡大すると見込まれ、既存製品のよりいっそうの進化、ならびに「高セキュリティ」「利便性」をキーワードにさまざまな製品・システムへの応用が可能になります。

また今回、サンプルアプリケーション、認証率評価ツールなどを同梱した英日対応のSDK(Software Development Kit)を提供することで、お客様は、自らの発想による組み込み製品・アプリケーションの開発を自由かつ容易に行うことができるようになります。当社では、専用のWebサイトを開設し、グローバルかつスピーディーな開発支援を行ってまいります。

「PalmSecure」利用イメージ

拡大イメージ

富士通は、2005年3月に独ハノーバー市で開催された国際情報通信技術見本市「CeBIT」で「非接触型手のひら静脈認証装置」を参考出展し、大きな注目を浴びるとともに、その優れた性能に高い評価を頂きました。また同年6月には、ワールドワイドに本格的にビジネスを開始し、高度なセキュリティが求められる公共・民需分野で数多くの商談を展開しています。

今般、富士通は、同装置を世界のセキュリティ市場でのデファクトスタンダードとすべく、従来機の4分の1のサイズ(35mm x 35mm)まで小型化した上で、認証速度の高速化、耐環境性能の向上を図り、さらには、低コスト化を実現しました。また新製品リリースにあわせ、世界統一ブランド「PalmSecure」を新たに採用することで認知度の向上を促し、いっそうの市場拡大に努めてまいります。

あわせて開発者向けに、サンプルアプリケーション、認証率評価ツールなどを同梱したSDKを提供します。これは、英語、日本語に対応しており、グローバルに利用可能です。また専用のWebサイトを通じて、技術情報の提供、関連ソフトウェアのレベルアップサービス、さらには個別のQ&Aサポートをスピーディーに行います。

富士通グループでは、本日より、以下の米州、EMEA、豪州、アジアの現地法人にて新製品を販売開始します。

米州		富士通コンピュータ・プロダクツ・オブ・アメリカ(FCPA) 富士通ブラジル(FBR)ほか
EMEA		富士通ヨーロッパグループ(FELG)ほか
豪州		富士通オーストラリア(FAL)
アジア		日本富士通アセアン諸国富士通アジアPTEグループ(FAPLG) 韓国富士通コリア(FKL) 台湾台湾富士通股分有限公司(FTL)

なお、本装置の製造は、富士通フロンテック株式会社(代表取締役社長宮澤達士、本社東京都稲城市)が担当します。

「非接触型手のひら静脈認証装置」について、日本では2004年7月の販売開始以来約1万台を超える販売実績があります（金融機関6,000台、PCログイン1,000台、入退室300台、組込部品3,300台）。既に貸金庫や図書館システムなどにも適用されるなど、その活用シーンはますます拡がっており、今後は複写機や電子カルテなどさまざまな製品・システムへの応用も容易になります。

今後3年間で、ハード・ソフト・SI費用を含め800億円の売上を目指します。

新製品の特長

小型化の実現
従来機70 x 70 x 27mmに対して、35 x 35 x 27mmを実現し、体積比4分の1を実現しました。これにより装置の組み込みがより容易になりました。
高速認証の実現
従来機に対して半分以下の認証時間を実現しました（1:1認証時）。今後さらに性能向上を目指します。
動作環境条件の拡大
従来機の設置環境の高温上限50℃を60℃まで引き上げたことで、屋外設置にもより柔軟に対応します。
コストパフォーマンスの向上を実現
上記の各種性能向上の一方、従来機に比べて半額以下の販売価格を実現したことで、コストパフォーマンスを向上させました。
PCとの親和性
ノートPCではUSBコネクターへのダイレクト接続も可能になります。またデスクトップPCではキーボードへの内蔵が可能となります。
グローバルな開発支援環境の拡充
開発者向けに、サンプルアプリケーション、認証率評価ツールなどを同梱したSDKを提供します。これは、英語、日本語に対応しており、グローバルに利用可能です。また専用のWebサイトを通じて、技術情報の提供、関連ソフトウェアのレベルアップサービス、さらには個別のQ&Aサポートをスピーディーに行います。
地球環境に配慮した植物性プラスチックの採用
装置の一部にとうもろこしのデンプンから作られるポリ乳酸を用いた植物性プラスチックを採用しました。化石資源として枯渇が危惧される石油原料の使用量ならびにライフサイクル全体でのCO2排出量を削減し、環境負荷の低減に貢献します。

販売価格、および出荷時期(日本)

商品名	販売価格(税別)	出荷時期
PalmSecure Sensor	個別見積	2006年4月末
PalmSecure SDK	35万円	2006年4月末

販売目標

3年間で800億円の売上を目指します。（ハード・ソフト・SI費用含む）

参考1:「非接触型手のひら静脈認証装置」の特長

体内情報であるため偽造が困難
「手のひら静脈」は体内情報であり、偽造が困難です。また指や手の甲に比べ、複雑かつ安定しており、本人拒否率0.01% 他人受入率0.00008%以下という高い認証精度と合わせて、高信頼のセキュリティを実現しています。
適用率が高く、登録不可能な人がほとんどいない
指紋では表面の磨耗や乾燥などにより、登録・照合が出来ないことがありますが、「非接触型手のひら静脈認証装置」では、体表の影響はほとんど受けません。
富士通では、全世界で7万5千人15万手での静脈データサンプルを収集し、認証精度と適用率の確認を行いました。これらのサンプルで適用できなかったケースはなく、適用率の高さが実証されています。
非接触であるため、利用者の抵抗感が少ない
衛生的であるとともに、自然な操作性を実現しています。これにより心理的な抵抗感が少ないものとなっています。

参考2:「非接触型手のひら静脈認証装置」の導入・採用事例

三菱東京UFJ銀行様(銀行ATMへの適用)
東京大学医学部附属病院様(入退室管理への適用)
千葉工業大学様(ICカード学生証による学生情報・成績情報の提供)
那珂市立図書館様(カードレスでの図書貸出)
川崎信用金庫様(PCログインへの適用)

など

参考3:「非接触型手のひら静脈認証装置」の主な受賞歴

「2004年度グッドデザイン賞新領域デザイン部門」（財団法人日本産業デザイン振興会）
「2004年(第47回)十大新製品賞本賞」(日刊工業新聞社)
「2004年日経優秀製品・サービス賞審査委員特別賞」(日本経済新聞社)
「The Wall Street Journal 2005 Technology Innovation Award セキュリティ部門最優秀賞」(The Wall Street Journal)
「2006 CES Innovations Design and Engineering Awards “Best of Innovations”(生体認証分野)」(The Consumer Electronics Association)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

注1 株式会社富士通研究所:: 社長村野和雄、本社神奈川県川崎市。

本件に関するお問い合わせ

ユビキタスシステム事業本部バイオメトリクス認証システム部

電話： 044-754-3298（直通）
E-mail: bio-inq@ml.css.fujitsu.com

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