PRESS RELEASE (技術)
2006-0034
2006年3月3日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~量子ドットレーザーを用いて構内大容量ネットワークを低コストで実現~
本技術の詳細は、3月5日から10日まで米国カリフォルニア州アナハイムで開催されるOFC2006(Optical Fiber Communication Conference)で発表します。
なお、本研究の一部は、文部科学省のITプログラム、および独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より財団法人光産業技術振興協会に委託されたプロジェクトにおいて実施しました。また、量子ドットレーザーの研究開発は、東京大学荒川泰彦教授グループと富士通、富士通研究所とが共同で進めているものです。
本格的なブロードバンド、ユビキタス社会の到来を迎え、基幹ネットワークや企業内ネットワークの情報トラフィック量は飛躍的に増加し、さまざまなアプリケーションに耐えうる大容量・高信頼の光ネットワークを支える技術が求められています。
その中で、ビル構内などに張られたMMFの既存インフラを活用し、伝送容量を従来の1Gbpsから10Gbpsに拡張することが注目されており、IEEEにおいて、10ギガビットイーサLRM(注4)という新規格が標準化されつつあります。
量子ドットレーザーは、ガリウムヒ素(GaAs)などを利用した化合物半導体光デバイスで、温度に依存せず動作させることができます。そのため、従来のレーザーで用いられていた温度コントローラー内蔵の高価なパッケージが不要となり、低コスト化が実現できます。今回、量子ドットレーザーを用いて、MMF上で伝送実験を行った結果、摂氏80度の高い温度まで安定して、10Gbpsで300メートル(以下、m)(注5)の距離を伝送することに成功しました。既存構内ネットワークにおけるファイバーの長さは300 m以下がほとんどであり、量子ドットレーザーを適用することで、低コストで10 Gbpsまで高速化することが可能になります。
現在、IEEEにおいて10ギガビットイーサLRMの標準化が進められており、富士通では、標準化の動向に合わせ、量子ドットレーザーを用いた光モジュールの製品化を検討していきます。
以上
電話: 046-250-8219(直通)
E-mail: omqd@ml.labs.fujitsu.com
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。