PRESS RELEASE
2006年3月10日
学校法人早稲田大学
株式会社富士通研究所
富士通研究開発中心有限公司
早稲田大学と富士通研究所は、2003年11月に、早稲田大学での研究教育活動、ならびに富士通研究所の研究開発活動を、それぞれの強みを活かしながら連携して推進することを目的とした包括提携協定を締結しています。今回、その一環として、富士通研究所およびFRDCで開発中の中国語処理技術を、早稲田大学GITI、GITSなどで開発中の中国語の語学学習支援システムに導入する共同研究を2006年3月より2007年3月まで行うことに合意しました。
近年、中国語に対する社会のニーズが高まっており、早稲田大学では半数以上の学生が第二外国語として中国語を選択しています。しかし、学生数に比して教員数が不足しており、IT技術を利用した学習支援システムが求められています。早稲田大学政治経済学術院砂岡和子研究室とGITI、GITSなどの連携により、パソコンや携帯電話を使った中国語学習支援システムが開発され、多人数の学生に対する個別学習の機会を大幅に増やすことが可能となってきました。
一方、富士通研究所では、中国の研究開発拠点であるFRDCと連携して中国語処理技術の研究開発を行っています。その一つである中国語音声合成技術は、任意の中国語テキストを高品質な音声で読み上げることができます。本技術は、日常頻繁に使われる電話番号、金額、試合スコアなどの数字・記号を、文脈を考慮して適切に読み分けることを特長としています。また、膨大なインターネット情報を活用することで、一般の辞書に掲載されていない固有名詞や口語も含めた対訳語を検索する技術(以下、インターネット辞書)を開発しています。
本共同研究では、音声合成やインターネット辞書を、語学学習の教材作成や学習支援システムに導入することを目指します。これにより、自律学習や個別学習を促し、発音の要である中国語の声調を習得する支援になります。
また、早稲田大学では、語学学習支援システムを用いて、より実践的で新しい教材作成を行うことが可能となります。さらに、教材テキストの標準化と音声付与により、世界各地の中国語学習を支援し、高まる中国語学習ニーズに応えることが期待できます。
一方、富士通研究所とFRDCでは、早稲田大学での語学学習支援システムの実利用からフィードバックを得て、音声合成やインターネット辞書などの音声処理・言語処理技術をさらに高度化し、産業界をはじめ広い分野に適用していくことを目指します。
以上
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