Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE

2006-0011
2006年1月18日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

世界初、10Gbps波長多重(DWDM)伝送仕様に対応した
小型(XFPタイプ)光トランシーバの販売開始

富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通研究所(注1) (以下、富士通研究所)は、10Gbps波長多重(DWDM(注2))伝送仕様に対応した小型(XFP(注3)タイプ)の光トランシーバの開発に成功し、同製品を 2006年3月31日より富士通から販売します。

当光トランシーバを採用することで、波長多重方式を用いた大量な情報伝送が可能な光伝送装置を、より小型、低コストで開発・製造することができます。

DWDM XFP光トランシーバ
DWDM XFP光トランシーバ (78.0x18.4x8.5mm)

本格的なブロードバンド、ユビキタス社会の到来を迎え、基幹ネットワーク、企業内ネットワークの情報トラフィック量は飛躍的に増加し、さまざまなアプリケーションに耐えうる大容量・高信頼の光ネットワークを支える光トランシーバが求められています。

その中でも、XFPタイプの光トランシーバは、国際的な業界標準である「10Gbps MSA(注4)光モジュール」の中で最も小型で、光インターフェースと電気インターフェースの着脱が可能であることから次世代10Gbps光トランシーバとして注目され、各社で開発が進められています。


しかし、光送受信回路の小型化などが困難であることから、XFPタイプで、一括で多くの情報量を伝送できるDWDM伝送仕様の光トランシーバは、これまで製品化に至りませんでした。

今般、富士通、および、富士通研究所は、以下の技術開発に成功したことにより、XFPタイプでDWDM伝送仕様に対応した光トランシーバの製品化に成功しました。

  1. 独自の小型光送受信回路の開発
  2. 低消費電力光デバイス、および効率の良い放熱機構の開発
  3. 高周波・高密度実装技術の開発

上記技術を採用した当製品は、既存のXFPタイプのトランシーバと同一の光伝送装置のインターフェースを持ち、従来の光伝送装置にそのまま着脱することができます。

本製品の特長

  1. DWDM伝送仕様で、XFPタイプを初めて実現

    独自の小型光送受信回路や、高周波・高密度実装技術により、従来の大型のDWDM伝送仕様光トランシーバの性能はそのままに、5分の1の大きさ(78.0x18.4x8.5mm)を実現しました。この大きさは、従来のXFPタイプと同じサイズであり、10Gbpsのデータレートを実現するDWDM伝送仕様光トランシーバとしては、世界最小となります。

  2. 低消費電力特性により、光トランシーバの高密度実装に寄与

    低消費電力光デバイス、および効率の良い放熱機構の採用により、従来のDWDM伝送仕様のトランシーバに比べ、約40%の消費電力の削減を実現(4ワット以下)しており、発熱を抑えたことで装置内の光トランシーバの高密度実装を実現しました。

  3. 10Gbps帯でのマルチレート対応で、柔軟なシステム構成に対応

    SONET(注5)などの通信装置向け(9.95Gbps)と、10ギガビットイーサネットのデータコム装置向け(10.3Gbps)の両方に利用できます。

  4. 光インターフェースと電気インターフェースが着脱可能

    着脱時の特性変化が少ない光インターフェース部の構造や、電源ON状態でも挿抜できる電気インターフェース回路の開発により、既存のXFPタイプのトランシーバと当製品の交換が容易に出来ます。

なお、製品サンプルを、1月18日から20日まで東京ビックサイトで開催される「第6回ファイバーオプティクスEXPO(FOE2006)」へ出展する予定です。

今回のDWDM伝送仕様の10Gbps XFP光トランシーバの製品化により、当社は10Gbps光トランシーバにおいて、伝送距離2kmから80kmに対応し、DWDM伝送仕様の豊富なメニューをラインナップし、お客様のニーズに柔軟に対応することが可能となります。

販売価格、および出荷時期

製品販売価格(税別)出荷時期
DWDM XFP光トランシーバ個別見積り2006年3月31日

販売目標

2006年度:10億円(富士通の決算期は3月末日です。)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 株式会社富士通研究所:
社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
  注2 DWDM:
Dense Wavelength Division Multiplexingの略。波長の違う複数の光信号を同時に利用することで、光ファイバーを多重利用する方式。
  注3 XFP:
10 Gigabit Small Form Factor Pluggable の呼称。MSA光モジュールの一つ。
  注4 MSA:
Multi-Source Agreementの略。製品のパッケージサイズ、ピン配置、およびスペックなどを複数のベンダー間で共通化する事で、製品の安定した供給体制を確立する手法。
  注5 SONET:
Synchronous Optical Networkの略。同期光ネットワークの意味で、光インターフェースの通信速度標準の仕様。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社 光モジュール事業本部 営業部

電話: 044-754-3757(直通)
E-mail: sales@ml.css.fujitsu.com


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